*優しい繋がり〜5*



ハチの案内に従い、深い森へ飛び込むやいなや、白鳳の第六感が夥しい気を察知した。内、人間と思われるものは5つ、残りは神風を含む、男の子モンスターの気だ。やはり、密売団はひたすら隣国を目指し、幌うし車を走らせているらしい。傍らのDEATH夫も連中の動向に気付いたのか、話しかける代わりに、ちらと視線を流した。
「目標捕捉・・・だね」
「まだ、国内をうろついていたとはな」
「だって、獲物を捕らえ過ぎたせいで、ヤツらのうし車は農夫のリヤカー並の速度だもん」
「な〜んだ、悪の組織はオレよりへっぽこじゃないかよう」
目先の欲に心奪われ、自分たちの輸送力を超えて、乱獲したのだろう。フローズンの証言では、かなり大型の幌うし車にもかかわらず、うしは一頭しかいなかったという。モンスターすし詰め状態では、超低速走行も無理はない。
「今のペースなら、間道へ出る前に追いつける」
樹木の間を駆け抜ける白鳳のスピードは、全力の7分程度といったところだ。気休めを言わないDEATH夫の判断は当てになる。神風救出&密売組織殲滅が現実味を帯び、白鳳の気持ちはぱあっと高揚した。
「よ〜し、愛と美のスーパーマスター白鳳さまが、こてんぱんに叩きのめしてやるっ」
「そーだ、行けっ、はくほー」
月光の薄明かりをスポットライトに見立て、白鳳は派手にポーズを決めた。正義の味方を気取った安っぽいセリフも、勧善懲悪ファンのハチにとっては魅惑の旋律だ。薄ら寒い田舎芝居に騙され、ハチは両手を振り上げて、声援を送った。
「うふふ、私の活躍をしっかり目に焼き付けて、皆へ正確に報告するんだよ」
「おうっ、任せとけ」
待機している従者はもちろん、近隣の住民(男限定)にも広く活躍を語り継ぐのだ。武勇伝が諸国の噂になれば、強く麗しいハンターに魅せられた愛人志願者が殺到するのも夢ではない。まさにご都合主義の極みだが、浮かれポンチな白鳳は本気でそんな展開を期待していた。しかし、脳内で繰り広げられる未来図は、しょせん妄想に過ぎず、掠れ気味の醒めた声音が、白鳳を一気に現実へ引き戻した。
「どう叩きのめす?」
「え」
いきなり核心を鷲掴みにされ、頭から冷水をかけられた気がした。
「スーパーマスターとやらの作戦を聞かせてもらおうか」
「そ、それは」
DEATH夫の容赦ない攻撃により、白鳳はたちまち答えに窮した。神風を奪い返したい一心で出立したけれど、悪党と対峙した場合の段取りを何ら立てていなかった。封印弾は人間たる自分には効果がない。悪魔の使徒DEATH夫が同行してくれた。この2大プラス要素があれば大丈夫と、いつものようにお気楽体質丸出しで、根拠のない確信を抱いていた。
「要するに、後先見ず、ここまで来たんだな」
「ううう。。」
蜜色の禍々しい光が、胸にぐっさり突き刺さる。DEATH夫が同胞救助に積極的ではないことは十分、承知している。巧みにプライドの高さを突き、ようやく重い腰を上げさせたのだ。敵を目前にして、彼の機嫌を損ねるのは非常にまずい。とは言うものの、出任せの戦法や場凌ぎの詭弁が通用する相手ではなかった。
(わ〜ん、困ったなあ)
スマートに切り返そうとしても、出るのは冷や汗脂汗ばかり。行き当たりばったりの気性が災いして、密売団の影も見ぬうちに、白鳳は大ピンチに陥った。



実のところ、400%自業自得なのだが、ハチは追い詰められた”かあちゃん”を放っておけなかった。両の触角を跳ね上げ、あたふたと白鳳の胸元へ馳せ参じた珍生物。
「なあなあ、はくほー、あの薬を使ったらどーだ?」
「薬って」
「おやびんに二度も使ったじゃないかよう」
「ああ・・・お香かあ」
アックスのことを指摘され、白鳳はハチの意図を理解した。お香とは名ばかりで、実態は無臭の強力な睡眠薬。上手く利用すれば、戦わずして、悪党を一網打尽に出来るかもしれない。3グラムの脳みそも、時には閃きを見せる。ハチらしからぬ冴えた発想に、白鳳は内心、舌を巻いた。白鳳のみならず、DEATH夫もハチ案を検討に値すると感じたようで、険しい面持ちが仄かに和らいだ。
「なるほど、悪くない戦略だ」
フローズンの提案でさえ、めったに受け容れないDEATH夫に認められ、ハチはいたく感激し、ごん太眉を八の字にして破顔した。
「でへへー、オレ、ですおに褒められちった」
だが、誇らしげに突き出されたお腹を指先でつつくと、白鳳はぴしゃりと言い渡した。
「ダメ、却下」
「どうしてだよう」
せっかく、DEATH夫の厳しい審査をクリアしたのに、肝心の白鳳に一蹴され、ハチは不満げに頬を脹らませた。封印弾という掟破りの武器を持つ連中に、律儀に戦いを挑む必要はあるまい。そもそも、力勝負を避け、胡散臭い薬を盛るのは、白鳳の常套手段ではないか。妙案を退けた主人を、訝しげに見つめるDEATH夫とハチへ、紅唇から驚愕の理論が繰り出された。
「闇市場でお香に大枚叩いたのは、目当ての獲物を確実にモノにするためさ。対象外の醜男に使うなんて、真っ平ゴメン」
オトコ漁りの最終兵器にすべく、清水の舞台から転げ落ちて、お香を買ったのだ。1回で、パーティーの数日分の滞在費は軽く吹っ飛ぶ高額商品を、ブサメンに投入するなんて、燃え盛る××魂が許さない。
「はくほーはかみかぜを助けたくないのかよう」
「そりゃあ助けたいよ」
だからこそ、今、幌うし車を追って、森を駆け巡っているのだ。神風を取り戻すためなら、いかなる尽力も厭わないし、富も名誉も惜しくはない。が、白鳳の中ではその決意はお香の使用と結びつかなかった。紅いチャイナ服の反応の鈍さに業を煮やし、ハチは空中で手足をばたつかせて絶叫した。
「お香なんて、新しく買えばいいだろー」
「分かってないねえ、単にお香が勿体ないわけじゃないの。ハンティング目的の道具をムダに消費するのは、××者としての美学に反するんだよ」
組織のメンバーに、ひとりでも好みのオトコがいたら、迷わず使っていただろう。でも、指名手配のポスターを見る限り、密売団の5人は報奨金以外の旨味はゼロだ。そそらない輩に、妖かしのお香は相応しくない。オトコ漁りとモンスター捕獲のアイテムは、あくまで別扱いなのだ。けれども、××野郎の腐り果てた美学に理解が得られるはずもなく、白鳳はDEATH夫とハチから思いっ切り反論の礫を投げつけられた。
「ふん、お前のくだらない美学など、耳の汚れだ」
「美学よりかみかぜの方が大事だかんなっ」
DEATH夫はまだしも、かあちゃん命のハチにまで、そっぽを向かれたのは痛い。予想を遙かに超えた逆風に、自説を押し切れないと踏んだ白鳳は、彼らの矛先を逸らすべく、唐突に軌道修正した。
「・・・・と、とにかく、お香みたいな姑息な手を講じなくても、私は実力で神風を奪還してみせるって」
「おおおっ、はくほー、カッコ良いっ」
「・・・・・・・・・・」
再び、正義のヒーローもどきを見せられ、単純なハチは手もなく引っ掛かった。正々堂々とは対極に位置する白鳳だが、口だけなら好き放題言える。DEATH夫の軽蔑の眼が背筋を脅しても、2対1になれば、こっちのものだ。神風やフローズンと違って、DEATH夫は他者との会話自体、不得手だし、白鳳と不毛な議論を続ける気はなかろう。案の定、DEATH夫は無言のままだったが、不快感を態度で表し、徐々に追跡の速度を上げた。本来の潜在能力が桁違いなので、DEATH夫側が合わせてくれないと、白鳳はもちろん、ハチだって苦しい。必死で追いまくっても、DEATH夫との差は開く一方だ。
「ですお、待てよう」
「もうっ、薄情なんだからっ」
ひょっとしたら、DEATH夫はお調子者のひとりと1匹を見限り、単独で連中を殲滅するつもりなのだろうか。無策への追及を免れたのはいいが、このペースでは密売組織と対決する前に力尽きてしまう。白鳳はよれよれになりつつ、前方のハチへ指示を与えた。
「は、ハチ、DEATH夫にっ・・・減速するよう頼んでよっ」
「合点だっ」
ハチは最後の力を振り絞って、闇に溶けそうな黒ずくめへ迫って行った。



白鳳への忠義ゆえに不覚を取り、囚われの身となった神風は、左足首に魔封じのアンクレットをつけられ、幌うし車の最奥に転がされていた。捕獲ロープで縛られてはいないが、封印弾の効き目が未だ解けず、身体の自由が利かない。四肢が固まる石化の類とは異なり、熱病にかかったかのごとく、身体の節々が軋み、意識が朦朧としている。
(封印というのは、随分、厄介なものだな)
単に肉体的な縛りだけでなく、神経の機能を損ね、気力まで萎えてくる。こうした惨状が続けば、反抗する意欲をそぎ取られても不思議ではない。罹病した者が精魂尽き果てる例はしばしば見受けられる。内なる精を削る攻撃は、時に暴力で屈服させるよりも巧妙に、対象の自我を蝕み、従順な人形を作りあげる。事実、周りの男の子モンスターは生気を失った表情で、会話もなく、ぺたんと座り込んでいた。重苦しい雰囲気の中、きゃんきゃんのみが日頃と変わらぬ明るさで、皆に笑顔を振りまいた。
「遊んで、遊んでー」
「遊んで、遊んでー」
さすがの密売団も戦闘スキル皆無のきゃんきゃんには、封印系アイテムを使っていない。出口近くの左右で監視するふたりの見張り役も、きゃんきゃんの動きには注意を示さなかった。車を引くうしの緩慢なリズムに合わせて灯りが揺れる。幌を通して、外に陣取る首魁の大きなシルエットが映った。
(・・・・にしても)
封印をかけられ、もがく神風の頭に、ふと、DEATH夫の姿が浮かんだ。知識としては理解していたが、正直、封印の作用がこれほど凄まじいとは思わなかった。もっとも、密売団の封印は、あくまで闇アイテムによる擬似状態に過ぎず、時の経過と共に、効力は失われる。しかし、上級悪魔に施された封印は、術者自ら解呪しない限り、未来永劫解けないのだ。自分が封印弾の餌食になって、初めてDEATH夫の辛い状況が実感出来た。強靱な精神力に加え、蜂蜜玉効果で、小康を保っているようでも、DEATH夫の心身は確実に消耗している。決して、弱みを見せない気質だからこそ、同行者たちがまめにフォローしなければ。心優しい神風は、数々のわだかまりばかりか、危機に晒された現状さえ忘れ、真摯にDEATH夫の体調を気遣っていた。
(フローズンと一緒に、悪魔の封印について、もっと詳しく調べよう)
負の感情がないと言えば嘘になるが、神風はDEATH夫を憎悪しているわけではない。悪意ある言動は、必ずDEATH夫側からなされ、意図が読めないゆえに、ずっと戸惑い、悩み続けて来たが、神風は彼の長所も素直に認めていた。輪の外にいても、視界にはちゃんと同士がいるし、枷がありながら、ダンジョンでは常にメンバーを牽引する存在だった。
(戦闘に関しては、私の力は到底、DEATH夫に及ばないな)
誰にも持って生まれた器がある。悪魔界で何代にも渡り、戦いに特化して鍛えられた逸材と張り合っても意味がない。DEATH夫との能力差を受け容れつつ、妬まず、卑屈にもならず、さりとて修行は怠らず、己の特性を生かして、白鳳の役に立とう。これが神風のスタンスだ。真面目、且つ几帳面なので、事務的作業ならお手のものだし、主人の裏も表も知り尽くしているとの自負もある。そんなお供の鑑たる神風にとって、敵の手に落ちてしまったことは、自らの価値を揺るがす大失態だった。更に、白鳳から贈られた家宝まで失い、神風は激しく落ち込んでいた。
(たとえ、いかなる事情があろうと、己の身ひとつ護れぬようでは従者失格だ)
勾玉を落としてから、数時間も経っていないのに、悠久の時が過ぎたみたいだ。今頃、白鳳や仲間たちはどうしているだろう。情に厚い彼らのことだ。自分を救出すべく、もう一度連中へ挑むに違いない。未熟な判断ミスのせいで、大切なパーティーにわざわざ火中の栗を拾わせるのは忍びなかった。
(白鳳さまや皆にもしものことがあったら、全て私の責任だ)
仮に、他のメンバーが組織の虜になろうと、神風は不運を嘆き、憤りこそすれ、間違っても責めたりしない。主人とは正反対で、他者に鷹揚だが、己には厳しいのだ。妥協を許さないがゆえに、一行の足を引っ張ったと、自らをちくちくと苛む神風だったが、不意に、慣れ親しんだ気が近づくのを感じた。
(はっ)
肉体も精神も鈍っているが、五感はまだ失われていない。熟練した人間の気がひとつ。白鳳だ。ちっこい気がひとつ。これはハチだ。そして、うねりながら、迫り来る無限の気。どうやら、DEATH夫らしいが、通常戦闘時のそれとはまるっきり別物だ。四方八方に滾るエナジーは、もはや、モンスターのレベルを凌駕していた。
(まさか・・・・封印を解除した?)
不自由な身体を横たえたまま、出口目指して這いずる神風の目に、青白い炎の塊が飛び込み、同時にうし車がガタンと急停車した。



まず、しなやかに黒衣を翻し、うし車を幌を飛び越えると、御者役の男へ仕掛けた。鎌の背で峰打ちよろしく、首筋をしたたかに打ち据える。うし車の左側に腰掛けていた若い男が封印弾を連射したけれど、難なくかい潜り、長い脚を一閃させ、地べたに蹴り落とした。速やかに虚空で方向転換した死神は、反対側から撃たれた封印弾を、高速回転させた鎌の柄で弾き飛ばし、刃の背で首魁の土手っ腹を抉った。幌の中から顔を出した見張りの連中は、銃を構える暇さえ与えられず、長い柄で急所を突かれて、あっさり昏倒した。所要時間、およそ5秒。従者の導きで、眼力を養った白鳳にして、肉眼で捕らえるのがやっとの神業だった。が、DEATH夫にとっては、準備運動にもならなかったのか、つまらなそうに舌打ちしている。
「ほえ〜、さすがですおだなー」
「す、凄い」
悪魔の使徒の桁外れの力を、久々に見せつけられ、白鳳とハチは口を半開きにして、惚けている。しかし、冷静になって考えれば、これではマスターを名乗る白鳳の立場がない。せっかく神風奪還に燃え、戦闘アイテムで一杯の巾着を持参したのに、鞭へ手もかけず、戦いは終息してしまった。華麗なポーズと派手な決めゼリフは、いったい何だったのか。意欲が空回りした虚しさに唇を噛み、白鳳は次第にムカついて来た。
「DEATH夫の意地悪。ひとりくらい残してくれたっていいでしょ」
「全部片づけた方が早い」
「だいたい、最初に密売団と遭遇した時、封印破りをしていたら、神風だって捕まらなくて済んだのに」
「美学とやらのため、香を惜しんだヤツが何を言う」
「何さ、いちいち口答えして可愛くないコ」
DEATH夫の全身を覆った青白い炎は既に消えていた。上級悪魔の封印に逆らった代償は小さくない。数的な時間こそわずかでも、DEATH夫が被ったダメージは計り知れない。青白い肌が透き通って見えるのは、決して気のせいではあるまい。
「ですおー、蜂蜜玉食えや」
DEATH夫の消耗を察したハチが、口腔に飴色の物体を放り込んだ。誇り高い彼は、疲れや苦痛を微塵も窺わせないが、ある意味、ギリギリの状態で旅しているのだ。お門違いの怒りに任せ、軽々しく封印を解けなんて、無神経極まりない発言をしたと、白鳳は己の短慮を恥じ、深く反省した。
「後の始末は私がやるから、DEATH夫はハチと休んでて」
幌馬車の中に、はっきり神風の気を感じる。早く、無事な顔を目の当たりにして、宝玉を返してやりたい。でも、悪党を反撃不能にする方が先だ。懐中灯を点けた白鳳は、気を失ったままの連中の懐を探り、アイテム類を全部没収すると、太いロープで幾重にも縛り上げた。ストライクゾーンを外れた輩ばかりなので、白鳳の作業も実に事務的だ。5人の大男の処理を済ませ、事態が落ち着いたと見るや、ハチは白鳳とDEATH夫へ元気に言いかけた。
「んじゃ、オレ、皆に知らせてくる」
「ちょ、ちょっと待ってよ、ハチ」
ここで去られては、何のために同行させたか分からない。神風とDEATH夫の険悪な空気を、ハチのお花畑パワーで和らげようと目論んでいたのに。だが、密売組織を壊滅させたDEATH夫の大活躍を、仲間に語りたくて堪らないハチは、白鳳の複雑な心境など知る由もない。歯をむき出してにんまり笑うと、ハチは空高く舞い上がった。
「全員連れて、すぐ戻って来るかんなー」
「が〜〜〜〜ん!!」
白鳳の絶叫をバックに、ハチは一目散に残留組の元へ飛んでいった。当てが外れ、白鳳は愕然としたものの、出立前の宣言通り、行動したに過ぎないハチを、自分の都合で非難することは出来ない。
「はあ・・・・仕方ないか。。」
パーティー内の揉め事を捌くのは、本来、マスターたる白鳳の役目だ。他者の力を借りて、どうにかしようと考えた時点で、それは逃げでしかない。彼らの間の軋轢は、自らの才覚で解決しなければ。だけど、DEATH夫の羅刹のごとき戦いぶりに、白鳳は一筋の光明を見出していた。
(動機はどうあれ、DEATH夫が神風の救援活動で、力を解放したのは嬉しい誤算だったよね)
気難しいDEATH夫が、真底、憎んでいる相手を助けるはずがない。増してや、自らの命をすり減らし、封印を解除するなんてあり得ない。フローズンが指摘したように、DEATH夫の神風への反感は、相当、薄らいでいると信じたい。神風だって、この事実を知れば、きっとDEATH夫に対する見方が変わる。今回のアクシデントをきっかけに、彼らの間柄が少しでも改善されたらと、白鳳は切に願った。
「さ〜て、感激の対面と行こうかなv」
野暮用で手間取ったけど、やっと神風に翡翠の勾玉を渡せる。幌うし車の真後ろで、気怠げに佇むDEATH夫へ目で同乗を促し、白鳳はおもむろに車中へ乗り込んだ。


TO BE CONTINUED


 

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