chapter3-3.Club Rooms
一旦校舎を出て、運動部の部室が並ぶ、部室棟へ向かった。
バレー部の部室に入る。
どこも本物そっくりに作られているので、この部室も見覚えのあるままだけど、流石に、あの散らかり具合までは再現されていなかった。
それはハクも思ったのか、
「いつも、このくらい片付いているといいな」
と、あからさまにあてこすられる。
反論したいけど、事実なので出来ないのが悔しい……!
「と、これだな。512。確かに、あるな」
ハクが、ロッカーの数字を確かめる。
「これは、お前のロッカーか?」
「違うよ。言っただろ。クラスにバレー部のヤツがいるって」
予想できた問いだったので、僕はすらすらと答える。
嘘をつくのは、ちょっと心苦しいけど。
「まあ、そう言う事にしといてやろう」
僕のささやかな罪悪感は、ハクの尊大な台詞を目にした途端、すっかり薄くなってしまった。
ハクのこういうとこは、かえって気楽でいいのかもしれない……。
内心苦笑しながら、僕もロッカーに近づいた。
スチール製の、ありふれたロッカーだ。
近寄ると、512、とナンバーが表示された。
これから、どうすればいいんだろう?
「とりあえず、開けてみるか」
ハクがそう言って、僕は……
1.
「そうしよう」ロッカーを開けてみた。
2.
「ちょっと待って!」ロッカーを開けるのをためらった。