*優しい繋がり〜11*



扉を勢いよく開け放ち、真っ先に飛び込んだのは、見慣れた紅いチャイナ服だった。
「ただいま〜v」
張りのある声、溌剌とした表情。出迎えた面々は、白鳳たちが無事、目的を果たしたと確信した。事実、白鳳の後から、フローズンとハチ、そしてDEATH夫が続々と寝室へ入ってきた。
(!!)
黒衣の長身が目に入るやいなや、オーディンとまじしゃんは、微かに顔を強ばらせた。今すぐDEATH夫を問い詰め、事の真相を明らかにしたかったが、ふたりは鬱憤をぐっと封じ込め、屈託ない笑みを振りまいた。
「わあっ、お帰りなさいっ」
「こちらは特に変わりなかったぞ」
感情むき出しの弾劾は、DEATH夫と親しい者を苦しめてしまうし、神風が告げた手加減説が本当なら、追放や離脱にはなりようがない。とにかく、結論を急がず、詳しい事情を把握した上で、解決策をじっくり話し合うべきだ。
「・・・・いろいろご迷惑をかけました・・・・」
「オレ、ですおの分も謝るかんな」
日頃と変わらぬ態度に、仲間の思い遣りを痛感し、フローズンとハチは深々と頭を下げた。DEATH夫への処分を考えると気は晴れないが、白鳳の報告通り、神風が意識を回復したことが救いだった。一見した限り、気も安定しているし、顔色も決して悪くない。
「スイさま、白鳳さまが戻られました」
「きゅるり〜」
横たわる神風に促され、スイははじけ豆のごとく、兄の足元へダッシュした。たおやかな手が、丸っこい身体をふんわり抱き上げる。
「こんな時間まで、待たなくても良いんだよ」
「きゅっ、きゅっ」
夜更かしを気遣う兄の言葉に、スイはぷるぷる首を振った。パーティー存続の危機に、自分だけのうのうと眠れるはずがない。ハチだって眠気を堪え、DEATH夫を迎えに行ったのだ。
「気持ちは分かるけど、無理は禁物だって」
「きゅるり〜」
あくびを噛み殺すスイを左肩へ乗せながら、白鳳はさり気なくDEATH夫の様子を窺った。特に悪びれた風もなく、日頃と変わらぬ表情で、虚空を気怠げに見つめている。ふと、ベッドの神風へ金の双眸が向けられた。己を射抜く眼光を、神風は敏感に察し、一瞬、互いの視線が交差した。
(あれ)
心なしか、DEATH夫の口元が綻んだ気がした。あるいは、白鳳の願望が生んだ錯覚だったのかもしれない。だとしても、双方間で負の感情や火花がぶつからなかったのは確かだ。神風とDEATH夫の関係は、間違いなく変化し始めている。縺れた糸が解ける兆しを見て、嬉しげに微笑んだ白鳳へ、神風がおっとり話しかけてきた。
「・・・・・よくDEATH夫を納得させましたね」
「えっ、神風」
上体を起こそうと、ぎこちなく腕を伸ばす神風。その痛々しい姿に、白鳳は応答さえ忘れ、彼の枕頭まで駆け寄った。恐らく、重要な会議を前に、寝そべっているのは、不謹慎だと感じたのだろう。いかにも、生真面目な神風らしい発想だが、重傷を負ったにもかかわらず、健常時と同様の姿勢を貫くあたり、まるっきり融通が利かないとも言える。無論、同士も神風の無謀な頑張りを認めなかった。
「寝てなきゃダメだよっ」
「ケガ痛むんだろー」
「この体勢でも、話は出来るぞ」
「・・・・神風には休息こそ一番必要です・・・・」
「きゅるり〜っっ」
「しばらくの間なら大丈夫」
メンバーの誠意溢れる助言を、神風はにこやかに受け流した。心も身体も消耗し切っているのに、一徹な神風は、どんなにしんどくても、横臥したままでの参加を潔しとしなかった。神風が白鳳を熟知しているがごとく、白鳳も神風の気性はことごとく理解している。強引に説得するより、話し合いへ移った方が、結局、神風は早く解放される。そう判断した白鳳は神風の肩を抱くと、ヘッドボードを背に座らせてやった。
「ありがとうございます、白鳳さま」
「ったく、神風は筋金入りの頑固者だね。だけど、私が限界だと判断した時は、ぶん殴ってでも休ませるから」
「はい、白鳳さまの指示に従います」
主張を容認されて満足したのか、神風は素直に返した。主人があっさりGOサインを出したので、男の子モンスターは神風を気遣いつつも、もう横になれとは言わなかった。



会議とは言うものの、神風が動けない状態なので、居間へ移動しても仕方ない。一同は神風を挟み、両隣りのベッドの縁に腰掛けて、やり取り出来る態勢を整えた。右のベッドには白鳳、スイ、まじしゃん、左のベッドにはオーディン、フローズン、ハチが座った。DEATH夫ひとりが相席を拒み、部屋の隅に佇んだきり、神風を囲むメンバーを眺めている。まあ、同じ室内であれば、意思の疎通は出来るのだから、この際、些細な不備には拘るまい。
「え〜と、神風、何か言ってたよねえ」
ようやく、話し合いまで漕ぎつけた白鳳だが、まずは従者の疑問に答えなければ。ところが、問われた記憶はあるのだが、神風を起こす際の騒ぎに紛れ、肝心の内容を失念してしまった。不自然な上目遣いで、おずおずと尋ねた白鳳へ、神風は苦笑混じりにリピートした。
「よくDEATH夫を納得させましたね」
「ああ、そのこと」
行方不明と聞き、神風もDEATH夫の離脱を危惧していたのだろう。白鳳の右腕たる自分が、パーティー崩壊の原因となるのは耐えられない。いかなる策を講じたか想像し
がたいが、DEATH夫を連れ帰ったふたりと1匹に神風は真底、感謝していた。
「はくほーのおかげだぞー」
「え」
「きゅるり〜」
いつの間にか、神風の胸元までやって来たハチが、白鳳を差しおいて叫んだ。が、メンバーの反応は極めて鈍かった。神風のみならず、現場にいなかったオーディン、まじしゃん、スイも怪訝そうに顔を見合わせている。むしろ、白鳳の参戦は心配の種だったのだ。白鳳びいきのハチは好意的にコメントしたが、実のところ、単なるお荷物だった気がして堪らない。仲間の微妙な面持ちから、胸の内を感じ取ったフローズンは、穏やかな口調で付け加えた。
「・・・・白鳳さまが来て下さらなければ、DEATH夫を説き伏せるのは不可能でした・・・・」
フローズンに太鼓判を押され、白鳳の功績がにわかに真実味を帯びた。いつもは腐れ××者でも、パーティーの危機に瀕し、底力が爆発したのかもしれない。肝心な場面では、思い掛けないパワーを発揮して、問題を解決して来たではないか。主人を疑った後ろめたさも手伝い、オーディンとまじしゃんは手放しで白鳳を褒め称えた。
「やっぱり、白鳳さまは頼りになるねっ」
「うむ、さすがは我々を率いるマスターだ」
「ま、まあね」
DEATH夫の折れた理由が難ありなので、最初の応答はやや歯切れが悪かった。しかし、根っからのお調子者は、褒め言葉に浮かれ、恥部は葬り去ろうと目論んだ。
(フローズンとハチさえ余計なネタをしゃべらなきゃ、説得の極め手なんて分かりっこないよ)
経緯はどうあれ、役目を果たせば、結果オーライだ。白鳳が現れたことで、DEATH夫は翻意したのだから、妙な遠慮はせず、もっと堂々と称賛を浴びればいい。己に都合良く結論付け、白鳳は手柄を独り占めする勢いで胸を張り、肩をそびやかした。でも、他のお供はともかく、最古参の従者と弟に、半端なごまかしは通用しない。
「本当ですか?」
「きゅるり〜?」
神風とスイは力一杯語尾を上げ、異議を示した。白鳳の思考回路を熟知した彼らは、あからさまに疑惑の眼を向けている。内心、はらはらしながら、白鳳は殊更、強気に切り返した。
「その目は何だい?フローズンたちの報告が当てにならないって言うの」
「事の詳細を掴むまでは、判断を控えさせてもらいます。白鳳さまの日頃の行いを振り返ると、どうしても事態が綺麗に収拾したとは思えません」
「きゅるり〜っっ」
神風の見解に、我が意を得たりとばかり、スイは高らかに声を張り上げた。
「DEATH夫はちゃんと部屋にいるじゃない。100%完璧な収拾だよ」
「終わり良ければ全て良し・・・とは限らないです。的外れの言動で、皆を呆れさせたりしませんでしたか」
(うっ)
胸の奥を針で刺すごときツッコミに、白鳳は一瞬、身を強ばらせた。だけど、もう後へは引けない。動揺を気取られないよう、白鳳は詰問口調で言いかけた。
「し、失礼なコだね。的外れの言動って、いったい何さ」
白鳳ににじり寄られても、神風は冷静そのものだ。底の浅い主人の出方など、全て見透かしている。ふうっと息を吐くと、神風は言葉を選んで語り出した。
「そうですね・・・たとえば、DEATH夫の離脱は、仮初めのマスターへの思慕に耐え切れなくなったからと、白日夢に酔いしれる姿がくっきり脳裏へ浮かんできます」
「ぎくぅ」
まんまと図星を突かれ、あたふたする白鳳を、輪の外のDEATH夫がせせら笑った。



神風の指摘に開き直った報いで、完全に墓穴を掘ってしまった。千里眼の道士だって、ここまで他者の脳内を見透かせまい。神風の前では脚色も捏造も一切通用しない。白鳳は背筋に冷たいモノが流れるのを感じた。主人のたじろぐ様子に気付いていながら、神風はなおも追及の手を緩めなかった。
「後は・・・到着を喜んだハチに、”かあちゃん”呼ばわりされ、大人げなく叩こうとしたけれど、難なく避けられて逆上したというオチもありそうですね」
「ぎゃっ」
白鳳を絶句させる頭の冴えは、先程まで意識不明だったとは思えない。負傷のハンデをものともせぬ鮮やかな推理に驚き、ハチはどんぐり眼を大きく見開いた。
「すっげー、かみかぜ、大当たりだ」
珍生物の素っ頓狂な声に続き、フローズンも頬をほんのり紅潮させて言いかけた。
「・・・・お見事、さすがは神風です・・・・」
白鳳のへっぽこな言動を、現場で目撃した者からすれば、神風のテレパシーは、正に神業の域だ。感嘆のあまり、軽い興奮状態となっても無理はない。が、オーディンとまじしゃんにとっては、神風の鋭さより、白鳳のていたらくの方が目を引いたらしく、尊敬は瞬く間に失望へ転じた。
「神風の発言が真実なら、白鳳さまを見損なったぞ」
「白鳳さまは役に立たなかったんだっ、がっかり」
「ううう」
ほんの数分前は褒めちぎっていたふたりに、あっさり突き放され、白鳳は涙目になってうなだれた。神風が余計なおしゃべりをしたせいで、マスターの面目丸つぶれだ。せっかく、DEATH夫を連れ戻して来たのに、ここまで叩かれるなんて酷すぎる。己の所業の是非は有耶無耶にして、心中で恨み言を呟く白鳳だったが、捨てる神あれば拾う神あり。白鳳を非難するオーディンたちへ、フローズンは再び主人の貢献を主張した。
「・・・・いえ、白鳳さまがいたからこそ、DEATH夫は最後の最後で折れてくれたのです・・・・」
しかし、一旦、地に落ちた信頼を回復するのは容易ではない。ましてや、白鳳の今までの不祥事は数知れず。ある意味、もっとも信頼とかけ離れた人物だ。雪ん子の真摯な訴えにもかかわらず、もはや、誰ひとり本気にする者はいなかった。
「白鳳さまを下手に庇うのは、かえってためにならんぞ」
「フローズンは優しいからねっ」
「だが、白鳳さまの場合、得てしてその優しさが仇となる」
「きゅるり〜」
神風の的確なコメントに、スイも同意して、深くうなずいている。紛れもない事実が、仲間に受け容れられず、フローズンは顔を曇らせた。顛末を見届けた者は、白鳳がどんな形であれ、説得に寄与したことを知っている。白鳳に手柄なしと決めつける一同へ、今度はハチが声を張り上げた。
「待っちくりっ、ふろーずんの言うことはマジだかんな。はくほーがとてつもなくへっぽこだから、DEATH夫はオレたちのため、残る気になったんだぜー」
「はあ?」
「きゅるり?」
ハチの舌足らずな発言がいまいち理解出来ず、スイと男の子モンスターたちは首を捻った。この機会を逃してはならじと、フローズンはすかさず言い足した。
「・・・・暴れうしの突進の巻き添えで、パーティーに危害が及ぶのを案じて、DEATH夫は出立を思い留まってくれました・・・・」
フローズンの過不足ない補足により、全員にやっとやり取りの概要が伝わった。
「ああ、なるほど」
「それなら、納得だ」
「きゅるり〜」
白鳳が高邁な真理を説き、DEATH夫が感服するとは思えないが、性懲りのない白鳳を見かねて、DEATH夫が渋々考え直すのならあり得る。最大の謎が判明し、メンバーはすっきりした面持ちで、口々に見解を述べた。
「我々も細心の注意を払ってはいるけれど、何をしでかすか分からないだけに、白鳳さまの下へ親友を置き去りにするのは抵抗があるだろうな」
「はくほーに対して、まるっきり手加減しないのは、ですおひとりだかんな」
「確かに、DEATH夫の存在が暴挙の歯止めになっていることは間違いない」
「白鳳さまは今でもちょっぴりDEATH夫を怖がってるものねっ」
「・・・・でも、彼の特殊な境遇や気質を理解しようと、精一杯努めて下さってます・・・・」
「きゅるり〜」
自らの動向が話題になっているのに、DEATH夫は知らん顔で窓の外を見ている。でも、現時点では敢えて参加を強制する者はいなかった。黒衣の後ろ姿を一瞥すると、神風は白鳳へ向き直り、申し訳なさそうに言葉を紡いだ。
「フローズンたちの報告を疑ったりして、済みませんでした。ケガの功名とは言え、白鳳さまは一番の殊勲者だったんですね」
主人の手柄を祝福するどころか、疑惑を抱いてしまった。忠実な紺袴の従者は、軽率な判断を悔やみ、深く頭を垂れている。だが、大真面目に詫びられても、白鳳は嬉しくもなんともなかった。そもそも、ケガの巧妙と表現するあたり、バカにしているとしか思えない。不機嫌の極みの白鳳は、膨れっ面のまま、投げやりに吐き捨てた。
「ふんだ、もういいよ。ちっともフォローになってないし。。」



結局、説得の経緯は隠し通せなかったが、いつまでも凹んではいられない。DEATH夫の離脱を阻止しても、スタートラインに立ったに過ぎず、むしろ、パーティーの浮沈を決するのはこれからだ。めいめい折り合いを付けつつ、後にしこりが残らない解決をしなければ、メンバーの士気は下がり、道中にも支障が出るに相違ない。スイの解呪が遠ざかるのも嫌だが、何年もかけて熟成した理想のパーティーに、修正不能な亀裂が入ったら泣くに泣けない。白鳳は深呼吸して気持ちを切り替えると、皆へおもむろに言い渡した。
「DEATH夫がそこにいるんだから、出戻った理由に関してはもういいでしょ。そろそろ本題へ移ろう」
「・・・・はい・・・・」
「うむ、承知した」
「ですおをあまり責めないでくれや」
「神風っ、今の姿勢で苦しくない?」
「ありがとう、平気だよ」
「きゅるり〜」
「・・・・・・・・・・」
立場の悪くなった白鳳が、話題を巧みに転換した感は否めないものの、ようやく話が核心に触れそうで、誰もが表情を引き締めた。夜も更け、他の部屋はすでに消灯していそうだが、幼いスイとハチも眠気を忘れ、白鳳の言葉へじっと耳を傾けている。
「今回の件は衝撃的だったし、仲間に刃を向けたDEATH夫へ言いたいこともあると思う。だけど、幸い、神風は命に別状なかったし、出来れば、事を荒立てたくないんだ」
殺傷沙汰を起こしたDEATH夫は、非難されても仕方ないが、一般社会の犯罪者と同列には扱えない。死神が育った悪魔界の価値観は、この世界とは真逆で、殺戮こそが正義なのだから。すんなり旅が続いていた間は、特に意識しなかったが、周囲の生き物を無闇に切り刻まないだけでも、DEATH夫としては最大限、譲歩していた。もっとも、郷に入っては郷に従え。人間社会に馴染んだ同士からすれば、DEATH夫の行為は当然、償われるべきだ。神風が致命傷を受けたら、取り返しの付かない悲劇になっていた。オーディンとまじしゃんは、寛大な処置を望む主人へ、即座に異議を申し立てた。
「寄りによって、故意に仲間を傷付けたのに、何のけじめもないのはおかしいよっ」
「白鳳さまの甘い対応は将来、更なる事件を引き起こしかねんぞ」
「ふたりの意見は分かるけど、DEATH夫は最後に自ら鎌を引いたと、神風が言ってたじゃない。時に強敵と遭遇しながら、ここまで大過なく来れたのは、彼の並外れた戦闘力のおかげだし、少しは情状酌量してやってよ」
白鳳に切願され、オーディンとまじしゃんは互いの意思を確認すべく、無言で視線を絡めた。義理堅いふたりは、DEATH夫がかつてパーティーを救うため、命を賭けた事実を忘れていない。DEATH夫なりに、他者とぎこちなく交流し始めたのも認めている。彼らが真に目指すのは、異分子の追放ではなく、6人と2匹の調和だ。DEATH夫が神風への敵愾心を捨て、双方、和解してくれれば、こんなに嬉しいことはない。オーディンとまじしゃんの怒りは、パーティーを深く愛するがゆえで、現在の関係を壊すつもりはさらさらなかった。
「神風に責めるなと頼まれたし、我々とて、DEATH夫への過激な処罰は望んでいない。ただ、被害者に対する気持ちを、明確な形にしてもらいたい」
「うん、せめてきちんと謝って欲しいなっ」
詫びの言葉と引き換えに、DEATH夫へもう一度チャンスを与える。これがオーディンとまじしゃんが出した結論だった。多分、彼らは限界まで妥協したのだろう。が、条件を聞くやいなや、フローズンは縋りつかんばかりの顔で、白鳳に支援を求めた。
「・・・・白鳳さま、謝罪はDEATH夫にとって、いかなる厳罰にも勝る刑です・・・・」
「だよねえ、天より高いプライドの持ち主だもん」
DEATH夫が他者に、ましてや神風に頭を下げるなんて、到底考えられない。オーディンたちも無茶な要求をしてくれたものだ。しかし、無茶でも無謀でも、この条件を承諾しない限り、事態は収まるまい。厳しい状況に、白鳳は暗澹たる気分になったが、こうなったらもう後へは引けない。一連の攻防を、他人事のように見据えるDEATH夫へ、白鳳は恐る恐る声をかけた。


TO BE CONTINUED


 

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