11月北陸旅行の思い出(2013年)

11月26日。
早朝家を出たので、
朝食は羽田空港でとることに。
以前から気になっていた
バームクーヘンのお店
「ねんりん家」のカフェに入る。
私は満足したけれども
夫には甘すぎたよう。

羽田発8時のANAに乗り込み、
1時間後石川県の小松空港着。
空港でレンタカーを借り、
まず福井県の「東尋坊」へ。

おりしも風が非常に強い日で
日本海の冬の荒波は
尋常ではなかった。
東尋坊の断崖絶壁には
柵というものがなく、
怖い思いをしながら見物。
寒さよけに入ったお店で
豪華な海鮮丼をいただく。
確かに美味しかった。


羽田空港第2ターミナル
KAFEねんりん家にて朝食。
バームクーヘンサンドイッチと
ホットバームクーヘンを注文。


飛行機の中から見た富士山。
お天気が良く、
座席の位置も良く、
最高!


小松空港で迎えてくれた
福井県立恐竜博物館の
恐竜博士


東尋坊
冷たい波しぶきが
襲いかかって来る様

石川県に戻り、
金沢の「兼六園」へ。

「偕楽園」、「後楽園」と並ぶ
日本三名園のひとつである
この兼六園は、
日本を代表する大名庭園であり、
国の特別名勝に指定されている。

宏大(こうだい)、
幽邃(ゆうすい)、
人力(じんりょく)、
蒼古(そうこ)、
水泉(すいせん)、
眺望(ちょうぼう)という
相容れない「六勝」を
すべて兼ね備えていることから
兼六園と名付けられたそうだ。

確かに広い。
風景はもちろんすばらしく、
興味深い仕掛けが随所にあり、
ゆっくり回りたかったが、
冷たい雨が降ってきた。
足早に約1時間散策。
またいつか訪れようと心に決めた。

雨宿りしたお休み処で
金箔入りのお茶とお菓子を頂き、
お土産を買って、
ホテルに向かうことにする。


霞ヶ池と
徽軫灯籠(ことじとうろう)
定番の撮影スポット
足が二股になっていて、
琴の糸を支える
琴柱(ことじ)に似ている


唐崎松の雪吊り
冬に備えた
風情のある仕立てが有名。
この季節でしか見られない。
良かった。


落ち葉掃きをする
同じいでたちのスタッフの姿も
風景に溶け込んでいてすばらしい。
カメラを向けたら
「撮ってはダメ」と言われた。
なぜ?
分からないので
遠くから内緒で撮ってみた。


日本最古の噴水
高い位置にある霞ヶ池が水源で、
池の水面との高低差を利用し、
自然の水圧で吹き上がる。
技術の高さに驚かされた。


ホテルの場所は
「金沢城公園」の西側。
チェックインした後
そこからお城の周りを
大きく時計回りに
歩いてみることにする。

予定では、
→「近江町市場」
→「主計町茶屋街」
→「ひがし茶屋街」
となるはずだったが、
少々道に迷い
ひがし茶屋街のみ発見。

あいにく時すでに遅く、
街は静まり返っていた。
それでも2、3のお店に入り、
珍しい金箔貼りの蔵などを見た後、
バスで繁華街「香林坊」へ。
夕食を食べたかったのだけど、
どこももうひとつ。
さんざん歩いて入ったのは
「スシロー」。

翌11月27日。
ホテルの眼前にある
「尾山神社」の中を通り抜け、
金沢城公園を散策。

さらに香林坊を通り、
「長町の武家屋敷跡」へ。
ここは
加賀藩時代の
上流・中流階級藩士の侍屋敷が
軒を連ねている。
江戸時代の武家屋敷街といえば、
萩、津和野、知覧などで
見たことがあるが、
このような特徴のある
町全体を維持していくのは
どこも大変なことだろうと思う。


ひがし茶屋街
格子戸の連なる町並みを散策していると
芸妓が奏でる三味線や太鼓の音が
聞こえてくる・・・・・
はずだったが、
時間が遅過ぎて
ほとんどのお店は閉まっていた。
ひじょうに残念。


尾山神社
和漢洋折衷の門構えにしめ縄という
変わった造りの神社。
前田利家とお松の方が
祀られている。
境内の建物はほとんどが和風だが、
ところどころにある洋風なもの(?)も
不思議に違和感がない。


長町の武家屋敷跡
土塀と石畳の路地による町筋は、
甲州流兵法によって造られ、
方向感覚を麻痺させる
袋小路やT字路が随所にある。
今も普通の市民生活が
営まれている。


香林坊のショッピングビルにて。
自然と歴史を感じる物ばかり
巡っていたので、
かえって落ち着いて
ホッと一息ついたような
気分になる。


金沢城には天守閣はないが、
「五十間長屋」、
「菱櫓」。
「橋爪門続櫓」などの
立派な建物と
何層にも重なる立派な石垣が
興味深いものだった。

天守閣に代わる
シンボルともいうべき五十間長屋は
一般的には
「多聞櫓」と呼ばれるもので、
武器や什器等の倉庫である。
大きさにも驚かされたが、
海鼠壁と鉛瓦がなんとも美しい。
内部の作りもすごいらしいが
今回はスルー。

ここの石垣の種類は
全国でも珍らしいそうで、
代表的な積み方を比較していたのが
おもしろかった。


野面積み。
3つの積み方の中で最も古く、
自然の石や
粗割りしただけの石を用いて
積む技法。
金沢城の初期の様子を伝える
数少ない貴重なもの。


打ち込みハギ積み
形や大きさをそろえた割石を用いて
積む技法。
櫓や長屋などの外周に使われている。


切り込みハギ積み
割石を丁寧に加工し、
隙間なく積む技法。
本丸への入り口など、
城の貴重な部分に使われている
デザイン性のある石垣。


「鶴の丸広場」より
五十間長屋を眺めて。


金沢からは
「のと里山海道」を通り、
能登に向かう。
その名のとおり、
海岸と里山を走る
のどかな自動車専用道路だった。

途中で
波打ち際の砂浜が
自然に硬く固まっていて、
車で走れるという
「千里浜(ちりはま)」を
通る予定だったが、
残念ながら強風のため通行不可。

雨もひどくなったきたので、
松本清張の「ゼロの焦点」の
舞台になったという
「ヤセの断崖」も断念。

早々に宿泊地の輪島に着き、
「白米(しろよね)の千枚田」を見学。
夜のライトアップも
寒さに震えながら見学。

翌11月28日も天気は悪く、
雨時々みぞれ一時曇り。
楽しみにしていた「輪島の朝市」も
出店が少なく拍子抜け。

可能な限り能登半島を味わおうと、
国道249号を
時計回りに走ることにする。

立ち寄ったのは
平家の落人の邸宅
「時國家」と「すず塩田村」。

塩田村はシーズンオフで
ほとんど見るものもなく
早々に出発。

昼間の白米の千枚田
想像より小規模で拍子抜けしたが、
それは遠くから見たからで、
大小1000枚の田んぼで
構成されているとか。
能登の荒波が押し寄せていた。


夜の白米の千枚田
「あぜのきらめき」と呼ばれる
イルミネーション。
ペットボトル&ソーラーLEDによる
30000個のキャンドル点灯。
太陽光発電LEDの
最大のディスプレイとして
ギネス認定。


時國家屋敷外観
能登に流された
平大納言時忠を祖とする時國家。
能登最古の建物で
庭園とともに国の重要文化財。
壮大な茅葺入母屋造り
敷地内には
安徳天皇を祭った
「安徳天皇社」がある。


時國家の
壮大な大広間にある囲炉裏。
時節柄
来訪者はほとんどいないのに、
火がたかれていた。
暖かくて嬉しかった。


めったにお目にかかれない、
このめちゃ寒い季節に
来て良かったと思えた
唯一の出来事に遭遇。

冬の能登の風物詩「波の花」。
11月中旬から2月下旬の
海が荒れて波が高い、
寒さの激しい日に現れる。
海水中に浮遊する
植物性プランクトンの粘液が
岩にぶつかるたびに
空気を含んで
白い泡状になったもの。

さらに国道249号を東に走るが、
途中工事中で通行止めに。
しかたなくナビを頼りに
別のルートを行くことに。
対向車が来ないことを祈りながらの
狭い山道。

南側の海岸「飯田湾」に出て
ほっと一息&ランチ。
能登半島の
北側と南側の海の違いに驚く。
北側はあんなに荒れ狂っていたのに
飯田湾はうそのように凪。
空は雲の合間に青空まで見える。

のどかな海岸に沿って
国道249号を走る。
途中「見附島」を見物。
佐渡島からやって来た空海が
最初に見つけたことから
見附島と命名されたという。
けれども
空海が来たことは
歴史上ない・・・とか。
高さ28mの奇岩で
軍艦の前部分に似ていることから
別名「軍艦島」。

またお天気が崩れてきた。
能登空港発17時5分のANAには
まだ時間はあるが、
早めに向かうことにする。
案の定
雨から霙から雪に変わり、
空港に着いた時には
積もり始めていた。

今年初めての雪景色に見送られて
北陸を後にした。



波の花
これに似た風景を
故郷の日本海でも
見たことがあった気がするが、
これほどの荒波としぶきと泡は
記憶にない。
車から外に出ようとしたけれども
強風でドアが開かない。
しかたなく車内から
窓越しに撮影。


波の花が
強風にあおられて
道路にまで降ってくる。
洗濯の泡のよう。
こんな風景
写真でも見たことがない。
頑張って外に出て撮影した
夫の写真を拝借。


能登のシンボル見附島
海岸から
岩が道のように連なっていて
引き潮の時には
歩いて行けるそうだ。
行きたそうな夫を制して出発。


見附島が見える海岸は
整備された公園になっていて、
「えんむすびーち」という。
縁結びの鐘があり、
恋人の聖地でもあるらしいが、
なぜ?


2013年12月の
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