● 「翡翠の雫 緋色の欠片2」ゲーム感想  ●

翡翠の雫 緋色の欠片2(通常版)翡翠の雫 緋色の欠片2(通常版)

アイディアファクトリー 2007-08-09
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『緋色の欠片』から、半年経った時間軸での続編です。
続編ですが、主人公・攻略キャラは一新していますので、前作をプレイしていなくても問題ありません。
攻略は出来ませんが、前作キャラがちょこっと登場する嬉しいサービスもあります。


山と海に囲まれた小さな村、綿津見村には、人の世に厄災を招く「龍神」を封じた「海神神社」がある。
「海神神社」の巫女、「玉依姫」候補として育ってきた高千穂珠洲(たかちほ すず 名前変更可)は、龍神の厄災を鎮めるため母と、姉とも慕う八坂真緒を失った事から「玉依姫」を継ぐことになる。
しかし、2人の犠牲にも関わらず再び「龍神」の厄災が起こり始め、「豊玉姫」と名乗りをあげた真緒が4人の妖を従えて現れる。
真緒は、珠洲に「勾玉」を渡せと迫るが――。

もうひとつの、「玉依姫」の物語が、今、始まる。



システムは前作と同じで、とても使いやすいです。
メッセージ履歴からロードできる機能が、今回も大活躍しました。
セーブ数が12個しかないのがキツイ〜。せめて20個くらいは欲しかったです。
今回新たに加わった機能として、「道筋確認」でチャートが見られるようになりました。
なくても構わないですが、サブキャラを攻略するのに確認させてもらいましたv
あと、パラメーター(?)として「玉依姫定着度」というものがありました。
使命感溢れる行動をとると「玉依姫」度が高くなり、女の子的行動をとると低くなります。
どちらかに偏るとバッドエンドになるので、時々確認しながらプレイ。
グッドエンドを迎えるためには、『中庸』でいなければならないので、主人公の行動がややどっちつかずっぽくなります……。


「緋色の欠片2」となっていますが、前作をプレイしていなくても支障はありません。
後半に、前作のキャラがゲスト扱いで出てきますので、プレイしてたらニヤリとする程度でしょうか。
プレイして無くても、一応ゲーム中で簡単な自己紹介がありますので「誰……?」ってことにはなりませんので、ご安心を。
前作と比較してよかった点は、前半から選択肢が現れて、テンポよく物語が進んだ事と、立ち絵が大きくなった事。
最初の選択肢が出てくるまでが、長かったですからね、前作は……。
立ち絵もせっかく綺麗なのに小さくて、「一歩前へ!」って感じだったのが解消されていたのがよかったです。
翡翠はライターさんが3人だったのですが、ルート毎やキャラ毎の違和感もありませんでした。
ちょっと(?)日本語が微妙だったところがあった前作と比べると、読みやすい一人称の文体でした。


今回はメインキャラ5人にはルート制限が無く、好きなキャラから落とせました。
誰か1人を攻略すると、サブキャラを落とせるようになります。
攻略キャラは、全部で7人です。
メインの5人は、グッドエンドと悲恋エンドの2種類あります。
「道筋確認」でエンドタイトルが表示されますが、悲恋エンドにはスチルはなく、フルコンプ条件には含まれないようです。
スチルをコンプすると、おまけのスチルが1枚開きます。


お話の方は、目に付く矛盾も無く、いい出来だけど、全体的にコンパクトにまとまっているなあ、という印象でした。
前半がだらだらしてたり、戦闘シーンが少年漫画のようだったり、文章に難があったりとしましたが、後半に掛けての盛り上がりは、前作の「緋色の欠片」の方があって、アラはあったけど面白かったです。
「2」も、面白くはあるんですけど、やや勢いにかけているなあと……。
ラストバトルの盛り上がりは、断然前作の方があったので。
宝具(武器)が翡翠色に変わっただけってのは、守護者本人に耳がついたり羽が生えたりした前作に比べると、どうしても地味な印象が強く……。
エピローグは、前作よりも多少書き込まれていた気がします。
でも、糖度が高い、とまではいってなかったので、もうちょっと甘々にしてほしかったです〜。(甘党なもので)
切なさ重視のシリーズなんだろうな、とは思うのですが、もう少しくらいは……!


お気に入りルートは、「姉さん」「姉さん」と連呼してくれる、弟・陸と、「ねーちゃん」「ねーちゃん」と慕ってくれる壬生兄弟・弟、小太郎です。

弟属性です……!!

わかりやすいですね、自分(笑)
いやー、己の周囲にいないイキモノなので、ドリームが入りやすいんですよねぇ、弟。
実際にいたら、また違ってくると思うんですけど。
あとは、ビジュアル重視(笑)で、御子柴さんが好みでした。
この3人は、エンディングも結構、甘かったので嬉しかったですv


初回プレイで、音声をほぼ聴いた状態で6時間弱と、それなりにボリュームもありました。
スチルはいつものように美麗、ボイスも豪華で、お話の方も和風伝奇モノとして楽しめました。
甘さはちょっと控えめですが、キャラとの恋愛の過程は順を追って進んでいきますので、乙女ゲーとしても十分、堪能できると思います。


2007/8/12