*愛人がいっぱい〜3*



市場を出て、しばらくは地元の農夫としか出会わなかったのに、街中へ近づくにつれ、観光客の道連れが増えてきた。彼らの身なりや様子を観察しつつ、白鳳は口元から零れる笑みを抑え切れなかった。この先は空くじなしの福引きみたいなものだ。どう転んでも大当たりが待っている。
(次はアミューズメントパークだっけ)
ふと遠くを見遣れば、遥か向こうにそびえ立つ色鮮やかな観覧車やコースター。果たして、ここでのパートナーは誰だろう。絶叫マシン類に乗って、わざとしがみついたり、ホラー系のアトラクションで恐がりを装う等の姑息な作戦が脳内で渦巻く。
(お化け屋敷なら真っ暗だし、キス以上の行為も楽勝かも、うふふふふ)
健全な娯楽施設とは対極にあるドス黒い企みに顔を歪める白鳳だったが、その時、聞き慣れた朗らかな声が響き渡った。
「白鳳さまぁ〜っ」
青いマントをふわふわ揺らし、まじしゃんが一目散に駆け寄って来る。初っ端から絶好のチャンスとばかり、白鳳は諸手を開き、可愛い獲物を抱きしめる準備をしたが、彼が持つ緑色の塊に気付き、中途半端な姿勢のまま動けなくなった。
「きゅるり〜」
「・・・・・スイ。。」
間違いなく神風の差し金だ。旅の初期からの同行者だけに、スイは白鳳の行動を規制する枷になり得ると理解している。ゆえに主人の毒牙への抵抗力が一番弱そうなまじしゃんに弟を護衛として付けたのだ。
「神風、どうしてスイが」
いかにも不服そうに言い差す白鳳を一瞥もせず、神風はまじしゃんとスイに笑いかけた。
「スイ様も一緒に皆で楽しんで来て下さい」
「わ〜い、嬉しいな」
「きゅ、きゅるり〜♪」
はしゃぐまじしゃんの掌でスイが転がって喜んでいる。確かにハチでさえ参加したのに、1匹のみ蚊帳の外ではあまりに不憫だ。白鳳は即座に考えを改め、弟も交えてパークを堪能することに決めた。白皙の美貌から険が消えたのを察し、神風はタイミング良く声をかけた。
「よろしいですね、白鳳さま」
「あ・・・うん」
一部始終を見抜いた涼しい瞳が少しシャクだったけれど、白鳳は首をこくんと縦に振った。が、従者の仕切りはこれに留まらなかった。
「そうそう、スイさまが怖がるので、密室系のアトラクションは禁止です」
「が〜〜〜〜ん!!」
道中の白鳳の企みを読んだかのごとき台詞。悉く思考パターンを見抜かれている。なぜ神風がわざわざ案内役に回ったか、初めて分かった気がした。この憎らしいほど鋭い紺袴の妨害を乗り越えなければ、今日のデートで満願成就なんてあり得ない。現実の厳しさを痛感して、紅いチャイナ服は呆然と立ち尽くした。
「では2時間後に」
どうやら1スポット2時間がデフォルトのようだ。人数から言えば、妥当な線だろう。危険な主人にとどめの釘も刺し、神風は悠然と街道へ去って行った。
「白鳳さま、早く行きましょうっ」
「きゅるり〜」
「そ、そうだね」
まだぼんやり佇む白鳳のしなやかな腕に、まじしゃんが自らの手を回してきた。瞬時に神風が振り返って、ふたりに注目したのでぎくりとしたが、特に咎めるでも制止するでもない。少年魔導師の方からした行為でもあり、取りあえずセーフらしい。白鳳は安堵すると共に、浮かれ気分でまじしゃんと腕を組んで施設内へ入った。
(ようやくデートらしい展開になってきたねv)
陽が高くなりかけた青空の下、場内は家族連れやカップルで溢れかえっている。しかし、盛況の代償として、どのアトラクションも長蛇の列で、タイムリミット2時間ではせいぜい2〜3個しか味わえそうにない。なら早めに狙いを定めるべきだと、白鳳は可愛いお供に問いかけた。
「まじしゃんはどれに乗りたい?」
「僕は断然あれ!!」
まじしゃんが間髪を容れず差したのは、バンデッド仕様のスリルライドコースターだった。超スピードと激しい高低差が売り物で、パークでも一二を争う人気マシンだ。神風とは別の意味で、こちらの意思を完璧に汲んだ答えに、白鳳は我知らずほくそ笑んだ。
「うふふ、私も乗りたいと思ってたんだ」
「白鳳さまと意見が合って良かったあ」
主人の闇の企みなど夢想だにせず、まじしゃんは手放しで破願している。さすがにスイには兄の不純な動機が伝わるのか、訝しげな表情を隠さないが、言葉が話せぬ悲しさ、子羊に疑惑を教える術がない。スイの苦悩もどこ吹く風で、白鳳はまじしゃんと腕を絡めたまま、仲睦まじく列の最後尾に着いた。
「まじしゃんはそのうち故郷の村へ帰るんだよね」
順番を待つ間の退屈凌ぎに、白鳳はまじしゃんに他愛ない話題を振った。
「うん。おじいちゃんたちと村を発展させるため、頑張るんだっ」
「へえ、偉いねえ」
今は賑やかな共同生活を続けていても、パーティーメンバーはいずれ全員いなくなると思うと、白鳳はちょっぴりしんみりしてしまった。真紅の瞳が憂いに染まったのを知ってか知らずか、まじしゃんはハキハキと明るい口調で提案した。
「そうだ、白鳳さまも旅が終わったら、僕たちの村で暮らしませんかっ」
「え」
「きゅるり〜」
「白鳳さまだけじゃなく、みんな一緒に来ればいいのに。僕、大好きな仲間と離れたくないなあ」
「・・・・・・・・」
今の自分には旅の終わりなんて到底、考えられない。けれども、モンスターでも抵抗なく受け容れるあの村なら、誰が同行してもきっと暖かく迎えてくれるし、強く聡明過ぎるがゆえに、同族内では生き辛かった彼らの能力を活かせるに違いない。無論、本来の居場所に戻れれば最良だが、万が一、それが望めないのなら、従者たちにとって決して悪くない未来ではないだろうか。




本来堪え性がないにもかかわらず、下心満々で我慢して並んだ白鳳だが、コースターでのひとときは妄想した展開とはかけ離れたものだった。最新型のマシンは各々の席に安全バーが付いており、凄まじい旋回や急降下に奥歯を噛み締め、体重を支えるのが精一杯で、隣りに手を伸ばす余裕などこれっぽちもなかった。もっと場末の老朽化したコースターなら、ちょっかいのひとつやふたつ出せたかもしれないが。
(ちっ、並んだ時間がムダだったな)
白鳳は舌打ちして悔しがったけれど、そもそもコースターに乗っている最中、いかがわしい行為に及ぼうと目論む方が大間違いなのだ。まあ、絶叫マシン自体はお世辞抜きで面白かったし、まじしゃんが結界を張ってくれたおかげで、スイもみそっかすにならずに済んだ。大声で叫んで喉が渇いたので、今はまじしゃんが買いに行ったジュース待ちである。すでに列に付くことすら放棄した怠惰な主人に呆れたりもせず、まじしゃんは大きめの紙コップをふたつ持って帰って来た。
「白鳳さま、お待たせ」
「ありがとう、まじしゃん」
「きゅるり〜」
運良く場所を確保出来た天然石のベンチに腰掛け、ふたりと1匹はいそいそとオレンジジュースに口を付けた。気の利くお供はスイの分のストローもしっかり貰っている。
「よく冷えていて美味しいっ」
「ん〜、予想よりはしつこくなくていいお味」
「きゅるり〜♪」
場所代も含まれているのか、先程の市場に比べるとかなり高価だが、一応、及第点を付けられる味だ。爽やかな柑橘で喉を潤わせつつ、さりげなく、しかし興味津々で白鳳はこんな話題を切り出した。
「まじしゃんは村でお付き合いしてる相手はいなかったの」
「うん。魔法の修行や開拓のお手伝いで明け暮れてたから」
「おや、まじしゃんみたいな魅力的なコを放っておくとは勿体ないねえ」
言葉とは裏腹に内心、白鳳は派手なガッツポーズをしていた。やはり彼は純潔な清らかさんだった。誰かが開いた後で宝箱を開けるほど、間抜けで虚しいことはない。お手つきはDEATH夫ひとりで十分だ。残りのメンバーの初物は全ていただく。そして、お気に入りの身体に仕込む日々のレッスンこそ、美形の従者を同行させる意義ではないか。
「きゅ、きゅ、きゅるり〜」
「・・・・・・・・・・」
血は水よりも濃し。スイには兄の怪しい深層心理はお見通しらしく、危険度があるレベルを超すと、必ず派手に鳴くので困りものだ。もっとも鳴き声だけなら、まじしゃんは危険信号を発しているとは分かるまい。白鳳は弟の涙ぐましい抵抗を無視して、更に話を展開させた。
「ねえ、どういう感じの子が好みなのかな」
「僕が一番好きなのは白鳳さまですっ」
「えっv」
思いがけぬ回答に白鳳の紅い虹彩が一気に熱を帯びた。自分がこのコの憧れの対象だと薄々勘付いてはいたが、まさかここまで直向きに想ってくれていたとは。
「白鳳さまは美人だし、優しいし、料理上手だし、非の打ち所がない素敵な人だもん」
「きゅるり〜。。」
前3つは外していないが、最後の批評はまるっきり主人を美化&誤解している。スイがもげそうなくらい首を横に振り続けるのにも気付かない。なのに、己に甘い白鳳はまじしゃんの心からの褒め言葉に、すっかりご満悦でうっとりしていた。
(これだよ、これが従者たちとの理想の関係なんだよ)
虫との行脚を耐えた甲斐があった。この調子で行けば、ただ美形モンスターと同行しているに過ぎない旅が、愛人を侍らせた移動ハーレムに変わるきっかけとなるかもしれない。手始めにまじしゃんから手を付けさせていただくとしよう。相手の経験値を考えると、一気にベッドインまでは難しいが、誓いの口付けくらいなら罰は当たるまい。




白鳳は隣のまじしゃんへにじり寄り、暖かい手を両の掌で包み込むと、艶やかに微笑んだ。
「私も素直で可愛いコは大好きさ」
「感激だなあ。いつまでも僕の白鳳さまでいて下さいねっ」
「決まってるじゃないか」
たおやかな指先が蔦のごとく、少年の腕を上り、肩に伸ばされる。形良い唇がうっすら開き、切れ長の瞳から紅の光が放たれた。兄の暴挙を阻止すべく、股に乗ろうとしたスイを容赦なく肘で叩き落とし、己の目的にひたすら邁進する白鳳。愛人計画第一段階達成を確信したその耳に、信じがたい言葉が飛び込んで来た。
「僕が村へ帰っても、結婚しても、子供が出来ても、白鳳さまは一生大切な人です」
「え」
ちょっと待て。結婚しても?子供が出来ても?想定外のフレーズに白鳳は混乱して、口をあんぐり開けた状態で硬直した。
「どうしたんですか」
「け、結婚って」
「ええ、いつかは優しい働き者の女のコをお嫁さんにしたいと思ってますっ」
大きな瞳をキラキラさせて、まじしゃんは希望に満ちた面持ちで言い切った。
「あ、あの・・・私は?」
「白鳳さまはお兄さんみたいな憧れの人ですから。別格なんです」
「きゅるり〜♪」
(がが〜〜〜ん!!!!!)
別格じゃなくてもいいから、恋愛対象から外さないで欲しかった。要するに、まじしゃんはごく普通の男のコで、××趣味は欠片もないのだ。白鳳は一瞬、がっかりして手を放しかけたが、振り返れば、過去、同様のケースはいくらでもあった。ノン気の相手をたぶらかして、陥落させる過程こそハンターの醍醐味。ハードルは高いほどやる気が出るというものだ。とにかくこちらに好意を抱いているわけだし、ここは親愛の情の表れとして、接吻に持ち込んでもさして問題はなかろう。
(ハチやスイとだって、しょっちゅうキスしてるし)
子供の邪気のないじゃれ合いと、腐れ××者の邪気まみれの欲望を、同列に語ってもらいたくない。当然、スイは兄の醸し出す桃色オーラから、危険度MAXと判断して、ひっきりなしに鳴き始めた。
「きゅ、きゅ、きゅるり〜っ」
が、まじしゃんには全く意図が伝わらないどころか、眼前の美麗な顔を見つめて、にっこり笑っている。自分が貞操の危機に晒されているとは露ほども思っていない。
「白鳳さま、大〜好きv」
「良いコだね、まじしゃん」
無邪気に懐く仕草に、白鳳はすっかりお調子に乗って、勢いで青い果実の唇を奪おうとした。ところが、唐突に凄まじい勢いで気が吹っ飛んで来た。これは疑うべくもない光の矢だ。やはり、神風は主人が悪さをしないか、こっそり監視していたのだ。
「うわっ!?」
済んでのところで身を捩って避けたものの、後0.5秒諦めが悪ければ、間違いなく射抜かれていた。本気で狙うなんてあんまりではないか。恐らく、現在の白鳳の技量ならギリギリかわせると踏んで射たのだろうが、その冷静な判断力がまた小憎らしい。
「顔色が悪いですよ、白鳳さまっ」
水面下の激しい攻防にまるっきり気付かない少年魔導師は、やや青ざめた白鳳を心配そうに覗き込んだ。
「ちょっと立ちくらみがしたみたい」
「きゅるり〜」
嘘ばっか、とスイは吐き捨てた。でも、残念ながら、まじしゃんには伝わらない。
「ええっ、大丈夫ですか」
「悪いけど、売店で鉄タブレットを買ってきてくれないかな」
「はいっ、分かりましたっ」
白鳳の出任せに疑問も持たず、まじしゃんは小銭を受け取ると、スイを抱いて一目散に店へ駆け出した。残された白鳳は矢の軌跡へ目を凝らし、神風の姿を探した。案の定、丘陵に生い茂った木々の間に清しい紺袴が構える様子が見えた。従者もチャイナ服の動向が気にかかるらしく、身動ぎもしないで眺めている。
(少しくらい大目に見てよ)
白鳳は拝む仕草をしたが、神風は即座に首を振ると、両腕で×を作った。にべもない。
(そんな堅いこと言わないでさあ)
方針を180度転換して、色香たっぷりに投げキッスをしたが、神風は呆れ果ててそっぽを向き、視線も合わせない。
「ちぇっ、ケチ」
口を尖らせて、紅唇は呟いた。小声だから聞こえないと高を括っていたが、唇の動きを読んだのか、神風の全身から軽く闘気が立ち上っている。この鉄壁の守りを崩さない限り、美味しいデート企画も絵に描いた餅だ。浮かれポンチだった気分が重苦しく沈み、白鳳は力なく息を吐いた。




「今度は白鳳さまの好みのアトラクションへ行きましょうっ」
裏事情を察する由もなく、純粋にパークを楽しんでいるまじしゃんは、施設内の大規模な乗り物や建物、更にはキャラクターのオブジェに目を見張りつつ、主人に選択を促した。
「大観覧車にしようか。やっぱ遊園地と来たら、これは定番だからね」
「わあ、賛成賛成!!だったら、早く並ばなきゃ」
「はいはい」
「きゅるり〜」
まじしゃんは白鳳の腕を引っ張り、花畑の先の目的地へ向けて歩き出した。プチ密室と言えないこともないが、ガラス張りの四方はオープンなので、うるさい神風もクレームは付けるまい。しかし、白鳳は知っていた。この観覧車がカーテン付きという事実を。先程、ジュースを待つ間に偶然、宣伝文を読んだのだ。景色を展望する側はそのままだが、上下のゴンドラから見える角度の窓にはカーテンがあり、別名”ラブラブ観覧車”とまで呼ばれているらしい。わざわざ愛の営みのお膳立てをしてくれるとは、なんて気が利いたアトラクションなのだろう。まじしゃんに連れられ、白鳳は意気揚々と列に入った。
「僕たちの宿が見えたらいいなあ」
「そうだね」
「きゅっ、きゅるり〜っ」
表向き当たり障りない応対をしていたが、実のところ、接吻からいかに次の段階へ進むか、段取りを練るのに夢中で、まじしゃんの話などロクに聞いていなかった。己の脳内ストーリーに酔いしれ、白鳳はハイな気分で順番を待っていたが、後1人というところで、瞬間移動よろしく神風が立ちはだかった。
「白鳳さま、そろそろお時間です」
(えええっ〜〜〜!!)
行き届いた妨害工作に、目の前が真っ暗になった。ふたりと1匹が大観覧車に乗り終わってから来ればいいものを、無防備すぎるまじしゃんの身を案じ、牽制目的で顔を出したに決まってる。衝撃で絶句する白鳳に変わり、まじしゃんが露骨に不満を口にした。
「ええ〜っ、もうお終いなの?これから観覧車に乗るところだったのに」
「ならば、乗ってから移動ということにしましょう」
「良かったぁ、ありがとう神風」
「きゅるり〜」
ここ一番で頼りになる神風に、スイが満足げに尻尾の花を回している。片や白鳳は失望を隠し切れない面持ちで、がっくり頭を垂れた。その後、ラブラブ観覧車で壮麗なパノラマ景色を堪能したものの、神風の存在が見えないプレッシャーとなり、まじしゃんとキスはおろか、手を握ることすら出来なかった。負けた。完敗だ。優秀過ぎる従者は時に最大の難敵となることを、今更ながら思い知らされた。
「じゃあ、僕はスイと一緒に帰るねっ。ハチも待ってるし」
「きゅるり〜」
兄を野放しにして去るのは心残りなスイだったが、主人に不祥事は起こさせないと、力強く頷いた神風の仕草に安堵したのか、大人しくまじしゃんの腕に収まった。最後まで白鳳を信頼し続けた純なまじしゃんは、何度も振り返りながら大きく手を振ったが、急カーブを曲がったあたりで姿が見えなくなった。
「それでは次の場所へ参りましょう」
「うん」
絶好のチャンスを潰されたのは痛いが、挫けている暇はない。年少組が続いて、残るパートナーはいずれもストライクゾーン真っ直中。今度こそ愛人ロードへの足がかりを作らなければ。DEATH夫、フローズン、オーディンのうち、ひとりでも手に入れたら、心の傷を癒してなおお釣りが来る。オトナ同士なら合意の上であれば、いくら神風だって口出しは出来まい。まさにここからが手練の技の見せどころ。培ったテクニックを総動員して、獲物の心も身体も虜にするのだ。
(よ〜し、本気出して行くからねっ)
白鳳は顔を上げ、背筋をピンと伸ばすと、目的地に向けて一歩を踏み出した。




TO BE CONTINUED


 

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