「咎狗の血 True Blood」ゲーム感想
2005年の2月に発売されて人気を博した18禁BLゲーム「咎狗の血」のPS2移植版です。
購入するか迷っていたのですが、直前になって、Limited Edition(限定版・ドラマCDと小冊子付き)を予約購入しました。
結果、買って良かったと思います!!
第三次世界大戦の終戦から数年。
壊滅的なダメージを受けたかつての首都は、今や無法地帯と化していた。
退廃した街・トシマでは、組織の王をめぐる命がけのバトル、”イグラ”が開催されていた。
殺人の冤罪をかけられたアキラは、無罪放免の取り引きのため、イグラに参加し、王を倒さなければならなくなるが―――。
PS2移植は、角川書店から出されています。
角川書店のゲームは始めてプレイしたのですが、システム周りはとても快適でした!
セーブも100個とコンシューマーゲームにしては多く、クイックセーブ&ロードもあります。
どこにセーブしても、セーブ画面で必ず最初のページに戻ってしまう(最新セーブの場所を開かない)のが、多少不便でしたが、気になったのはそのくらいで、後は問題なくプレイできました。
既読スキップも早く、未読部分で止まった後、また既読部分になるとちゃんとスキップがかかるのが便利でした。
ゲームプレイ画面は、ぱっと見た感じはPC版と変わらなかったように思います。
文字の大きさもPC版と同じだと思うのですが、テレビ画面で見ると、画数の多い漢字がつぶれて見えることが……。
新しい、画面がフラットな液晶テレビだと気にならない程度なのですが、横から見たとき画面が湾曲しているような古いテレビを使ってプレイすると、ちょっと読みにくいときがありました。
テレビが複数台ある方は、最新のテレビでプレイしたほうがいいかも。
大まかなストーリー展開や、真相部分などは、PC版と同じです。
18禁部分はカットされ、代わりにキスシーンやハグシーンなどのいちゃいちゃシーンになっていました。
大筋は変わっていないとは言え、全体的に手が入っているようで、一部の設定や小道具、台詞の言い回しなど変更になっている箇所があります。
PC版をプレイ済みとは言え、細部がいい感じに記憶の彼方に飛んでいっている私は、プレイ中は、オリジナル版(PC版)と比べて特に気になった部分はありませんでした。
が、プレイし終わってから、
そういえば、ラインがプロトファイバーだった……。
とは、思いましたが(^_^;)
プロトファイバーが何か分からない方のために説明すると、「鬼畜眼鏡」という18禁BLゲームに出てきた、美容飲料です。
そう、簡単に言うと、ラインが飲料になっていたのです。
栄養剤みたいな。
分かりやすく言うと、ユンケルとかリゲインですね。
24時間、闘えますか〜♪って感じの。
この辺が、家庭用ゲーム機での表現の限界なんだろうなあ、と思うと、中々興味深かったです。
(麻薬を思わせる表現がアウトなのでしょうね、おそらく)
そのように、ストーリーの大事な小道具設定の変更などがありましたが、世界観などはそのままですし、個人的には「大きく変わった」という印象はありませんでした。
流石に、ケイスケバッドエンドのグロシーンはカットされていましたが、スチルがなく、表現がぼかしてあっただけで、バッドエンドとしては存在していましたし、思ったよりも、暴力的なシーンも残っていました。
PC版での「咎狗」テイストは、PS2移植版でもちゃんと感じられました。
ただ、やはり、PC版と比べると、PS2版は、多少マイルドになった印象は否めませんが、暴力シーンやドラッグ描写がてんこもりなゲームの移植作としては、それでもがんばって、オリジナルの雰囲気を出していたと思います。
全体的な展開としては、18禁奈シーンが削られた事により、展開が不自然に感じたということもなく、むしろすっきりと、『トシマでの出来事』や『ラインにまつわる真相』にスポットがあたって、分かりやすくコンパクトにまとまっていたように思えて、好印象でした。
PC版での、Hシーンに萌えを感じていた、という方にはものたりなさを覚えるかもしれませんが、その分攻略キャラとの会話も増えていたので、TrueBloodにはTrueBloodの、萌えがあったと思います。
PC版のとき、まだエッチに行くには、アキラの心情的に早いんじゃないだろうかと思ってたので、TrueBloodくらいのキスやハグの方が個人的には納得の行く展開でした。
(この辺、あくまで個人の印象ですけどね)
1周目(ケイスケグッドエンドまで)にかかった時間は、ボイスを飛ばさずに聴いてプレイして、7時間程度、フルコンプまでにかかった時間は同じくボイスを飛ばさずにプレイして、18時間程度でした。
TrueBloodで攻略できるのは、PC版でのキャラに、新キャラのユキヒトが加わって6人です。
ユキヒトは、キャラルートに入らない限りほとんど接点がなく、他キャラとの交流もありません。
ボーイズラブというよりも、ボーイズルート、友情路線でしたが、他キャラとはまた違った観点からアキラに関わってきて、面白い切り口でした。
恋愛を期待するとちょっと残念なのですが、グッドエンドで十分妄想できるよう配慮(?)されていました。
他のキャラは主に、過去エピソードが付け加えられていたり、Hシーンの代わりのキスシーンやハグで、いちゃいちゃな糖度が増量されていました。
アキラの心情の変化というか、相手に興味を持ち、好意を抱いていく様子は、PC版よりもわかりやすく感じられました。
殺伐とした世界で、大切な人を見つけ、心を通わせていく様は、ほっとしました。
物事への執着が薄く、生死にさえ感心が希薄だったアキラが、トシマでの出来事や、出会った人によって、少しずつ感情豊かになり、様々なことを悩み、考えるようになっていくという成長譚としても楽しめました。
……と、ここまでは、PC版+αという印象でしたが、一人だけ、ほぼ新規にルートが追加されたキャラがいます。
そう、シキです、カリスマです!
エロがなくなったカリスマなんて、炭酸が抜けて、ただの黒い砂糖水、しかも冷蔵庫に入れ忘れたため、ぬるい……なんてシロモノになっているんじゃないかと心配していたのですが、問題無用でした!
というのも、カリスマルートはまるっと18禁アウトだったらしく、PC版でのルートは、バッドエンド扱いになり、それ以外の新規ルートが追加されていたのです。
PC版で見られたルート(バッドエンド)には、Cool-b(BLゲーム情報雑誌)が初出の「渇いた水」のエピソードが追加されていますが、暗転に次ぐ暗転で、エンドスチルもなく、ああここから軍服エンドか淫靡エンド(どちらもPC版のエンドです)に分岐するんだろうなあ……という雰囲気をにじませつつフェードアウトしています。
そして、TrueBloodでの新規ルートでは、な、なんと!
アキラがタグを集めて、イル・レに挑戦します!!
いや〜、まさか、TrueBloodで、PC版で望めども果たされなかった展開がくるとは!
まさに感無量です!
タグ集めのために淡々と闘うアキラや、イル・レに、がむしゃらに闘いを挑んでいくアキラを見られて、本当〜に、感涙モノでした!
Bl@sterのLOSTの肩書きは伊達じゃないぜ!なアキラを堪能できて、すごく嬉しかったです!
PS2版のスタッフに、心の底からありがとう!です。
そして、そんな素敵なバトル後のエンドは2つあるのですが、そのどちらもよかったです〜!
一つは、PC版での車椅子エンドに移行する、少し前らしきもの。
もう一つは、少年漫画のような血沸き肉踊るエンドでした!
詳細は伏せますので、ここはぜひ、プレイして確かめてみてください。
どちらも、シキアキらしいエンドでよかったですよw
闘うアキラを見られただけで、TrueBloodを購入して、心の底から良かったと思いました……!
バッドエンドは、ケイスケバッドエンド(モツ)と、アルビトロエンドはありましたが、処刑人エンドはなくなっています。
その代わり、全体的な処刑人のシーンは増えていたようです。
相変わらずな漫才を繰り広げてましたよ〜。
新規スチルですが、Hシーンがなくなった代わりのものだけなのかな、と思っていたので、過去エピソードや、シキは新ルート追加されていたため、思ったよりもあったな、と思いました。
PC版から3年経っていますが、新規スチルとの印象の差は多少はあれども、全然違って見える……、ということもなく綺麗だったと思います。
BGM関連は、新規の曲も追加され、既存の曲にもアレンジがあるようなので、PC版をプレイ済みの方も、懐かしさと同時に耳新しさも感じるのではないでしょうか。
OPムービーが、ゲームを起動してすぐに流れるものと、ゲームをプレイしてプロローグの後に流れるものと2つあったのが豪華だなと思いました。
ゲーム内で流れるのはそんなに動いてないのですが、ちょっとアニメのOPみたいな印象でした。
フルコンプしてみて、PC版をプレイ済みの方も「新しい咎狗の血」として、楽しめる作品になっていたと思います。
もちろん、これが咎狗デビュー、という方にも楽しめると思いますよ〜!
2008/6/7
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