「不細工な女は去れ」
「目覚めよと呼ぶ声が聞こえる」
硯塚犀角の処女作である青春大河小説。2009年6月に文芸社より再出版された。前作に比べると、分りにくい表現が改められ、また新聞記事がトップに掲載されるなどミステリー性が増している。目くるめくストーリの展開にドキドキしながら、気がつくとあなたにも「目覚め」が訪れているかも知れない。
硯塚犀角著 文芸社 735円
「物語の体操」
「みるみる小説が書ける6つのレッスン」
非常にユニークな本だ。ストーリの作り方を例を挙げながら実践的に示しており、小説を書くという行為をマニュアル化しようという試みは前例を見ない。なるほど、これなら誰にでもプロット(小説のためのお話)を作ることができそうだ。小説を書いてみたいけど、何をかいたら良いか分らないという人は、まずこの本から読んでみよう。自分の文章、文体を磨くのはストーリができてからで遅くない。
大塚英志著 朝日新聞社 560円
「ミステリーの書き方」
「アメリカ探偵作家クラブ著」
アメリカを代表するみミステリー作家たちがミステリー小説の書き方のガイドラインをまとめた本だ。しかし、ミステリー以外の一般の小説にも十分に通用する内容になっている。例えば、第15章の視点の選び方(ジャネット・グレゴリー・ヴォーマンデル)は、他の小説入門書よりも分りやすい。全てを見渡す視点と登場人物の視点のそれぞれの長所、短所が懇切丁寧に記載されている。アメリカのミステリー作家を知らない人には、少しとっつきにくい本かもしれないが、小説を書く心構えを学ぶという意味で作家志望者の座右の書と言える。
大出健訳 講談社文庫 650円