ホウ酸団子

 これは「だんご」とはなっていますが、人間の食物ではなく、ゴキブリの毒餌です。
 ゴキブリは一年を通じて活動していますが、特に梅雨時、高温多湿を好み、その害としては、台所関係だけでなく最近ではOA機器等への被害も出てきています。そのゴキブリを退治する方法として、けむりもくもくのくん煙剤、シュウッと一噴きのスプレー、ネバ一ととりもち式のもの、そしてこれから述べる毒餌などが一般に行われています。
 さて本題のホウ酸団子についてですが、ホウ酸団子とは、ホウ酸に玉ねぎ、小麦粉、牛乳、砂糖を加え練り、団子状にしたものを乾燥したものです。次に団子70個分の材料とそれぞれの分量を書きます。

ホウ酸末 500g   1個10〜15g
直径3cm×高さ1.8cm
1個15g中ホウ酸は約7g
玉ねぎ 300〜350g  
小麦粉 140g  
砂 糖 35g  
牛 乳 12g  

 この中の殺虫成分がホウ酸で、玉ねぎが誘引剤といってゴキブリを引き寄せる働きをしています。ここで問題になるのが殺虫成分のホウ酸の毒性です。乳幼児の最小致死量は2〜5c、大人で15〜20cになっており、幼児が一個食べてしまったら致死量を越えてしまいます。もし幼児が誤って食べてしまったら、すぐ吐かせて、医師の診断を受けてください。(スライムにも同様にホウ砂が大量に含まれている)
 中毒症状は悪心、嘔吐、下痢、出血等の消化器疾患、頭痛、脱カ感、顔面紅潮、等が起こります。ホウ酸は昔から、うがい、皮膚・粘膜の消毒等に使われていましたので、ホウ酸の毒性について、初めて知った方が多いと思います。
 このようなことから、いろんなメーカーからもホウ酸を成分とした毒餌の製品がでていますが、これらは幼児が悪戯できないように一体型の容器に入っていて、ロの部分が小さく、絶対に取り出せないように工夫されていたり、トウガラシを加えて、食べても吐き出させるようにしたり、ホウ酸の量も最小限に押さえたり、各メーカーも中毒の予防に力を入れていますので、特に小さい子のいる家庭では、薬局の薬剤師に相談してこちらの方を利用したほうが良いかと思われます。