ハードボイルド・スクール|レイモンド・チャンドラー邦訳リスト

レイモンド・チャンドラー【Raymond Chandler 1888-1959】
シカゴで生まれ幼くして母とともに渡英。イギリスでの教育と生活が後の作風に大きく影響していると言われる。25才で再びアメリカに戻り、会社の役員などを経た後、パルプマガジン作家となった。その美しく抑制の効いた独特の文章は「チャンドラリアン」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出した一方で批判も多く存在する。映画産業に強い感心を抱き、脚本の仕事に専念した時期もあったが、映画界のビジネス優先の体質は彼を疲弊させただけだったという。

リストの枠の色は■青■は短・中篇小説を、 ■赤■は長篇小説を、■緑■はハードボイルド以外の小説をそれぞれ表しています。尚、エッセイなど小説形式でないものは掲載しておりません。また、グレーで表記されているものは現在絶版となっていると思われる刊行物、原題の後に★のついた作品は長篇にそのプロットが流用された短・中篇小説です。
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[和書] レイモンド・チャンドラー   [洋書] Raymond Chandler

1933(昭和8年)レイモンド・ チャンドラー45才でデビュー
  Blackmailers don't Shoot
脅迫者は射たない 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編 全集1/赤い風』
ゆすり屋は撃たない 小鷹信光訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集1/キラー・イン・ザ・レイン』
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1934(昭和9年)
 Smart-Aleck Kill
うぬぼれた殺人 稲葉明雄訳/集英社文庫『フィリップ・マーロ ウ』
殺しに鵜のまねは
通用しない
清水俊二訳/早川ポケミス『ヌーン街で 拾ったもの』
清水俊二訳/講談社文庫『チャンドラー美しい死 顔』
スマートアレック・キル 三川基好訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集1/キラー・イン・ザ・レイン』
 Finger Man
指さす男 田中融二訳/早川ポケミス『ヌーン街で拾ったもの』
指さす男 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集2/事件屋 稼業』
密告した男 小泉喜美子訳/河出文庫『ベイ ・シティ・ブルース』
フィンガー・マン 田口俊樹訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集1/キラー・イン・ザ・レイン』
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1935(昭和10年)
  Killer in the Rain
雨の殺人者 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集4/雨の殺人者』
キラー・イン・ザ・レイン 村上博基訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集1/キラー・イン・ザ・レイン』
  Nevada Gas
ネヴァダ・ガス 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集2/事件屋稼業』
ネヴァダ・ガス 真崎義博訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集1/キラー・イン・ザ・レイン』
 Spanish Blood
スペインの血 清水俊二訳/講談社文庫『チャンドラー美しい死顔』
スペインの血 佐藤耕士訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集1/キラー・イン・ザ・レイン』
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1936(昭和11年)
 Gun at Cyrano's
シラノの銃声 清水俊二訳/講談社文庫『チャンドラー美しい死顔』
シラノの銃声 小林宏明訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集2/トライ・ザ・ガール』
 The Man who Liked Dogs
犬が好きだった男 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集2事件屋稼業』
  同  /集英社文庫『フィリップ・マーロウ』
犬が好きだった男 田村義進訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集2/トライ・ザ・ガール』
 Pick-up on Noon Street
ヌーン街で拾ったもの 清水俊二訳/早川ポケミス『ヌーン街で拾ったもの』
ヌーン街で拾ったもの 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集4雨の殺人者』
ヌーン街で拾ったもの 三川基好訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集2/トライ・ザ・ガール』
  Goldfish
金魚 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集1赤い風』
金魚 木村二郎訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集2/トライ・ザ・ガール』
 The Curtain
カーテン 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集4雨の殺人者』
カーテン 加賀山卓朗訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集2/トライ・ザ・ガール』
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1937(昭和12年)
 Try the Girl
女で試せ 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集4雨の殺人者』
女を裁け 稲葉明雄訳/晶文社『マーロウ最後の事件』
トライ・ザ・ガール 真崎義博訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集2/トライ・ザ・ガール』
 Mandarin's Jade
翡翠 稲葉明雄訳/晶文社『マーロウ最後の事件』
碧い玉 稲葉明雄訳/集英社文庫『フィリップ・マーロウ』
翡翠 佐藤耕士訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集2/トライ・ザ・ガール』
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1938(昭和13年)
 Red Wind
赤い風 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集1赤い風』
赤い風 小泉喜美子訳/河出文庫『ベイ・シティ・ブルース』
赤い風 加賀山卓朗訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集3/レイディ・イン・ザ・レイク』
 The King in Yellow
黄色いキング 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集2事件屋稼業』
黄色いキング 田村義進訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集3/レイディ・イン・ザ・レイク』
 Bay City Blues
ベイ・シティ・ブルース 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集3待っている』
ベイ・シティ・ブルース 小泉喜美子訳/河出文庫『ベイ・シティ・ブルース』
ベイ・シティー・ブルース 横山啓明訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集3/レイディ・イン・ザ・レイク』
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1939(昭和14年)初の長篇発表、フィリップ・マーロウ初登場
 The Big Sleep
大いなる眠り 双葉十三郎訳/創元推理文庫
大いなる眠り 村上春樹訳/ハヤカワ文庫
 The Lady in the Lake
湖中の女 稲葉明雄訳/晶文社『マーロウ最後の事件』
レイディ・イン・ザ・レイク 小林宏明訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集3/レイディ・イン・ザ・レイク』
 Pearls Are a Nuisance
真珠は困りもの 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集3待っている』
真珠は困りもの 木村二郎訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集3/レイディ・イン・ザ・レイク』
 Trouble is my Business
怯じけついてちゃ
商売にならない
清水俊二訳/早川ポケミス『ヌーン街で拾ったもの』
  同  /講談社文庫『チャンドラー美しい死顔』
事件屋稼業 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集2事件屋稼業』
トラブル・イズ・マイ・ビジネス 佐々田雅子訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』
 I'll be Waiting
待っている 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集3待っている』
待っている 清水俊二訳/講談社文庫『チャンドラー美しい死顔』
待っている 田口俊樹訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』
 The Bronze Door
青銅の扉 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集4雨の殺人者』
青銅の扉 浅倉久志訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』
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1940(昭和15年)
 Farewell,My Lovely
さらば愛しき女よ 清水俊二訳/早川ポケミス・ハヤカワ文庫
さよなら、愛しい人 村上春樹訳/ハヤカワ文庫
さらば愛しき人よ 藤井ひろこ訳(ルビ)/講談社ルビー・ブックス
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1941(昭和16年)真珠湾攻撃。大平洋戦争始まる
 No Crime in the Mountains
山には犯罪なし 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集1赤い風』
にせ札を追え! 福島正実訳/国土社海外SFミステリー傑作選
山には犯罪なし 木村二郎訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』
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1942(昭和17年)
 The High Window
高い窓 田中小実昌訳/早川ポケミス
高い窓 清水俊二訳/ハヤカワ文庫
高い窓 村上春樹訳/ハヤカワ文庫
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1943(昭和18年)この頃より脚本の仕事が中心となり小説の発表数が極端に減る
 The Lady in the Lake
湖中の女 田中小実昌訳/早川ポケミス
湖中の女 清水俊二訳/ハヤカワ文庫
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1944(昭和19年)「深夜の告白」「愛のあけぼの」などチャンドラー脚本映画が封切

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1945(昭和20年)広島、長崎に原爆投下。日本がポツダム宣言を受諾

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1946(昭和21年)チャンドラー、ラ・ホヤに移住

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1947(昭和22年)

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1948(昭和23年)ラジオドラマ『フィリップ・マーロウの冒険』がスタート

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1949(昭和24年)
 The Little Sister
かわいい女 清水俊二訳/創元推理文庫
リトル・シスター 村上春樹訳/ハヤカワ文庫
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1950(昭和25年)チャンドラー作品が始めて日本に紹介される(別冊宝石)

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1951(昭和26年)前年に勃発した朝鮮戦争が激化
 Proffessor Bingo's Snuff
ビンゴ教授の嗅ぎ薬 稲葉明雄訳/創元推理文庫『短編全集3待っている』
ビンゴ教授の嗅ぎ薬 古沢嘉通訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』
 A Couple of Writer
二人の作家 清水俊二訳/早川書房『レイモンド・チャンドラー語る』
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1952(昭和27年)

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1953(昭和28年)
 The Long Goodbye
長いお別れ 清水俊二訳/早川ポケミス・ハヤカワ文庫
ロング・グッドバイ 村上春樹訳/ハヤカワ文庫
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1954(昭和29年)体調を崩していた18才年上の愛妻が死去、享年83才

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1955(昭和30年)『長いお別れ』がMWA最優秀長篇賞を受賞

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1956(昭和31年)アルコール依存症がかなり深刻となり、入退院を繰り返す

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1957(昭和32年) 
 English Summer
イギリスの夏 高見 浩訳/早川書房『レイモンド・チャンドラー読本』
イギリスの夏 高見 浩訳(改訳)/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』
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1958(昭和33年)「プレイバック」の小説化をめぐりユニヴァーサル社が提訴
 Playback
プレイバック 清水俊二訳/早川ポケミス・ハヤカワ文庫
プレイバック 村上春樹訳/早川書房
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1959(昭和34年)ラ・ホヤにて死去、享年70歳。最後の長篇は未完に終る
 The Pencil(Philip Marlowe's Last Case , Marlowe Takes on the Syndicate , Wrong Pidgeon)
マーロウ最後の事件 稲葉明雄訳/晶文社『マーロウ最後の事件』
  同  /早川書房『フィリップ・マーロウの事件2』
マーロウ最後の事件 横山啓明訳/ハヤカワ文庫『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』
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