ヴァン幸せルート小説編1
									1 ヴァンが幸せになる分岐ルートを勝手に作ります!(ベルケンドのヴァンガイイベントからの分岐です) 
											2 ヴァンが仲間になるので、ラスボスはモース(第三形態まであります〜)とディストとレプリカ六神将です。ディスト最強伝説かも。
											3 主目的はヴァンガイのエロ話しです! ざっくりした粗筋+エロ!でっす
									
											以上な点
											オケですか?
											↓
										
									
									
									「ガイラルディア様に私の伴侶になっていただきたい。それが私が復讐の計画を捨て、ガイラルディア様と共に参る条件です」
									深夜。
											ガイはベルケンドの宿を抜け出し、再会したヴァンに、バカな計画をやめるよう訴えた。
									頑固なヴァンの性格はよく知っているガイは、そんな簡単な呼びかけで彼が意志を曲げるとは思っていなかった。
											共にキムラスカ王室に復讐を果たすと誓いあった騎士が、主人と慕っていたはずの自分に大きな隠し事をし続けていた。
											アクゼリュスをホドのような悲劇においやり、そして何よりそれを、ルークを操って成したこと、そんな許しがたい暴挙を重ねられ、ガイはヴァンを根気よく説き伏せようという気持ちにはなれないでいた。
									大切な幼なじみ。
											全てを失ったはずの自分に暖かく密かに力を貸してくれていたヴァン。
									大切な存在であることは変わらない。
									ただ、これが最後の警告になるだろうという意志を込めて、ガイはヴァンに告げた。
									「主人と思ってくれているなら、命令を聞いてほしい。もうこんなバカなことは止めるんだヴァンデスデルカ」
									きっと拒否されるのだろう…
											ガイは訴えながらも、諦めるための気持ちの準備もしなければならなかった。
									
											だが、
									「わかりました。ガイラルディア様がそうおっしゃるのなら、私はこの計画から手を引き、ガイラルディア様と共に参ることを選びましょう」
									意外にもヴァンの返事は予測を裏切るものだった。
									「ほ、本当か!ヴァン」
											あっさりと了承されて、ガイはただただ驚く。
											「ですがそれには一つだけ条件があります」
											「条件?」
									「ガイラルディア様に、私の伴侶になっていただきたい」
									「…は?………は…伴侶???」
									ガイは、驚きに満ちていた表情から、ハテナマークを顔いっぱいに張り付けたようなポカンとした表情になった。
									「伴侶って、伴侶ってことか???ええっと…伴侶?」
											「ご承諾いただけませんか」
									諦めの表情を浮かべようとするヴァンにガイは慌てて言葉をつないだ。
											「条件ってのはそれだけなんだな?」
											「はい、今は私の望みはそれだけです」
											「…わかった。ヴァンデスデルカ お前の望みを受け入れる。だから俺と一緒に来て本当の仲間になってくれ」
									もしヴァンの望みを今ここで拒否してしまえば、この先ヴァンと戦って互いに生死を分かつ運命を辿ることは確実で。
											だからガイは条件が自分がどうにかできるものであったので、あわててそれを受け入れることにした。
											今この時を逃しては、きっと一生後悔する。
									伴侶っていうのも主従よりもっと接近した関係のニュアンスのことなんだろう。きっと多分そうだ。
											そんな風にヴァンが自分を求めてくれることに、ガイとしてはむしろ嬉しさを感じていた。
									「その言葉に偽りはございませんな」
											「俺の全てをかけて、二言はないぜ」
									ガイはまっすぐな瞳をヴァンに向け、明るくニカリと笑う。その澄んだ濃い空色の瞳にヴァンも深く笑みを返す。
											「ありがとうございますガイラルディア様…」
											「あ…」
									その笑みに見とれていると、ガイはいつの間にか、ヴァンの腕の中で強く抱きしめられていた。
											ガイもなかなか長身に育ったはずなのに、ヴァンとはかなりの体格差だ。
											まるで幼い頃のようにヴァンにすっぽりと包み込まれて、ガイは久しぶりに暖かく甘い気持ちになっていた。
									子供の頃からひたすら自分を甘やかしてくれたヴァン。
											成長してからは素直に甘えることが難しくなってしまったけれど。
											幼なじみを永遠に失ってしまうかもしれない状況になってしまってから、今こうして再びウァンと一緒にいられるようになったのだ。
									説得できて、本当によかった…
									大きな心配ごとの一つが解決して、ガイは心から安堵していた。
									だが
											「ガイラルディア様…」
											「ん…………………んんんんん!?」
									だんだん息が苦しくなってきて、どうも口を塞がれてるっぽいぞ、とガイは気づきはじめた。
									これは…これはもしかして…
									抱きしめられているから、ヴァンと密着しているのは当たり前なのだが、
											なんだかヴァンの顔が近い!
											近すぎる気がする!
											っていうか、口の中に何か入っ…
									「んんんんんっ」
											軽くパニックになってガイは何とか身をよじろうとするが、ヴァンがガイを抱きしめる腕は強い。それでももがこうとすると、近くの外壁にほとんどのし掛かるほどの力で身体を押さえ込まれてしまった。
											息は苦しいし、重いし身体も痛い。
											舌も痛い。苦しくて口を大きく開けて呼吸をしようとすると、口の中にあった熱いモノがぬるりと動いた。
											「んっ…ぐっ」
											それはまたガイの舌に密着しようと強く絡みついてくる。口の中にあふれる液体を飲み込むしかないまま。
											「かはっ……っ」
											ほとんど酸欠に近くなって、ガイの足の力がずるずると抜けはじめる。というか、腰が砕けたような感覚だ。そうなってからしばらくして身体は抱きしめられたまま、ようやくヴァンの顔が、少しだけガイから離れた。
											ガイはぜえはあと呼吸を整えるのに必死だったが、ヴァンの方は、うっとりしながらも少し不安そうにもしている。
									「申し訳ありませんガイラルディア様。つい加減ができませんでした。苦しくはありませんでしたか」
											苦しかった!
											苦しかったとも!
											けれどそんなことより、今のは…
									「ガイラルディア様の女性が苦手な体質はまだ治られてはおりませんな?」
											「…ああ」
											「では男相手の経験ではどうなのです? いままで伺ったことはありませんでしたが」
											「け、経験って」
											「接吻の経験です」
											「あるわけないだろっっっ!!!」
									成長すればするほど端正な姿に育っていったガイは、その人好きする性格もあってたいそう女性にモテた。だが、女性に近寄れない体質のために、いまだにその手の経験がない。それを勘違いした男に言い寄られたことは残念ながらたくさんあるのだが、ガイは剣の腕は一流で、無理矢理こんなことをされたことは無かった。小さい頃ならお休みのキスを頬や額にルークから受けたことはあるが。
									とにかく経験がないことをヴァンに告げると、ヴァンは怖いくらいの満面の笑みになった。
									「では私がガイラルディア様の初めての相手ということになりますな」
											ガイは頭の中が真っ白になった。は…初めての経験を……ヴァンに…。
											今更こんな年になって初めてもなにも無いといえば無いのだが、それにしても…初めてがヴァンデスデルカお前なのか…
									しばらくしてから、ガイは恐る恐る口を開く。
											「あのさ…ヴァン…」
											「なんでしょうかガイラルディア様」
											「は…伴侶って言葉の………意味って」
											「伴侶は伴侶です。下世話な言い方をすれば、ガイラルディア様に私の嫁になっていただきたい」
											「よっ………ヨメ…」
											「契りを結ぶということです」
											「ち…ちぎ………」
											青くなったり赤くなったりしているガイの反応に、さすがにヴァンも先程までの喜色を消す。
									「私の言葉が足りませんでしたな。私は、ガイラルディア様に全てを捧げたいと望んでいます。それと同じく、ガイラルディア様の全てが欲しい。そして私のこの汚れた欲望も含めて、全てを受け入れていただきたい。これ以上、己の気持ちを偽って生きることに、何の価値も無いことをようやく気づけたのです。身勝手は承知の上で無理な要求をいたしてしまいました。ガイラルディア様がやはり受け入れがたいというのであれば、私はこのまま…」
											「ヴァンデスデルカ!」
									ヴァンの話しが暗い方向に突き進もうとするのを感じて、ガイは続きを言わせなかった。
									「お前の望みは受け入れるって、俺は言わなかったか?」
											「……確かにそう言われました」
									「二言はないとも言わなかったか」
											「おっしゃいました…」
									「俺の言葉が信じられないかヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデ。 俺の言葉を軽んじるか」
											「! そのようなことは…」
									普段浮かべている温厚な笑顔とは正反対に、鋭く突き通るような視線をガイはヴァンに向けている。
									魅入られたようにそんなガイを見つめていたヴァンは、さらに自分が虜になってゆくのを呆然と感じることになる。
									嵐が去って光の中で花々がいっせいに咲き誇るような、そんな笑顔を見せつけられたのだ。
									「俺を信じろよヴァンデスデルカ。お前が信じてくれるなら、俺はその信頼に応えようと、もっと強さを手に入れることができる。
											信じるのも信じられるのも、強さと勇気が必要なもんだろ? 今直ぐにその力が無くても、これから二人で育てていけば良い。
											そういうのが、伴侶ってもんなんじゃないかって、俺は思う」
									暖かさと強さを感じさせる声音。
									「ガイラルディア様……………
									 私が愛した相手があなたで…本当によかった…」
									愛するあなたと出会えて
											
											あなたを愛することができて
											
											あなたに愛することを許されて
									ヴァンは想いの全てを伝えられないもどかしさを、ガイを抱きしめる腕に込める。
											「く…苦しいヴァンっ」
											苦しそうに身じろぐガイに気づいて、あわてて腕の力を弱めるが、勢いは止められず、そのまま手のひらでガイの身体のラインを辿ってしまう。感じられる全てで、愛しい人を感じたい。本能的な欲求に逆らうことができないほど、腕の中のガイが愛しくてならないのだ。
											「ア…」
									身体にぴったりとしたガイの衣服は、こういう場合、なかなかに無防備だった。
											背中から腰をたどり、ヴァンの手は撫でさすりながら、足へと向かう。スパッツの上から、柔らかい部分を遠慮なく撫でる。
											「ヴァっ…ンやめ…」
											抵抗の言葉をつむぐガイに、今度はヴァンは身を引くことはなかった。
									「私の想いは、このようなものまで含んでしまうのです。ガイラルディア様には、御覚悟をしていただきたい」
											「か…覚悟って」
											「私の全てを受け入れていただく覚悟…です」
											耳元で低く呟やかれてゾクリと背筋を震わせながら、受け入れる…受け入れるって…とガイは頑張って考えようとしていた。
											受け入れるっていうのは、気持ちを受け入れるってだけじゃなくって、つまりその、
											ヨメとしてヤるべきことをヤるってこと…か?
											一応知識としては知ってるし、誘われたことも少なくはない。けれど覚悟…
											えっとつまり
									「それって、やっぱりさっきみたいなのだけじゃないってこと…か?」
											口づけだけで腰が砕けてしまったのに…
											「欲しいのはあなたの全てです。愛の営みをお許しいただきたい」
											あ…愛…
											「つまりそれって、俺がヴァンとヤるってことだよな」
											「その通りです」
											色気のない言葉のやりとりだが、ガイはそれどころではない。
											「それって………………俺が突っ込まれるってこと…だったりするか?」
									勇気を出して聞いてみたが
									「左様です」
											さっくりと返事が返された。
									やっぱりそうなのか… 突っ込まれてしまうのか…。
											けれど突っ込みたくもないし、二言は無いと豪語してしまった手前、やっぱり無しで!とは言うこともできない。
											退路も逃げ道も無い。
											覚悟を決めなくてはならないのか……
									って、覚悟ってまさか今夜これからとかなのか!?
									「そ、その、そんなに早く、心の準備は無理っていうか、さっきのでけっこういっぱいいっぱいというか、悪いけど直ぐにどうこうっていうのはその…」
											あたふたとするガイにヴァンは目を細める。
											「わかりました。これからはガイラルディア様と共に過ごすのです。時間をかけ、じっくりと慣らすようにいたしましょう」
											じっくりと慣……って!?
											とやはりガイはおたおたとするばかりだ。
									「ガイラルディア様 今一度、口づけをしても宜しいですか?」
											「え…」
											優しく頬を撫でながら、ヴァンは甘く問いかけてくる。
											「まずはこのくらいから覚悟を」
											「あ…」
											ヴァンを受け入れる覚悟のこれが第一歩ということだ。
									ガイは一度口を引き結ぶと、恥ずかしそうに小さく頷いた。
									「ありがとうございます」
											幸せそうに笑むヴァンを見てしまえば、後悔は生まれない。
									ゆっくりと近づいてくる顔を目を閉じて待ち受ける。ふわりと唇が唇に触れ、それは先ほどのような激しいものにはならずに、金糸をやわらかくかすめたり、耳をそっとはんだり、頬から首筋にかけてを軽くたどって、シャツの隠すことない鎖骨あたりでゆっくりと遊ぶ。
									「………は…」
											くすぐったいような甘いような気持ち良いといえる感覚だと思う。
											やんわりと抱かれているので、ガイは動きのとれる自分の腕を、ヴァンの背にそっと回した。
									とたんに、ぎゅっと強く抱き返される。
									「ガイラルディア様…」
									切ないような苦しいようなヴァンの声が耳元で響く。
									「もう、俺から離れるな…ヴァンデスデルカ」
											「二度と離れないと誓います…」
									過去の記憶に縛られ続けてきた二人が、ようやくお互いだけを見つめることができた。
									自分はヴァンの望みを叶えることができる。
									首筋からこめかみを経て、唇がまた唇に触れる。
									ヴァンを甘く迎え入れるために、ガイは薄く口を開いた。
									それに反応して、口づけは深さをゆっくり、ゆっくりと増していく。
									その甘さに
											ガイは先ほどとはまた違った目眩に
											溺れ続けたのだった。
									続く
											
											
										
									
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