宮崎税務会計事務所
〒208-0004 東京都武蔵村山市本町2丁目70-2
離婚と税金
花子さんは、太郎の浮気が原因で協議離婚しました。離婚にあたり太郎から自宅不動産と現金そして毎月末に養育費を受け取ることになりました。税金はどのようになりますか?
月別の離婚件数をみると、最も多いのは3月となっておりまして、離婚を身近な人の話として聞くことが多いこの頃です。
離婚に伴う財産分与は、婚姻中に築き上げた財産の清算ですから贈与の課税対象にはなりません。自宅不動産の財産分与を受けた花子さんは、贈与税の対象とはなりませんので贈与税はかかりません。婚姻期間中に2人で築き上げた財産が対象ですから、売れっ子の芸能人や有名スポーツ選手が多額の財産分与をしたり、高額な慰謝料を支払うのも納得ができます。
しかし、不動産を妻に分与した太郎は、自宅不動産を譲渡したものとして譲渡所得税の申告が必要になります。不動産の売却額は、財産分与したときの時価を算出し、それから土地と建物の取得価格を差し引いて譲渡利益を算出します。そして、離婚の場合は譲渡利益から居住用財産の譲渡所得控除額(3000万円)が差し引かれますので、所得税額が発生することはまれですが、所得税確定申告の手続きは必要です。
住宅ローンが太郎名義で残っている場合は、そのまま、太郎が返済を続ける方法と花子さんが残債を引き継ぎ銀行の承諾を得て返済をしていく方法があります。所有権移転登記の際は登録免許税が必要になります。離婚に際して現金を受領したのは、慰謝料という名目の損害賠償金ですから所得税は非課税です。
花子さんは、自宅不動産を財産分与時の時価で取得したことになりますので、将来自宅を売却するときには、この時価が取得価格となります。
結婚しているときに太郎が購入した不動産の財産分与については、共有財産の分割と考えられるので不動産取得税は減額されます。しかし、結婚前から所有していた不動産や相続により取得した不動産の財産分与は、不動産取得税が全額課税されます。離婚により毎月支給される養育費は、慰謝料の一部となりますので所得税は課税されません。
しかし、
その離婚の財産分与が、贈与税・相続税を合法的に課税を免れる方法として利用された場合には、花子さんに贈与税が課税されることもありますのでご注意ください。
「熟離婚 互いの介護で 復縁し」(中期高齢者)