水晶恒温槽 (Xtal-oven) |
自己満足の ガラクタ 博物館 (0609) |
【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】
|
水晶振動子は機械的大きさによって振動周波数が決まります。
そして正しく設計された電子回路と組み合わせることにより規定の周波数で動作します。 しかし現実には意図しない周波数の変動が発生する場合が有ります。 これは動作環境の温度変化が水晶振動子や発振回路素子の定数変化を招き周波数偏差を生じさせます。
水晶振動子は原石から切り出す場合その結晶角度により発振モードや温度特性に違いがあります。 |
周波数偏差を限りなくゼロに近づける為の一つの方法は環境温度の変化を無くすことです。 ※一般の水晶振動子は常温で使用するように作られています。一般用水晶振動子を恒温槽に入れた場合周波数を合わせられなくなることがあります。 |
【 HC6/U型恒温槽 】 恒温槽としては簡便なヒータとバイメタルによる温度SWを小型の箱に入れたものです。 使用するXtalとしては耐候性の良いHC6Uを使用します。槽内温度は60℃程度です。 5W程度の電力を必要としますが-20~50℃くらいの雰囲気中で使用できます。 バイメタルの構造が違う2種類を展示しました。左の製品は螺旋状に巻いたもの、右の製品は円盤状のもの、
いずれも温度変化により形状が変化して機械的にSWを操作するようになっています。 1960年頃の製品です。 |
【 HC13U型恒温槽 】 HC6U型と同じ構造のものを長くしてHC13U型のXtalを入れるようにしたものです。
展示品はXtalの両側にヒータ(6.3V0.75A)があり熱適に強化したものと思われます。 大光電気工業 1967-3 |
【 H 型 】
円筒形の H 型です。 DAIKO E W 1967-5 製 |
|
【モトローラ・Motorolaの恒温槽l】 寿命が気になる接点をXtalと同じケースに封入しています。 手前の黒いケースのXtal様のものが温度SWユニットで故障の場合もSWのみの交換が出来ます。製造年については不明ですが1940〜1950年頃と思われます。type D-2、D-4など同じ形状でいくつかの型番が使われています。 中段は大きさ形状はほとんど同じですがケースはクロムメッキの金属製です。 下段 TYPE801 FT243型Xtalを2個重ねた大きさです。 |
【 75℃ CRYSTAL OVEN 】 形式名が不思議な表記です。メーカのちがう類似機種も75℃と書かれています。 75度というのは当時の電子機器としては使用限界に近い高温です。そのために60℃が多かった温度を意識してのネーミングなのでしょうか。 簡易型としては珍しく断熱材で保温されています。ヒータの電力は27.5V・1Aで大変な代物です。 |
【円筒形の小型恒温槽 】 日本ではあまり見かけない形式です。(左側一種のみ日本製) 温度はこれも高温タイプで75℃です。 左から2番目のケースにHC6Uを連想させるマークがありますが2個のHC6Uを入れることが出来ます。 【参考
】 |
【
K-2型水平式恒温槽 】
その名の通り日本規格のK-2水晶振動子が入ります。 新興電気工業 昭和28年3月製 |
【 CRYSTAL OVEN 16HC6/U 】
16個のHC6/Uを入れることが出来ます。形式もその名の通りです。 SHINKO ELECTRC IND. CO JUN-1970 |
【 温度計付き恒温槽 】 少し大型の温度計付き恒温槽です。熱伝導の良い銅製のケースにヒータを巻き付けたもの。
Xtalはガラス管タイプでしっかりと保温材で包まれています。
Xtalの温度変化(脈動)を小さくするための工夫でしょう。 槽内温度 65℃ 115V/AC 恒温槽としてはさらに大きな形のものも見受けます。 大型のものはベローズ(空盆)を利用した温度SWなどもありますが温度の脈動を小さくする工夫が見られます。 |
【 進化した恒温槽 】
恒温槽と水晶片を一体的に組み込んだモノです。
左の二つは参考品(Xtal)です。右側は内部にヒータ?(抵抗体10Ω)が組み込まれています。サーモスタットも組み込まれ密閉型の構造で 耐久性、安定性の向上につながったものと思われます。 米海軍の錨マークがスタンプされています。
|
ヒータ組み込み型 CRYSTAL UNIT 1000kc DC13?A ヒータは6.3v・FIESTA/0.3A |
【 電子式の恒温槽 】 恒温槽はヒータのON-OFFで温度を制御していますから、そのSWの寿命が問題になります。 またノイズの発生源にもなります。 トランジスタが熱に強くなりこのような熱源機器にも使えるようになりました。
サーミスタのような感熱素子を使ってトランジスタの電流を制御しています。
つまりトランジスタをヒータの代わりに使っているのです。
展示品の場合緑色のトランジスタの後ろ側にXtalが挟まっています。 |
これ以上簡単なモノはないと思われる製品です。
板金を加工して発熱体・ポジスタを貼り付けたモノです。 これは HC18/U(W) に使用した例です。(水晶を正位置にしたので逆に見えます) |
《 Radio-Xtalへ入場》
《 APPENDIXへ入場》
《Museum・表紙へ戻る》
《ホームページ・表紙へ戻る》