「臨海合宿」ゲーム感想



臨海合宿臨海合宿

β-Pink 2007-10-26
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β-pinkのデビュー作です。
別メーカーから出た、「修業旅行〜古都迷走地図〜」のライター&原画コンビによる新作でもあるので、発売を心待ちにしていました!


夏休み直前に転校してきた真田直登(さなだ なおと)は、まだクラスに全く溶け込めない内に、臨海合宿に出発することに。
何となく、クラスから浮いてるっぽい、幼馴染の加持、ケンカ腰な真柴、眼鏡の委員長・太田とグループ行動をする事になる。
そして初日の肝試しで、祠で思わぬものを見つけてしまい……!?
三泊四日、波乱の臨海合宿の幕が開ける……!!



もうこのライター&原画コンビのBLゲームは出来ないだろうと思っていたので、「臨海合宿」の発売は大変嬉しいものでした!
BLな展開もさることながら、それ以外の、普段の学生同士のやりとりが楽しいんですよね!
きゃわきゃわ騒いでる、男子学生同士のやり取り、それだけでも十分に萌えさせるライターさんの腕は今回もしっかり発揮されていました!


まずはシステム周りの感想から入るのですが、今回はパッケージの感想から。
女性向けPCゲームは圧倒的にDVDケースが多いのですが、このゲームは紙箱パッケージです。
横16.5センチ、縦23センチ、厚さ4センチです。
ちょっと場所はとりますが、いかにも臨海合宿中!な夏らしいイラストが大きく見られるのは嬉しいですね。
DVDロムで、ディスクレスプレイ可です。
セーブ数は50個で、コメント記入などは出来ません。
個人的には、もう少しセーブできるとよかったかな。
システムは軽く、セーブは特に軽やかで、クリックしたらすぐにもとのゲーム画面に戻るので、「あれ?セーブした?」と、思わず戻って確認したくなるほどです(笑)
スキップもかなり速いので、繰り返しプレイもストレスなくプレイできました。
個別ボイスのオンオフもあり。
文字速度の調節は早い(一瞬表示)と普通の2種類しかありません。
オートの速度は調節できません(ちょっと遅め)。
主要キャラのみフルボイスで、脇役(担任とか、そのほかの生徒とか)には声はありません。
テキストの文体(ゴシックとか明朝とか)が変更できるようになってました。
細かい調整はあまり出来ない感じですが、システム自体が軽いので、操作は快適です。


「修業旅行」と同じく、主人公固定の総リバゲームです。
案外少ないんですよね、この主人公が固定で総リバっての。
好きなタイプなので嬉しいです……!
選択肢を選んで物語を進めるオーソドックスなAVGなので、受け・攻めも選択肢に左右されます。
お目当ての攻略キャラのルートに入るのは比較的簡単だと思いますが、受け・攻めの分岐はおそらくポイント制だと思うので、ちょっと手こずるかも。
とはいえ、選択肢は2択なので、狙ったカプが見られなくても、遡って逆の選択肢を選んでいけば必ずどちらも見られると思います。
どうやら、2択の内、上の選択肢が主人公攻め、下の選択肢が主人公受けよりっぽい感じがします(未確認ですが……)


ルートは、合宿を続行するノーマルエンドと、真相を探るカップリングエンドの2ルートあります。
エッチシーンがあって、受け・攻めのリバが見られるのは、この真相を探るルートです。
こちらのルート分岐の選択肢も分かりやすいので、迷うことなく見られると思います。
エッチはラストの1回のみと、回数は少ないのですが、その分、告白、エッチシーン本番、事後、と一連の流れが丁寧に描かれてあり好印象でした。
量より質って感じですね。
リバなので、エッチシーンは実質2回あるとも言えますし。
元々リバゲームとして作られているせいか、どのキャラも、どちらを担当(笑)しても、違和感のないように書かれてあったのも大変美味しかったです!
真相ネタは、キャラによって違います。
「修業旅行」のように、このルートでは生きてた人があのルートでは死んでた!というような劇的な変化はありませんが、前半に出てくる、メラ星の民話にまつわる元ネタにバリエーションを持たせつつ、攻略キャラごとに変化をもたせています。
内容は、ホラーからサスペンスからアクションまで、バリエーションに飛んでいて、飽きずに楽しめました。


真相を探さず、合宿を続行させるノーマルエンドでは、エッチシーンこそありませんが、告白と遠景スチルでのキスシーンはあります。
今後の関係の変化を髣髴とさせる、余韻のあるもので、合宿期間が三泊四日なことを考えると、こちらの方が自然な展開かも。
真相ルートの場合は、事件絡みで一気に急接近!という雰囲気でしょうか。
そしてこの合宿続行ルートでは、エッチシーンに変わるお楽しみとして女装があります!
しかも、セーラー服です!!
主人公はもちろん、一部の攻略キャラもちゃんと着ます(笑)
サイズが合わなかった体格のいい幼馴染・加持と、そもそも合宿続行ルートがなかった医者・武岡は着てくれませんでしたが。
ちなみに、指導員の大学生・霧原はセーラーじゃなく、女教師の格好をして、主人公のセーラー姿と倒錯的なツーショットを見せてくれましたv
合宿中の、宴会的なイベントとして出てきたのですが、嬉しいサプライズでしたvv
そして、「修業旅行」ファンには更に嬉しいサプライズも。
「主人公の従兄弟」として、修業の主人公がプロローグに出てくるのですが、修業のほかの攻略キャラも臨海合宿先に登場します!
声がついているのは従兄弟だけですが、それでも結構会話シーンがあったので嬉しかったです〜!
しかも、どうやら(真田が)攻略しているキャラによって、従兄弟のカップリングが違っているようなのが、会話からうっすらと察せられるのも細かい演出(?)で、よかったです!!


スチルは、「修業旅行」と同じような、明るいくっきりした感じのアニメ塗りで、原画によくあっていてキレイでした。
背景は、素朴な雰囲気の手書きです。
ぼろい旅館なんか、よく感じが出ていたと思います。
立ち絵は、ポーズは1種類で、表情差分と衣装差分がありました。
夏服制服・体操服・水着と、夏の学生仕様(笑)です。
ロングの立ち絵のほか、アップの立ち絵もありました。
主人公は立ち絵なしで、台詞ウインドウ枠横にバストアップの表情差分がありました。
一枚絵は差分抜きで75枚とそこそこ多く、主要なシーンではもれなくスチルが表示されます。
エッチシーンでのスチルは、1回につき2〜3枚です。
初めに部分アップで何度か表示された後、全体図が表示されるようになっていました。
こういうスチルの表示の仕方は、動きもあるし、全体はどうなってるのかな、と想像出来て結構好きなのですが、エッチシーンゆえに、モザイク場面がアップで表示されたりもして、あわわ……!という心境にも(笑)


デモムービーで使用された曲は、スタッフロールで使われていました。
OPが流れず、そのままゲームスタートしたので、「あれ、OP飛ばした?」と思いましたです(笑)
ところでこのスタッフロール。
なんだか懐かしいアイドルソングを思い出させて好きなので、フルで聴けるのは嬉しいのですが、クリックしても飛ばせないのがちょっとつらかったです。
毎回フルコーラスで流れるエンディング……。
2回目以降は、飛ばさせて欲しかったかも。


ボイスは、例のごとく偽名ですが、一部の方は聞き覚えのある感じで……。
どの方も違和感なく、エッチでもばっちりな名演技でした。
個人的には、幼馴染・加持壱之(かじ かずゆき。あだ名が壱)役の、どてら4号さんが、淡々として強弱のないしゃべり方を上手く出してるな〜と思いました。
ああいうしゃべり方って、一歩間違うと棒読みっぽく聴こえそうなので。


幼馴染スキーなので、今回もやはり、お気に入りのカップリングは真田&加持ですが、お薦めしたいのは、眼鏡委員長の太田です。
かなりウザいキャラなのですが、段々それが癖になってくる感じで(笑)
エッチの時も同じテンションなのがいっそ天晴れです。
太田、ライトノベルなんかでは、たとえメインキャラでも限りなく脇役っぽいポジションにいそうだなあと思ったので、そういうキャラが攻略できるのはゲームという媒体の醍醐味だなあと。
ツンデレな真柴や、意外に乙女だった指導員・霧原、やっぱりオヤジ受けは心のオアシスだよね!な医者・武岡と、どのキャラ・カプも、甲乙つけがたいくらいに楽しめました!
攻略は出来ませんが、ルネッサンス山田さんが素敵に胡散臭く声をあてている、宇佐見が武岡ルートで実にいい働きをしていたので必見です(笑)


ライターさんの書く、学生同士の何気ないやり取りと、原画さんの適度に男っぽく可愛いキャラデザが大好きなので、ぜひまた、このライター&原画のコンビで、学生モノなBLゲーム(もちろん主人公固定な総リバで!)をプレイしたいですv

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2007/10/29




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