花見DEえっち(爆笑)
お花見チックな色味にしてみました(笑)





 花見など興味はなかった。
 人混みの中で花を見ることも、それを口実に宴会で騒ぐのも。
 ゲンドウにはどちらも興味がなかった。

 けれど、ただ二人だけで静寂の中、花の下に佇むくらいなら悪くはないかもしれない。


 ふと、そんなことを考えてしまった自分に、思わず苦笑いしてしまった。
 10代の少年のように、感傷的になってしまうほど、ここ花見会場は騒がしく、非常に居心地悪いところであった。
 もともとゲンドウは1人でいることの方が好きであるし、酒も嫌いではないがあまり騒がしいのは遠慮したかった。
 だから、皆もう出来上がっているのをいいことに、ゲンドウはそっと宴会の輪から抜け出した。
 だが、何処に行っても辺り一面宴会だらけ。酔っぱらいだらけ。
 いっそ帰ってしまおうと、そう思ったとき。
「碇司令・・・」
 ゲンドウが去っていくのを見て追いかけてきたのだろうか、彼を呼ぶ声がした。
 ゲンドウのことを「碇司令」と呼ぶ人間は少なくない。
 けれど、その腕に絡みついて寄りかかる。そんなことをする人間はただ1人だった。
「カヲルか・・・・」
「どこ行くんですか?ひとりで・・・・」
「帰るところだ」
「僕を置いて・・・?酷いな・・・・・」
 カヲルは、とてもそんな風に思っているようには見えない顔で、しれっと赤面モノな事を云う。
「お前を連れてくる理由などないだろう」
 と、相変わらず冷たいゲンドウのセリフなどまるで聞いてないかのようにカヲルは続ける。
「でも・・・丁度僕も退屈していたし、いいタイミングでしたね?」
 ゲンドウにそんなつもりはなかったのだが、何を云う間も与えずカヲルは更に続ける。
「そう云えば・・・僕、いい場所知ってるんですよ。今から行きましょう・・・ね?」
 勿論ゲンドウに嫌だという間など与えずに、(与えたとしても多分聞き入れなかっただろうが)カヲルはゲンドウをどんどん公園の奥に連れていった。
 ここの公園は、山や森などと繋がっていて、少し歩くだけで全然違った景色を楽しめるのだった。
 花見会場とて例外ではなく、奥は人もまばらで静かなものだった。
「ここ、穴場なんですよ。・・・でも。ちょっとしか離れてないのに誰も知らないなんて変ですよね?」
 笑いながら新鮮な空気を満喫しているカヲルだったが、ゲンドウの方はそうはいかない。
 ちょっとだけ、と云ってもカヲルとは基礎体力が違うのだ。かなり息が上がってきてしまっている。
「ねえ・・・碇司令?」
 そう云うとカヲルは思いっきりゲンドウの腕を引っ張った。
「・・・っ!」
 不意をつかれたのと、息切れ状態だったのとで、ゲンドウはあっさりと地面に倒れ込んだ。
「何のつもりだ?」
 そう云って、自分の上に覆い被さるようにして来たカヲルを睨んでみても、カヲルの方は何処吹く風と云ったところだ。
「そんな怖い顔しないで下さいよ・・・・・。暖かい春の午後、美しい桜の元で恋人同士が二人きり。しかも邪魔はない」
「何を云っている・・・・」
 いくらのしかかられているからと云って、大人と子供の力の差は歴然で、ゲンドウはカヲルを押しのけるように上半身を起こした。
「そしたら・・・する事はひとつでしょう?」
「お前・・・っ!」
 笑ってカヲルはゲンドウのズボンのベルトに手をかけ、慣れた手つきで外していく。
 例えこの行為が意味するものが無限にあったところで、この場合にはただ一つ。
 カヲルはなんの躊躇いもなしにゲンドウのモノを口に含んだ。
 あまりのことにしばらく硬直して動けなくなっていたゲンドウだが、下半身も同じく硬直気味だったりする。
 このテクニックを一体どこで培ってきたのか、知りたいような知りたくないような、複雑な心境のゲンドウだった。
 とかそんなこと云ってる場合ではない。
 場所がまずい、時間がまずい、状況もまずい。
 その上主導権も取られているのが気に入らない。(もしかするとこれが一番の理由かも知れないのは秘密だ)
「やめろ」
 ゲンドウはカヲルの頭を掴むと自分のモノから口を外させた。
 カヲルは、どうしてそんなことをするのか理解できない。と云う風な表情でゲンドウを見つめていたが、悪魔のように美しい笑みを浮かべると、
「一回イッてからの方がいいと思ったんですけど・・・・・もう、我慢できないほど入れたい?」 とんでもないことを言い出す。
 それからカヲルは、流石に絶句してしまった(まあ、最初から絶句も同然だったが)ゲンドウの耳元に口を寄せると、吐息と共に熱っぽい言葉を吐き出した。
「でも僕も・・・・早く入れたい・・・・・」




続く←続くか!!(笑)





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