yonyonsamaのアルバムです。
休日の散歩の折々に撮り集めた野の花にとまる蝶である。
蝶だけの写真ではなく,蝶と花の写真ということなので,
当初「花と蝶」の題名にしたが,演歌や任侠映画のようで・・・。
ひらがなで「はなとちょう」,恥ずかしげもなく色文字で飾ってみた。
主に2009年の夏から秋,自宅近くの稲城,多摩市で撮ったものであるが,
別に珍しい蝶ではなく,東京でも比較的よく見られる蝶たちである。
普通に普通の道を歩いていて,遭遇したものであり,
多摩地区にはまだまだ,たくさんのいろいろな蝶がおり,
簡単に見つけられることをあらためて認識した。
また蝶の生態を調べてみると,彼らが現代の環境に適合しながら,
生き残りをはかっていることもあらためて知ることができた。
(蝶)ツマグロヒョウモン♀・(花)コセンダングサ 自宅近所(東京稲城市)の空地で撮影,タテハ蝶の仲間であり,ヒョウモンの名は漢字で豹紋,翅に豹模様があるところから付けられている。 もともと南方系の蝶であるが,地球温暖化の影響だろうか,いまや東京で最も多く見られるヒョウモン蝶である。 花はコセンダングサ,秋の荒れ地や河原などに,ひょろひょろとした枝の先に舌状花のない黄色の頭花を咲かせる。 種実は,秋遅く草原にはいるとズボンなどにいくつもくっつくあのくっつき虫の一つである。 (10月 稲城市)) |
(蝶)ツマグロヒョウモン♂・(花)コセンダングサ 左と同日,同所の撮影,ツマグロヒョウモンは雌雄で翅の模様が異なる蝶の一つである。 左のものが♀,こちらが♂である。いずれも豹紋が認められるが,翅の先の色などがだいぶ異なる。 たまたまカメラの前にとまったので,下から覗いて撮ってみたがおもしろいカットになった。 ♂なので下から覗き撮っても許してくれるでしょう。 花のコセンダングサの名は葉の形が樹木のセンダンに似ているところからの命名である。 (10月 稲城市) |
(蝶)ミドリヒョウモン♀・(花)ニラ 9月の初め,咲き始めの野ニラにミドリヒョウモンがとまっていた。 これもきれいな豹模様を持つタテハ蝶で,雌雄で色が違う。 写真は雌で,雄はもう少し翅色の彩度が高く,橙色をしている。 ミドリヒョウモンのミドリは翅の裏側の付け根部分が黄緑色をしているところからの名である。 昔はよく見られた蝶だが,最近は都会では少なくなっていると聞く。 花は餃子やニラ鍋などに使うあのニラの花である。 野生化しているものも多く,秋の初めになると畑の畦,道の端などに清楚な白い花が美しい。 (9月 稲城市) |
(蝶)アカタテハ・(花)キバナコスモス これも9月,野生化している橙色のキバナコスモスにとまったアカタテハである。 キバナコスモスは蜜が豊富なのであろうか,蝶がよく集まる。 アカタテハは一見ツマグロヒョウモン♀によく似ているが,翅模様が豹紋ではないなどよく見れば区別は容易い。 春から秋まで,タテハ蝶の中で最もよく見られる蝶であり,比較的寒さにも強く,成虫で越冬もする。 春早く,翅の傷んだアカタテハを目にするが,越冬したものである。 (9月 稲城市) |
(蝶)アサギマダラ・(花)フジバカマ 10月,結婚式の帰りに立ち寄った京都嵯峨野祇王寺で遭遇したアサギマダラである。 花は秋の七草の一つフジバカマ,アサギマダラはフジバカマや同類のヒヨドリバナが大好きで好んでこれらにとまるようである。 ごらんのようにとても美しい蝶で,オオムラサキに座をゆずったが日本の国蝶候補になったこともある。 また,移動する蝶としてよく知られ,時には千キロもの距離を春から夏にかけて北上,夏から秋にかけて南下する。 写真のものは南下の途中,京都で翅を休めていたのかもしれない。 東京ではあまり見かけない。 (10月 京都市) |
(蝶)キチョウ・(花)萩(ハギ) モンキチョウというよく似た黄色の蝶もあるが,翅に紋が見られないのでキチョウと判断。 両者を比較すると黄の色がキチョウのほうが多少濃い。 キチョウ,モンキチョウとも黄色であるが,シロチョウ科に分類される。 両者とも12月上旬まで姿を見るが,キチョウは下草などに潜り込み冬を越す。 モンキチョウは冬の寒さとともに命を終える。 萩はいわずと知れた秋の七草の一つ,マメ科そのものの花は7月ごろから咲くが,秋のお彼岸頃が見頃,お彼岸に食べるオハギは餡を萩の花に見立ててお萩,萩の花から名をとっている。 (9月 稲城市) |
(蝶)モンシロチョウ・(花)キツネノマゴ 春の菜の花畑などにたくさん見られるおなじみの蝶である。 シロチョウ科に分類される。 オス,メスで紋の程度,翅の鱗粉などに違いがあり,翅色で見る人が見ればオス,メスの判別がつくようであるが,写真のものがどちらであるかは私には分からない。 花はキツネノマゴ,地味であまり目立たないが夏の野によく見られる野の花である。 花序に紫色の花を少しずつ咲かせる。 花序の形がキツネの尻尾に似ており,孫のように小さくかわいいのでキツネノマゴと名が付けられたといわれている。 (8月 稲城市) |
(蝶)アオスジアゲハ・(花)リョウブ 黒地に鮮やかなパステルカラーの青緑色が美しいアゲハチョウ科のアオスジアゲハ,南方系であり,本州中部以北では個体数は多くなく,東北地方南部が北限とされている。 俊敏であり,飛翔力も高く,比較的高いところを飛ぶ。 写真の花はリョウブ,灌木の花であり,蜜が豊富とみえ,虻などがたくさん集まっていた。 そこに,アオスジアゲハが舞い降りて留まった。 リョウブは令法と書き,その芽が令法飯などとして食用にできるところから,飢餓用に法律で植えることを決められたところから名が付けられたとある。 (7月 多摩市) |
(蝶)ナミアゲハ・(花)オニユリ 一般にアゲハチョウと呼ばれ,都会でも,いまも昔も不変的によく見られる蝶である。 正確な名はナミアゲハという。 いうまでもなく,アゲハチョウ科の蝶であり,黒地に黄色の縞模様,ふわふわと優雅に舞うように飛ぶ姿が美しい。 柑橘類を好み,そこに産卵をする姿をよく見る。 オニユリは栽培もされているが,もともとは野の花,その毒々しいまでのオレンジ色,無数の黒の斑点が特徴である。 種は作らず茎にできる零余子あるいは鱗茎で殖える。 よく似たコオニユリは零余子はなしで,種を作る。両者はそこで判別ができる。 (7月 稲城市) |
(蝶)クロアゲハ・(花)ムクゲ 大型のアゲハチョウ,黒地に後翅外縁にわずかにオレンジ色の模様が混ざる。 黒色のアゲハ蝶に,他にカラスアゲハ,オナガアゲハ,ジャコウアゲハがあるが,それらに比べ尾状突起が一番短く,多分,最も多く見られる。 写真は7月の夕暮れの少し暗くなりかけた頃,眠りについていたのか,弱っていたのか,ストロボが自動的にたかれたが逃げなかった。 ムクゲはアオイ科の灌木の花,韓国の国花でもある。 夜に花びらを閉じる。 写真の花も閉じ始めているのが確認できる。 蝶の留まっている花も閉じてしまうのか,そのとき蝶は? (7月 稲城市) |
(蝶)ベニシジミ・(花)コセンダングサ 小春日和の多摩川の河原にて,小春日といえども11月の河原の風は冷たい。 このベニシジミの寿命もあとわずかかも知れない。 種になりかけたコセンダングサの花を小刻みに移動し,久しぶりの日の光を満喫しているように思えた。 ベニシジミはシジミチョウ科の名前どおり,紅色の翅を持つ小さな北方系の蝶,ほぼ日本全国に分布するが,南限は九州であり,南西諸島にはいない。 3月から12月まで見られるが,春に頻度高く見られる。 (11月 稲城市) |
(蝶)ウラナミシジミ・(花)ヒメツルソバ ウラナミシジミは翅の裏が波模様であるところからの命名。 南方系の蝶であり,移動性の高い蝶として知られている。 春に南の海岸地帯の暖かい場所に生まれ,移動,繁殖を繰り返しながら,北上し,関東地方に出現するのは秋も盛りの頃である。 関東では春には見られない,秋限定の蝶となる。 耐寒性はなく,暖かいところに残った一部のみ,生き残る。 ヒメツルソバは金平糖に似た小球のピンク色の花を5月〜12月ごろまで咲かせる帰化植物,ガーデンカバー用として導入されたが,野生化し,道端などによく見られる。 (10月 稲城市) |
(蝶)イチモンジセセリ・(花)ノアザミ チャバネセセリと思ってアップしたがこれもイチモンジセセリのようである。 両者はよく似ており,後翅の白い斑点が直線に並ぶのがイチモンジセセリ,弧を描いて並ぶのがチャバネセセリである。 写真は阿蘇の大観峰でのもの,右のイチモンジセセリに比べ,かなりの頭でっかちである。 高原と平地の違いなのか,固体差なのか,それとも地域差によるものなのか。 アザミにはたくさんの種類があるようだが,春から夏に咲くのはノアザミ,北海道を除き日本全国の野山に見られる。 (7月 阿蘇市) |
(蝶)イチモンジセセリ・(花)百日草(ヒャクニチソウ) 少し不格好で,大きな眼がかわいらしい小さな蝶,セセリチョウ科のイチモンジセセリ,後翅にある数個の白い斑点が一文字に並ぶところからこの名がある。 地味な茶色,蛾と間違えられそうであるが,れっきとした蝶であり,都会の真ん中から,高原に至るまでいろんな地域でよく見られる。 百日草はその名のとおり,7月から9月まで,真夏の暑さも苦にせず,長い間,花を咲かせ続けるキク科の植物,花の姿もよいが,花色も豊富で花の形もいろいろあり,楽しめる草花である。 (8月 稲城市) |