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 *お返事*
 
 
 あのひとから返事がきた。”君の気持ちは嬉しいけれど、
 私には応えることが出来ない”というようなことが丁寧な字で書いてあった。
 ふん、やっぱりね。でも、このまま黙って引き下がる僕じゃない。
 次の日、さっそくあのひとを校舎裏に呼び出してみた。
 
 例の手紙をつきつけて、「うれしいんだったら、なぜ応えてくれないのさ。」と問い詰めても、
 あのひとは口を閉ざして、困った顔をするばかり。
 「あなただって独身なんだから、別に障害はないはずだよねえ。」
 さらに追い討ちをかけてみる。相変わらずあのひとは無言のままだ。
 僕と付き合うのが、そんなにいけないことなのかなあ。一応、僕だって
 気を使って”お友達から始めようよ”と、心にもないことを書いといたのに。
 
 「世間体が悪いから?」僕がちょっと拗ねた目をして尋ねると、
 あのひとは汗を拭き拭き、「君にはこれからいくらでも相応しい相手が現われる。」なんてほざく。
 これからのことなんてどーでもいいんだよ。今、あなたに、愛されたいんだ。
 その辺の教師が顔色をなくすほど、様々なことを知っているくせに、
 どうしてこんな簡単なことがわからないのかなあ。
 
 
 だけど、僕は絶対にあきらめない。まだ学校生活4年もあるしね。
 卒業するころには、絶対に誰もが羨むらぶらぶカップルになってみせるよ。
 
  
 
 
 
 TO BE CONTINUED 
  
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