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(福)え〜今日は鶴光さん来ていただいております。今日はですね、せっかく鶴光さん来ていただいたわけですし、生放送ですし、あのリスナーにもファックスで参加してもらいましょうと。
(鶴)どういうの募集するの?
(福)だから鶴光さんと言えば、僕はエロラジオのイメージでしたから・・。
(鶴)「ミッドナイトストーリー」。
(福)「ミッドナイトストーリー」とかあったじゃないですか。
(鶴)これ、しかし「ミッドナイトストーリー」わかるかね?例えば*****(ネタ)。こういうやつですよ。
(福)最高です。間違いありません。
(鶴)間違いない。で「驚き桃木ピンク話」。
(福)これですよ。
(鶴)ここに「テレフォンミュージカル」って書いてあるけど、これはちょっとわしわからないんやけど。
(福)「テレフォンミュージカル」っていうのはですね、僕あの電話でリスナーと話をしてて・・。「君の胸を富士山にたとえると何合目〜?」とか聞いて「5合目〜」とか答えてもらうコーナーだったんですよ。
(鶴)あ〜なるほど、なるほど。
(福)すみません。(笑)どうってことない・・。・・さっ君のですね、お待ちしておりますよ。「驚き桃木ピンク話2003」ね、これファックスのみで受け付けます。受付ファックス番号は東京03・・・・・。チ○ポタツタツまでよろしくお願いします。
(鶴)(大笑)
(福)「驚き桃木ピンク話2003」ということで募集したいわけなんですけど、これの例題をですね、もっとちょっと分りやすく師匠から教えていただければと思いまして。
(鶴)あの〜いわゆる有名な女性を、こう最後にオチに使うという。
(福)はい。
(鶴)例えば、******。(「伊藤蘭」を使ったネタ)
(福)(笑)
(鶴)これは知的な遊びでございます。
(福)これ松浦亜弥とかモーニング娘とかそういうのでつくったらいいですね。
(鶴)そんなんの名前の中でね。
(福)そうですよね。いやでもどうなんだ?それ松嶋菜々子できたら、それを俺が読まなければいけないのかぁ。
(鶴)あれ、ええ役したなぁ。わし、ポルノ映画3本主役やったことあるけど、ああいうのないなぁ。
(福)ないっすかぁ?
(鶴)ポルノ映画出たことないやろ?恥ずかしいでぇ。
(福)ポルノはないっすよ。
(鶴)調布の飛行場でなぁ、女の子のオッパイ吸いながら、「はい鶴光さん、挿入シーンですよ。はい動かします、1回2回3回、きゅっきゅっきゅっきゅっはいはてたー」。そんなんなぁ、俺恥ずかしかったよ。「東京むれむれ婦人」。
(福)「東京むれむれ婦人」!?それは今でもビデオで見れますか?
(鶴)それはムリ。見ようとするんなら、「奥様はおかたいのがお好き」。
(福)あっそれは大丈夫ですか。・・え〜「驚き桃木ピンク話」こちらはファックスのみで受付です。
(鶴)このあと何いくねや?
(福)メールをちょっと紹介してもいいですか?
(鶴)ありがとうございます。これ一言言うとくと、ええ人やなって。
(福)(笑)
メール:私はAMラジオを愛する中学3年生です。私のまわりでラジオ関心度は0%です。友達に自分が聞いてるっていったら、「ラジオってまだあるんだ」とラジオを完全否定されました。しかも福山さんをかっこいいと言ってた人に「魂ラジ」を紹介したら、拒否られました。今うちの学校でラジオを聞いてるのは、私と中1の弟ぐらいなので、ラジオにもいいところがあるってことを学校の皆にもわかってほしいと思います。
(鶴)(笑)君らがね、ちょっとづつ広めていって、ね。
(福)そうですよぉ。
(鶴)ラジオっていうのは口コミやから。
(福)そうですよねぇ!
(鶴)始め1人、2人、3人、それがだんだんだんだん広がっていくんですよ。
(福)あぁまたへこんできたなぁ。師匠お願いします。
メール:私のまわりもAMラジオを聞く人がおりません。親にも「そんなもの聞くんじゃないの」と言われるし、学校で話すと馬鹿にされます。しかもびっくりしないでください、学校で深夜のラジオをきかないという校則があるらしいんです。変ですよね。きっとこの中学校でラジオを聞いてる人は私ぐらいしかいないと思います。福山さん、このラジオについて誰にも話せない私を助けてください。
(福)え〜!?
(鶴)え〜!?深夜のラジオをきかないという校則がある。
(福)そんなわけないでしょ!?これ〜。えっ?ホントにそうなの?
(鶴)ね。
(福)それはちょっとどうなんですか?ニッポン放送としてこれは・・。
(鶴)これは私の時もそうでした。聞いちゃいけないけども、あの隠れて聞く分にはそこまで校長先生は一軒一軒夜中に覗きにけぇへんのやからね。
(福)そうです、はい。
(鶴)これはまぁ隠れキリシタンみたいな番組や・・。
(福)(笑)隠れキリシタンですかぁ。
(鶴)ホントねぇ、マニアックなほどね、マニアックであればあるほど、皆がね興味を持つんです。
(福)そうです・・。ちょうどこないだ僕長崎に帰った時にその、平戸の手前ですけど隠れキリシタンの里を通っていったんで、(笑)なんかすごい今フィットしてしまったんですけど、例えが。でですね、鶴光さん!AMラジオリスナーのその悲痛な叫び、ね、隠れキリシタンの悲痛な叫び・・。
(鶴)(笑)
(福)今メールでもあったように、AMラジオを聞いてると馬鹿と言われる、FMはかっこいいけどAMラジオっておやじくさい、っていうかAMラジオの聞き方すらわからない。
(鶴)うん。
(福)これが今の深夜のAMラジオの現状なわけなんですけど。そんな鶴光さんがやっていたオールナイトニッポンがどんなだったのか、10代のリスナーのために紹介しましょう。
(鶴)うん。
(福)「鶴光のオールナイトニッポン」とはですね・・、もう一回これ紹介させてください、リスナーに。
(鶴)うんうん。
(福)大阪のヤンタンで人気だった鶴光を、ニッポン放送がスカウト。1974年にスタートしました。毎週土曜日午前1時から朝の5時まで4時間の生放送でした。一回目はハガキもなく落語家のラジオらしく小話ばかりで4時間。制作部の亀淵さん、現社長ですね、から鶴光さんのしゃべりにはセックスアピールがかけている。聞いている人の心をピンク色に染めて欲しいと言われ、一念発起、男性のシンボルを亀、男女の交わりを注射、精液をカルピス、ブラジャーをかぶせ、女性のものを生牡蠣(笑)、などの鶴光エロ語録を次々と生み出し、スタートから六ヶ月で週に届くハガキがなんと!1万通を超える人気番組に。さらに数々の伝説を生んでおります。題して!鶴光のオールナイトニッポン伝説!
以下、伝説をかるく紹介しますと、「鈴木お茶もってこい」が流行語に。
(鶴)あっこれね、夜中のど渇くんです。あの当時のオールナイトニッポンって悲惨な状態でね、もう夜になったらね、クーラーきられるしね。
(福)あのニッポン放送、有楽町の方ですよね。
(鶴)そう。ほいでとりあえずもうディレクターにもう「鈴木お茶もってこーい!」言うたら、これが結構ブームになって。
(福)あぁそうですか。これねホント狭かったですよね。僕ね、初めてオールナイトニッポンをやらせていただいた時に、行った時に、「ここで鶴光さんもやってらしたんですよ」って聞いて、「狭いな」って思いましたね。
(鶴)ここはもうホント広いでしょ。ほんで表も見れるし。
(福)広いです。むしろちょっと無駄なスペースって感じもしますけどね。
(鶴)(笑)これのあとに「宮本お茶もってこい」と続くわけやけど。
(福)宮本さん。
(鶴)宮本さん、今常務ですがね。
(福)はい。まぁあの他にもネタハガキコーナーからは、「たまおっきいひろし」。もうこれねぇ・・。
(鶴)これ、「たまおーきいひろうし」というね、疲労するという・・。
(福)あっそうか。「たまがおっきいひろし」なわけじゃないですね。
(鶴)たまがおおきいから疲労すると。
(福)三次元的だなぁ。やっぱギャグが三次元的だなぁ。・・「あくのじゅうじか」。
(鶴)これは一番最初きたの「かめののろい」やったんやで。
(福)あっそうなんですか?・・流行のギャグがたくさんありました。えっ?「元祖なんちゃっておじさんのコーナー」?
(鶴)これ福山君、なんちゃっておじさん知らん?
(福)いや、知ってますけど。これ、鶴光さんところでしたっけ?これ。
(鶴)これ一番最初ハガキできてね、電車の中でねブツブツ言うてるおちゃんがおったんやて。
(福)はい。
(鶴)で横の怖い兄ちゃんが、「うるせぇ!静かにしろ!」って言うたら「うえーん」って泣き出したんで、その怖い兄ちゃんが、「俺知らんで」言うて電車を降りたとたんに、そのおっちゃんが「なんちゃって」って。これが最初のハガキ。
(福)これが最初だったんですか。
(鶴)うん。それからあの、浪曲おじさんとかね、いろんなおじさんが現れて、その元がこの「元祖なんちゃっておじさん」やね。
(福)へぇ〜。まぁ流行りましたよね、「なんちゃって」って言うのが。
(鶴)うん。
(福)これがブームになってギャラクシー賞を受賞。
(鶴)ギャラクシー賞ってなんか、なかなかとれんらしいよ。
(福)とれないですね。
(鶴)うんうん。
(福)とれないですし、こういうタイプのものがもらうっていうのは、まれなんじゃないですか。
(鶴)うん、司会者の人もそない言うてた。
(福)ですよね。普通・・。
(鶴)大概ね、あのいろいろ地方の局でその結構マジなやつなんです。
(福)戦後50周年のとか・・。
(鶴)そうそうそう。
(福)あの〜あれですよね、そういうやつが、社会派と言うか、お堅いものが割ととりますよね。
(鶴)だから地方の局の人は、これを作るために1年間かけると言って過言ではない。
(福)そうですね。ちょっとドキュメンタリー大賞みたいな感じなんですよね。
(鶴)そん中で司会の人が、「今回ちょっと変わった作品がギャラクシー大賞をとりました」って、これ紹介された。
(福)へぇ〜。「なんちゃって」でか、すごいなーそれ。そして変わりましての伝説はこちら!
本を出せばベストセラー、レコードを出せば大ヒット!「鶴光のかやくごはん」が先行大安売りに長蛇の列。
(鶴)これね、名古屋行った時にね、あの〜喫茶店でその本屋さんに電話したんよ。「どうです?客来てますか?お客さん」って、「誰もきてません」って言うから。「これあかんで」って行ったら、ものすごい人がおってね、ガードマンの人に「今日なんぞあるんですか?」「西条秀樹が来てるんです」って言うからやな、「こらあかんで」と思うて行ったら、私の本を買うために来ててね。シャッターを半分下げて中入れて、書いて出すという。
(福)すごいですね。もうなんかビートルズみたいじゃないですか、なんか。
(鶴)私自分でビートルズやと思うてましたからね、その時。(笑)
(福)いや実際それぐらい・・、ビートルズがやってくるですよ。
(鶴)そやけどね、本ってね、売れる時は売れる。レコードもこれね、気がついたら有線で1位になたったから。
(福)そうですよ、これ「うぐいすだにミュージックホール」。35万枚ですよ。
(鶴)キャンペーン行って売れん時きは1枚も買わんで。ところが売れる時は、ホントにもうもののみごとに、あのキャンペーンいったら。ねぇー。
(福)そうですね。まぁ売れる時っていうのは、ホントに何かほっといても自分の手を離れて、1人歩きしますからねぇ。
(鶴)これね、「かやくごはん」っていう本ね、これ書いた時にね、タイトルがわかれへんかったんよ。で、向こうの人がきて「タイトル何にしますか?」「えっと、タイトルって・・」「どんな本なんです?」「いやつまり色んなごちゃまぜ・・」「じゃぁ、かやくごはんですね」「それしましょ」って。だから向こうの人が「かやくごはんみたいなもんですね」って言うてくれはったん、その出版社の人が。
(福)はぁ〜。
(鶴)そんで「かやくごはん」に決まった。
(福)いいタイトルですね。
(鶴)ね、ごちゃまぜっていう意味のね。
(福)なるほどねぇ。
(鶴)でも爆発的にヒットしたから、「火薬のごはん」って考えたやつもおったけどね。
(福)(笑)
(鶴)そんな飯がどこにあんねん!っていう。
(福)そして!こちらの伝説、オールナイトニッポン爆破事件。生放送のスタジオを爆破するという脅迫電話が。それでも鶴光さんは「金魚鉢がわいの青春や」と屈することなく生放送をやりとげた。かっこいい!
(鶴)でもあと吐いたで。恐怖で。今から爆破するって言うてるでって、「皆一緒に死にましょか」って、ディレクターの鈴木さんが言った時に、俺も「いこう!皆死のう!死のう!」言いながら、ドキドキドキドキ、終って何もなかったら、すぐ吐いた。
(福)これはあれだったんですか?スタッフも内心すごいビビってやってたっていう状態なんですか?
(鶴)これがねぇ、あのいっぱい贈り物がくるでしょ。ほんで贈り物をあけるとね、コチコチコチって音がしてんの(笑)。これ、怖いで。これ目覚まし時計やって、俺わかってんの。わかってるど、あの隣に丸の内警察があった。
(福)ありましたね。
(鶴)一応そこに連絡せなあかんの。そのたんびにね、毎週よ、盾もった人がきてくれて。これが初め10人やったんが5人になって、しまいに1人になったんやけどね。
(福)いやでもこれって、その例えばこういう脅迫電話があったとして、これにつながるような事件って世の中で起こってたんですか?
(鶴)どっかのビルでね、何かパーンとあったんよ。
(福)あっあの映画であったじゃないですか。「太陽を盗んだ男」って沢田研二さんが、プルトニウムを手に入れて核爆弾をつくって脅迫していくやつ、巨人戦延長しろみたいな。そういうのに何か触発されたやつだったんですかね。
(鶴)つまりね、ファンが過激になってもうてね、いわゆる「鶴光」なんて呼ぶ人はおれへん。「どつる」やからね、まず。
(福)どつる。はいはい。
(鶴)ね。「どつる死ね!」とかいうのが、それがひとつの表現方法やねんね、奴らの。これがいわゆる愛情の裏返しかわからんけど。
(福)そういうコミュニケーションのとり方ですね。
(鶴)そうそうそう。頭に「こらっどつる」
(福)はいはいはい。
(鶴)「お前なんか死ね」とか書いて、ほんでこういう普通に書いてくる。それが一つの挨拶みたいやった。
(福)ちょっとアナーキーな、状態になってたんですね。
(鶴)そうそうそうそう。
(福)そういう状態で、秩序を保ってる状態というか。
(鶴)だからあの当時の、そういうのんて、皆もうスタッフももう、皆まさか、俺を爆破させてどないすんねん。なんのあれもないわけやから。
(福)ん〜でも影響力っていうことで考えると、それもなんか愉快犯がそれこそしかねないかな、という気もしますよね。あの頃の熱の伝わり方は、リスナーにとっては。
(鶴)一種のねカリスマ的になってくるとね、何かね、あの鶴光という人間を、独占したいという変なね、マニアックなんが出てくる。
(福)出てきますよね。はい。
(鶴)そやから表にね、待っとんねよ。で一番あかんのは、私いつも6時の新幹線で帰るのよ。そこへね、どう調べるのかしらんけど電話をかけてきよんねん。
(福)はい。
(鶴)かっこわるいですよ、新幹線の中で「笑福亭鶴光様、笑福亭鶴光様」、サングラスかけて「ちょっとすんまへんな」って、「もしもし鶴光か?あほっ」ガチャン。ホンマに腹立つ。(笑)それでまた寝てたら、「鶴光様、鶴光様・・」こんなんばっかりがもうしょっちゅう新幹線で。
(福)いやぁ、もうなんかジョン・レノンの「イマジン」のビデオを思い出しましたね。あの家にファンがやって来てね、ファンがやってきて「俺はお前と話がしたい」とか言って、普通は追い返すところをジョン・レノンは「じゃぁそんなに言いたいことがあるなら、一緒に飯食おう」って一緒に飯食うんですよね。まぁまぁ、ジョンは最後に撃たれて亡くなってしまいましたけど、師匠は私の前に今日座ってくれてますからね。
(鶴)そうそう。
(福)えっと、曲いきますか?・・「うぐいすだにミュージックホール」これおかけしたいと思います。
(鶴)ありがとうございます。
♪♪笑福亭鶴光 「うぐいすだにミュージックホール」♪♪
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