今回は、宇都宮調理師専門学校、宇都宮栄養専門学校、IFC製菓専門学校3校の合同学園祭【食彩祭】に展示いたしました、1月〜12月の行事に因んだ郷土料理を紹介します。

【1月】 小正月 「小豆粥」
正月15日に作り、神様に備えました。食べるときは、病よけのため必ず「はらみ箸(真中がふくらんだ箸)」で食べました。
また、どんなに熱くてもふかないで食べるように言われており、ふくと秋の実りの季節に稲が台風にあうといって、嫌われたそうです。
【2月】 初午 「しもつかれ」
節分の後、最後の午の日につくってお稲荷さんに供え、農作物の豊作祈願をしました。
節分の福豆・鬼おろしでおろした大根と人参・塩引きの頭(鮭の頭)・酒粕・油揚げを煮て、お赤飯と共に供えました。
七軒の家のしもつかれを食べると中風にならないという云われがあります。
【3月】 三月節句 「菱餅」
3月のひな祭りには雛飾りをして紅白緑の菱餅を飾り女の子の成長を祈りました。

【4月】 お釈迦様 「ちゃのこ」
4月8日の花祭りの日に、お釈迦様に甘茶をかけて祝う行事で、この日の楽しみとしてちゃのこをつくりました。

【5月】 単語の節句 「よっこ餅」
5月節句には柏餅のほかに岩魚をだしに、ばんだい餅(うるち米の餅)を煮こんだよっこ餅をご馳走としてつくりました。
【6月】 さなぶり 「さなぶり餅」
田植が終ったとき、さなぶり餅(あんころ餅)を作り、重箱に12個から15個ずつ入れ、田植を手伝ってくれた家々にくばりました。

【7月】 カマップタ 「カマップタまんじゅう・小麦まんじゅう」
7月1日はお盆行事のはじまりで、この日に地獄の釜のふたが開いて、先祖が家に向かって歩き出すなどといわれていました。13日のお盆までに家にたどり着くまで、お腹がすかないよう、小麦まんじゅうをつくり供えました。

【8月】 風祭り 「柿餅」
二百十日に行う嵐除けの祭りにつくり、豊作を祈願しました。
【9月】 十三夜 「月見団子」
旧暦9月13日は十三夜の月見と呼ばれ、月の望める縁側に団子13個、ススキ3本、柿、栗の枝、秋の収穫物などを供えました。
一升の米粉から15夜は15個、13夜は13個の団子をつくります。
【10月】 恵比寿講「豆腐のでんがく」
冨や幸福をもたらす神として信仰されていた恵比寿さまは10月20日には帰り恵比寿といって福利を背負ってかえってくると信じられていました。このとき、収穫と商売繁盛を願って、豆腐のでんがくとつぐみの焼き鳥を供えたそうです。

【11月】 冬至 「南瓜の甘煮」
この日、柚子湯に入り、南瓜を食べると中気にならないといわれていました。

【12月】 かぴたり 「かぴたり餅」
12月1日は年貢米を運ぶ船で難破した人々の霊を慰めるためにかぴたり餅をつくり、川端や水神様に供えて、水難除けのお願いをしました。

雨のなか、食彩祭におこし下さいました皆さんありがとうございました。


←当日の会場の様子です。

【監修】宇都宮栄養専門学校 郷土料理研究倶楽部顧問 田村桂子
【協力】宇都宮栄養専門学校 郷土料理研究倶楽部の皆さん