ビオトープ「遊びの森」の紹介
遊びの森で井戸を掘りました!
井戸水を浄化する工夫をしています。

 約百坪の広さをもつビオトープをめざして、まず井戸を掘ることにする。
  掘り方は愛媛県今治市の曽我部正美氏より譲っていただいた「井戸掘り器」を使用しご指導も受ける。また友人の高坂政敏氏の上総堀の体験から知恵を拝借し協力して戴くことにする。
  2003年4月14日、予定地の南西角の杉林のそばに位置を決め、あらかじめ直径1メートル程の穴を1メートル掘って足場の板を渡し、水道の水を流し込みながら曽我部式井戸掘り器を使って掘りはじめる。

 曽我部式井戸掘り器
 50センチの長さに切った、50ミリ塩ビ管の下部に図のようにプラスチックの弁をつけ、下から途中まで5ミリ程の穴をあけ、上部には8センチ位の穴をあける。その上端に50ミリ/20ミリの異型ソケットを付け、その終端からは20ミリvp管で必要な深さにつないで掘り進む。

 水を流し込みながら、トントンと数回突くと50ミリ塩ビ管の中に、弁の作用で泥水と一緒に砂がたまる。


 はじめに1メートル四方の穴を、1メートル掘り、水道水をながしこみながら、井戸掘り器を使って掘り進む。

 この泥水混じりの砂を、5,6回突く毎に掻い出し掘り進む。
 砂地であるため、掘り進むのはいたって簡単で、2時間ほどで2.5メートル掘ることが出来た。
 1.3メートル掘ったあたりからは外から水を流し込まなくても地下水が出てくるようになった。

 *前に述べたように、この九十九里平野は約5000年前までは海底だった。その後繰り返す地殻変動のたびに海底は隆起し、砂丘と低湿地がおよそ5〜10キロメートルの彎曲した地形に、九条の帯をなして海岸に沿って並ぶ地形を形成する。
 茂原市東部から長生村、睦沢町に至る一帯は「おおどぶ」とよばれる湿地帯が連なり、長生村の尼が台運動公園にはその一部が湿性植物園として保存されている。
 ビオトープ予定地の茂原市七渡りはこの約5キロ程北に位置し水田地帯であることから、もとは湿地帯であったことが予想される。
 以上のことから、九十九里平野一帯は地下水位が高く、しかも10メートルも掘れば天然ガスが出るという話である。地下水が目的で井戸を掘ったらガスが出て失敗することはよくあることだそうである。*

 第一日めは2.5メートル堀進んだところでおわる。
水位は地表から1.3メートルの位置に留まっている。
 

 

 二日めは、4メートルの長さの75ミリ塩ビ管に、 下から3メートルまで直径5ミリの穴を無数に開けたものを用意し、それを打ち込みながら掘り進む。この場合、管の入り口が高くなるので踏み台に載って作業をする。

 75ミリ塩ビ管は、特に打ち込まなくても、掘り進む分だけ下に沈むように入っていった。

 この当たりからは、水道の水圧を利用する目的で、ホースを底の部分まで下し水を吹き付けるように出しながら掘り進む。4メートルの塩ビ管いっぱいまで掘り進んで、2メートルの管を継ぎ足す。


 数回とんとんと上下に突いた後引き上げて筒に入った砂をすてる

 3メートル掘り進んだ当たりから、酸欠地下水特有の青みがかった細かな砂にかわった。白い貝殻のつぶがまじる

 4メートル当たりからは、手を休めると、2,3分で3メートル位に埋まってしまう。底から押し上げてくるのか、横に開けた5ミリの穴が大きすぎたのか、掘っても掘っても埋まってしまう。
 これが俗にいう”山がくる”という現象であろうか。

 目標が5〜6メートルであったから、上総堀の体験をもつ高坂さんの助言と協力をえて、ここからは「井戸掘り器」を使わず水道の水圧で砂を浮かせて、素早く井戸さらい作業をして掘り進む。

 井戸さらいは、写真のように、6メートルの20ミリ塩ビ管にエルボを付け、素早く管を上下させながら、引き上げるときに手のひらで管の穴を塞ぎ、下ろすとき管の口を開ける、5〜6回繰り返していると、しだいに水が上がって来て、打ち下ろすたびに泥水がふきだす。1メートルくらいならいっきに掘り進むことが出来る。 

 6メートルの75ミリ塩ビ管を地上すれすれまで掘り下ろすことが出来た。

 6メートルの50ミリ塩ビ管に、下から3,5メートルまで、直径5ミリの穴を無数に開け、メッシュのサラン布を巻いてステンレス針金で固定させたものをあらかじめ用意しておき、例の「井戸さらい」の方法で6メートル以上の深さまで、砂を掻い出して、すばやく、準備しておいた50ミリ塩ビ管と差し換えて、5,5メートルの位置まで差し込む、「山」がきて75ミリ塩ビ管はある程度埋まっても、サランを巻いた50ミリ管は押さえていれば5,5メートルの深さを保つ。 
 この50ミリ管内に20ミリVP管を5,2メートルまで入れて、これを浅井戸ポンプに直結する。
 直結は、75ミリ/50ミリ異型ソケットで50ミリ管に接続、50ミリ/20ミリ異型ソケットの内側のでっぱり部をカッターナイフで削り落とし20ミリVP管が通るようにし、50ミリ管と接続、それぞれをのりで密閉する。これをエルボでつなぎ浅井戸用ポンプへ接続する。

 浅井戸ポンプは揚水量8メートル300ワットのものを用意する。

 4月15日井戸掘り完了。毎分4リットル。水量は充分だが口に含むと強い「かなけ」を感じる。数時間で水の色が赤くなり表面にぎらぎらした「かなそぶ」が浮く。生き物にとっては最悪の水らしい。しかしとにかく水は出た。今後は水の浄化を考えることにする。

50ミリ塩ビ管に5ミリの穴を無数に開け、3,5メートルまでサランメッシュの布を巻いたものを準備し,6メートル掘り進んだところですばやく挿入する。

 

 

 浄水槽は不要になったステンレス製の風呂桶を利用する。
 20ミリVP管に穴を開け、風呂桶の底面にコの字型に配置しそこから立ち上げて桶の縁近くにあなをあけて管を取り出し排水するように管を繋ぐ。風呂桶には下から砂利10センチ、木炭40センチ、砂15センチを入れ、それぞれの間にはサランのヌノをしく。

 木炭はご近所から、屋敷林の手入れの際切り出された雑木を焼いた消し炭を沢山作り利用した。

 4月20日、浄水槽から出る水は匂いもなく、口に含んでも「かなけ」を感じない。とにかくここまでで使える水を確保出来た。
 これから池を掘り水路でつないで 、ビオトープを本格的に始める準備が出来た。

 

 <二つめの井戸掘り> (2003年9月10日)
 一つめの井戸掘り以後、約1,5坪の池を4つ堀り、水を供給してきたが、水量は豊かなのだが大変な悪水で、ついには浄水槽を4つ列ねても、赤いヘドロでつまってしまう。
 地質に詳しい方に相談したところ、この九十九里平野が隆起して出来て、まだ約5000年と若く、地上に降った雨水が浄化され地下水となるという,自然の摂理が届く範囲は、せいぜい地下3メートル位で、それより深い地下の水は太古の澱んで腐った水と考えられる。利用できる水が必要なら、地下3メートルまでの水を汲み上げるのが良かろうということだった。

 9月10日、今ある井戸の1,2メートル横に第2の井戸を掘る。1日で3,5メートル堀り3,2メートルの位置から汲み上げることにする。
 水量は前の井戸よりは少なく毎分2,25リットルであるが枯れることはないのでなんとか賄える。水質は良くなったが浄水槽は2つ使用している。赤いヘドロは殆ど溜まらない。
 汲み上げポンプは調圧弁のない、常時汲み上げ式の小型のものにかえた。

 前の井戸とポンプは緊急用に残すことにした。

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