灯油 |
寒い季節、灯油は石油ストーブなどの燃料として多くの家庭で使われますが、この時期、灯油による中毒事故も増加します。
事故の大半は子供によるものです。灯油のタンクにポンプを差し込んだままにして置いて、子供がそのホースをロにくわえて事故を起こすことがあります。大人の場合でも、たまたまポンプが故障したのでロを使ってホースで移し替えようとして誤って飲んでしまったケースや、閉め切ったガレージの中などで作業をしている間に、揮発した蒸気を吸って中毒を起こすことがあります。
灯油を飲んだかどうかは、灯油独特の石油臭がするのでわかります。飲むと消化器系の粘膜がやられ、嘔吐、下痢等を起こします。また灯油は飲むというより蒸気を吸うことの方が間題であり、吸い込むとめまい、呼吸不全等を起こします。
灯油を誤って飲んでしまったときは、少量(幼児1ミリリットル以上)でもすみやかに医師の診察を受けてください。このとき吐かせてはいけません。灯油に限らず、同じ石油製品ののガソリンやべンジンの場合も、吐かせてはいけません。これらは吐かせようとするとき、誤って気管に入り、重い肺炎を起こす恐れがあるからです。
また牛乳を飲ませてもいけません。牛乳の脂肪分と反応して、かえって消化器での吸収をよくしてしまいます。
灯油やガソリン、べンジン、シンナー、有機溶剤を使った修正液、マニキュア、除光液、セメダイン等は毒性の強いものなので、ご家庭での保管や取り扱いには十分な注意が必要です。