海鳴り
作詞:竹内 信太郎
この町にいつも漂っている生臭い風が嫌いだった
思い出したくもない記憶が鼻先に住み着いてるみたい
夏は声で溢れた浜辺も今日は人影も喧噪もない
死んだように静まり返って忘れ去られた
でも聞こえる 今日も鳴ってる
海は歌う 潮は騒ぐ 優しく 冷たく 素っ気なく
風を伝って町に届いて思い出させる
今まで積み重ねてきた嘘が誰にも許されないとしても
それでもいいや ここで吐き出せるなら
海で死んだ人間の灰が積もって砂浜になるらしい
その為に落とされた涙が溜まって出来たのが、海らしい
母さんはここで灰になった そのまま帰ってこなくなった
けど僕は何故か泣けなかった どうしてなのさ
探している あの日の意味を
答えなんてないのにまだ縛られてる
声が溶けて吸い込まれる 青くて黒い水面には
輝くような くすんだような記憶と波が揺れてる
今、誰かの為じゃない生き方を誰かに批難されたとしても
どうでもいいよ。どうせ僕は僕だから
ただ、ここでは素直でいさせて
いつも僕の傍にある海も 遠くて懐かしいあの海も
同じような風を運んできて 思い出させて忘れさせる
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