ステップバンの思い出






その一

ステップバンをイジリ始めたら、とっても懐かしくて楽しくて・・・。
作業していると学生時代にタイムスリップ!
ついつい昔を思い出して、時間を忘れてイジってしまいます。

そうだ、ステップバンは街乗りでも快適なようにCDデッキを取り付けたので、
ステップバンで聞く為にベスト版のCDを作らないと〜。
好きな曲を聴きながらステップバンに乗っていると、旧車に乗っているなんて感覚は全く無いので、
気持ちよくドライブできて遠くにドライブしたくなりますね!
そろそろ群馬のボンタさんのところへステップバンで遊びに行けそうです。

ボンタさんとは23歳の頃に知り合いましたが、私もステップに乗っていて、ボンタさんもステップのオーナーさん。 
そんな彼を紹介してくれたのが、今は亡くなってしまった従兄弟です。
従兄弟も私の紹介でステップに乗り、我が家の兄弟もみんなステップ。
その頃は周りがみんなステッフに乗り換えしちゃって、いつでもステップでぞろぞろとツーリングが出来ました。
しかし、私がステップの車検を切らして、次はN360だバモスだと乗り始めると、段々とステップに乗っている人も少なくなっていきました。
でもステップに関する思い出は、やはり一番多いですね〜。 一番乗っている時間が長かったですから。
ボンタさんも今ではステップもピックもどちらも手放してしまいましたが、昔を思い出して貰う為に久々にステップでお邪魔しようと思います。
あの頃は、暇があればと言うか、毎週末はステップで出掛けて、お邪魔してました。
毎週、群馬と長野を往復していても全然苦にならないステップは、私に相性があっているのかな〜。
その頃は、ステップバンにオーバーフェンダーとフロントスポイラー、マフラーも2本出しで煩くて、
フロントガラス以外全面スモークフィルムを貼ってあったので、白バイに追いかけられたりなんてよくありました・・・。
話していると仲良くなって、キップなどは切られませんが、呼び留められるとやはりドキッとしますよね。
中央高速で、深夜に走っていて、ついついウトウトと居眠り運転。
その時、知らず知らずのうちに車線を越えて、横を走っていた黒塗りのクルマに幅寄せを。
大きなクラクションでハッとして気づきましたが、それから数秒後・・・。
横を走っていた黒塗りのクルマの天井からクルッとサイレンが飛び出して〜。
そこのステップバン、止まりなさい! と拡声器で呼び止められて。
路肩に止めると、前に止まった覆面パトカーから、どどっとコートを来たお巡りさんが4人、私のステップをグルリと囲んで!
ヤッベ〜、なんて思いましたが、仕方はありませんね。 『何で幅寄せしてきた』と問われたので、
『ついつい眠くなってウトウトとしてしまいました』と正直に話しました。
『何でこんな朝の3時頃に走っているんだ』と言われたので、『彼女に呼ばれて長野から東京まで会いに行くんですが』と言うと、
『居眠り運転をして死んでしまったら何もならないだろう』と優しいお巡りさんの言葉。
『眠かったら、少し路肩で仮眠していきなさい』と言って、4人はクルマに乗り込み中央高速の暗闇に消えていきました。
もしも、あの時覆面に幅寄せしていなかったら、注意されず眠いまま運転して、ステップバンごと山梨の谷に落ちていたかな〜、
なんて思うと覆面のお巡りさんたちには感謝しました。
ステップバンに長年乗っていて、一度も事故を起こした事もありませんし、違反で一度も捕まった事もありません。
ステップバンがずっと守ってくれていたのかな〜なんて当時は思っていました。
たまたまステップバンではなく、違うクルマで京都へ遊びに行ったとき、名神高速の京都の手前で、居眠り運転で新車で買った翌日にクルマは大破!
センターのポールを数本なぎ倒してクルマは全損に。 私は助手席で寝ていましたが、運転手も一緒に寝てしまったようです(笑)
私はシートベルトもせずにシートを倒して寝ていましたが、クルマから放りだされる事も無く、天井に思いっきり打ちつけられて目覚めましたが、
起きて気づいた時にはクルマがコーヒーカップのようにクルクルと回っていました。
出来事は、ほんの数秒でしたがとっても長かったですね〜。 運転手はビックリしてハンドルから手を離しちゃってボッーとしているし、
こちらはこれ以上他のクルマなどに迷惑をかけてはいけないと、必死に横からハンドルを握ってわざとセンターのポールにクルマを叩きつけて、
何とかぶつかってから50mほどのスピンで止まりました。
止まってから、慌てて運転を交代して、前側がグッシャリでしたが、フェンダーを引っ張り出したらなんとかタイヤが回ったので、
追い越し車線から路肩へ行こうと思いましたが、なんと50m後方のガードレールにバンパーが挟まっています。
置いていくのも可哀想なので、高速のセンターの植樹された部分を走って取りにいきましたが、蹴っても引っ張っても取れません・・・。
ちょうどゴールデンウィークだったので、朝の5時とは言え事故渋滞が始まって、巡回していたパトカーがやってきました。
結局クルマはサービスエリアに置いて、せっかく京都の手前まで来たんだからと、高速バスで京都まで。
こんな大事故になっても、私ともう一人は怪我一つ無く何とも無かったですが、生きていられる喜びにホッとしました。 これが命拾いと言うのかなと。
でも、これがステップバンだったら、お知らせを事前にしてくれて事故にもならなかったのかななんて思ったりして・・・。
何度大きな事故にあっても怪我一つ無く生きているのは、まだ死ぬ時期がきていないのかなと。 
自分に課せられた役目を終えないと迎えにはきてくれないのかななんて感じた時でした。 その頃は働き始めで、若かったと言うか、
負ける気がしないほど勢いだけで進んでいましたが、ちょっと待てと考えさせられる転換期でありました。
一人で生きている気になって、世界は自分中心で回っているなんて勘違いもしていましたが、
そうではなくて命をもらって生かされているんだな〜なんて考え始めた頃です。
それから少し経ってステップバンのクラブの『ステップアップ』を立ち上げました。 立ち上げてすぐに従兄弟にボンタさんを紹介されたのかな。 
それからは何かと言えばボンタさんと一緒にツーリングしたり、エンジンを載せたり降ろしたり・・・。
ここから始めて旧車の仲間の輪が出来ていきました。
まあ、いろんな事がないと今に辿り付けないんですが、今となってはどれも良い思い出。
ステップバンで始まって、ステップバンで終わる。 と言って、まだまだ終わりませんが(笑)
私の役目が終わるまで、精一杯頑張らないと!




〔私の宝物のステップバンたち〕

第 1 号車 第 2 号車
このステップから深みに
ハマッテしまいました。

一日往復500kmは
全然平気でした。
乗っていても楽しく思える
相性のいいステップ!
2号車は、夜勤のバイト
に大活躍してくれました。
お盆の高速道にて
大渋滞の中、水温計が!
ファンが回らず
オーバーヒート・・・。
第 3 号車 第 4 号車
帰省中にたまたま通った
車屋さんで見つけた3号車。
見るとほっておけなくて・・・。
私の兄が乗っていました。
姉に頼まれ新幹線で
茨城県まで引き上げに!
毎日の通勤に大活躍。
その為にちょっとお疲れ。
結局、私のところに。
第 5 号車 第 6 号車
静岡から嫁に来た
程度の良かったステップ。
紹介してあげたのに
数ケ月で事故に!
可哀想だったので
買取りました。
長年欲しかったピック。
新聞屋さんで使われていた
ワンオーナー車。
第 7 号車 第 8 号車
いとこに頼まれて
探してきたステップ。
数年後に私のところに。
部品取りとして、解体して
現在はパーツのみです・・・。
他のステップたちの為に!
第 9 号車 第 10 号車
通勤に使われていたピック。
冬季も乗っていたようで、
リア周りが塩カルにやられ
腐ってボロボロでした。
私のところへ来て
お化粧直しをしました。
新車から26年間
ワンオーナーで使用され、
その後3年間他の方が乗り
そして、我が家へ!
初めて声を掛けてから、
何年待ったでしょうか・・・
第 11 号車 第 12 号車
長年のステップオーナー
さんから託された一台。
いつか仕上げようと所有
されていましたが、その夢は
私が引継ぐ事に!
エンジンもトラブル続き
だったようです。
長年探し続けた
純正色のうぐいす色。
このピックがなかなか
見つからなくて・・・。
以前にも一度話が
ありましたが縁が無く
やっと念願叶って入手!
純正と違う部分は
手直ししてあげました。
第 13 号車 第 14 号車
18年程、車検が切れたまま
乗られる事も無く
ずっと眠り続けていました。
ステップの内装も
18年前の雰囲気です。
シャンデリア・・・。
まあ、これも良しと!
誰も手を付けないと
やはり手を出したく
なっちゃう悪い癖・・・。
荷台には鉄板が貼られ
お約束のステップも
朽ち果ててボロボロ。
それでも可愛いです。


これ以外にも何台か持っていましたが、最初から部品取りの目的で入手したものは可哀想ですから、写真の掲載はしません。