5〜6月ヨーロッパ旅行の思い出(2014年)
4日目


5月29日

午前7時
3泊したホテルを後にする。
フランスともお別れ。
心残りはい〜っぱいだ。

いつも混雑するパリの街を
意外にスムーズにバスは走り、
予定よりも早く
「パリ・リヨン駅」に到着。

これから
フランスの新幹線「TGV」に乗って
スイスへ向かうのだが、
出発時間まで1時間半もある。

チャンス到来!
前日買い物が出来なかったので、
構内で何か買うのだ!
大きな荷物は
JTBの方とポーターさんに
お任せで超身軽!

ところがお店はどこも
シャッターを下ろしている。
まだ時間が早いからか、
それとも
「昇天祭」という祝日だからか。
結局フランスでは
お土産を買うことは出来なかった。
子供達よ、ごめん。

ところで、この駅は
省略して「リヨン駅」と呼ばれるが、
「リヨン」という町は別にあり、
そこには「リヨン駅」という駅はない。
「パリ・リヨン鉄道」の起点駅として
開業したのが、
パリ・リヨン駅の名前の由来らしい。

9時11分
TGV「LYRIA」に乗る。
どこまでものどかなフランスの景色を
車窓から眺めながら
3時間の旅。

12時16分
スイス「ジュネーブ」到着。
国境を越えたわけだが、
こういう場合どうするのか興味津々。
一応入国検査と税関検査があると
いうことだったが、
パスポートをちらっと見せて
あっけなくスルー。
日本人だからという話しも聞いた。


パリ・リヨン駅を外から撮影。
重厚で素敵な建物。
時計台がシンボルのようだ。
フランスの駅って、
どこもこんなに素敵なのだろうか。


パリ・リヨン駅のプラットホーム。
フランス国有鉄道「SNCF」の起点。
特に改札口のようなものは
見当たらず、
小さな自動券売機と自動改札機が
置かれているだけ。
構内放送もなく、
駅員の数も多くなく、
日本の駅とは全く様子が異なる。
自分で
電光掲示板で
時間とホームを確認して、
チェックインする。


TGV2等車には
2人並び席と
4人ボックス席とがあり、
どの椅子も動かすことは出来ない。
日本の新幹線に比べて
狭いし、
高級感もないし、
車内販売もないし、
あまり快適とはいえなかった。
JTBで準備してくれた
おむすび弁当を
車内で食べる。
あまり美味しくなかったが、
から揚げとたくあんまで入っていて、
きっと心づくしのお弁当
なのだろうと思って完食する。


ジュネーブで
待ってくれていたバスに乗り込む。
ジュネーブの街も歩いてみたかったが、
残念ながら車窓からのみ。
何両も連結された路面電車が
縦横に走り、
そのデザインがなかなか凝っている。


ジュネーブから160キロ。
向かったのは首都「ベルン」。

まず、高台の「バラ公園」より
世界遺産の
「ベルン旧市街」を上から眺める。

三方を「アーレ川」に囲まれた
独特の地形の中に
中世の美しい町並みが
ず〜っと向こうまで続いている。
同じ茶色の屋根が
重なるように道路に沿って
繋がっているのがよく分かる。

ベルンとは
ドイツ語でクマ。
語源は諸説あるようだが、
紋章にも旗にも
クマがデザインされている。
熊が放し飼いされている
「熊公園」があり、
街のいたるところに
クマにちなんだものが。

バラ公園を出て、
山を降りると、
先ほどの中世の町並みが
すぐ目の前に現れる。

「ニーデック橋」を渡り、
旧市街に入る。
道なりに歩いて行くと
メインストリートである
「クラム通り」に入る。
中世の町並みというから、
昔の小さな道路を
想像していたので、
かなりの広さと長さに驚いた。


バラ公園展望台より
ベルン旧市街を望む。
アーチ型がきれいな橋は
アーレ川にかかる
たぶんニーデック橋。
だったら、
その橋のたもとには
熊公園がある。


屋根だけでも
これほど美しい景色は初めて見た。
全く同じ瓦屋根が、
重なり合うように続いている。
まるで計算されたかのように
どこを切り取っても美しい。


クラム通りの町並み。
石畳の大通りの両側に
統一された石造りの建物。
1階部分のほとんどが店舗で
カフェ、
おみやげ物店、
ブランド店が並ぶ。
観光客だけでなく、
近隣の一般市民も
ショッピングを楽しむ街のようだ。
両側になびいている旗は
スイスの国旗と各州旗。
それぞれ赤を基調としていて、
石造りの町並みに
素敵にマッチしている。


クラム通りの
両側の建物の1階部分は
アーケードになっていて、
ヨーロッパ最長のアーケードと
いわれている。
ロマネスク様式のような
美しい石造りの天井が続く。
この下に
お洒落なお店が並んでいる。


ベルンには
100以上の噴水があるそうだ。
そのうち有名なのが
11基のルネサンス様式の噴水。

噴水といっても、
上に吹き上げるのではなく、
下の方の
蛇口のようなところから
流れている感じ。
蛇口の付いた台座の上に
それぞれ名前の付いた
カラフルな人形が立っている。

私達が見ることの出来たのは
クラム通りの真ん中にある
「正義の女神の噴水」、
「サムソンの噴水」、
「ツェーリンゲンの噴水」の
3基だけだったが、
それぞれ特徴があり、
花が飾られ、
不思議な雰囲気だった。

ちなみに、
後で調べた残りの8基の名前は、
「伝令の噴水」、
「兵士の噴水」、
「モーゼの噴水」、
「子供喰いの噴水」、
「射撃手の噴水」、
「アンナ・ザイラーの噴水」、
「バグパイプ吹きの噴水」、
「リフリの噴水」、
「旗手の噴水」。

ベルン旧市街散策時間は
約1時間。
クラム通りを
時計塔まで行って
Uターンする。


サムソンの噴水。
イスラエルの英雄サムソンが、
ライオンの口をこじ開けている。
力強さの象徴。
他の10基の噴水にも
それぞれの意味があるらしい。


「ツィートグロッケ トゥルム」
ドイツ語で時計塔。
クラム通りと「マルクト通り」の
境目にある。
上の大きい時計が標準時計。
下の少し小ぶりなのが天文時計。
その隣にあるのは
たくさんの人形があしらわれた
からくり。
毎時56分になると、
これらの小さな人形が動き始め、
塔の最先端にある
(写真には写っていないけれども)
大きな鐘たたき人形が
鐘を数回たたく動作をする。
期待して集まった観光客が
拍子抜けするくらい
短い時間だけれども、
16世紀には
これらが完成されていたというから、
やはり大したものだ。
ちなみに
動力はゼンマイで、
時計職人の
オットー・シェーレルさんが
毎日15分かけて
ネジを巻いているそうだ。


「聖ヴィンセンツ大聖堂」
クラム通りから
ちょっと横道に入ったところにある。
尖塔は
スイスで最も高く、
100メートルもある。
歩いて上ることが出来て、
300段の階段を上ったところにある
展望台からの眺めは最高、
ということだったが、
今回は時間がないので
外からのみで、スルー。
後期ゴシック様式の大聖堂内部も
すばらしかったと、
入った人が話していたので、
後で少しだけ後悔。


「アインシュタイン・ハウス」。
1903年から3年間
「アインシュタイン」一家が
暮らしていた。
時計塔を見ながら、
「特殊相対性理論」を発見したと
言われている。
現在は記念館となっていて、
当時の状態に再現されていて、
研究資料や手記が
展示されている。
ここも外からだけ。


クラム通りは
石畳の上を
乗用車やバスが
普通に走っている。

クラム通りを過ぎると
路面電車(トラム)も
走っている通りに出た。
しかも複数両連結の。
さらにトロリーバスも。

観光客も多いが、
一般の市民の数も多い。
ここはスイスの首都だということを
思い出した。

16時半、
ベルンを後にする。

バスで南東方向へ。
次第に山が多くなってくる。
本物のアルプスに
近づいているのだ。
高度がだんだん高くなる。
雪を頂いた山々が見えてきた。
山道に入ると、
両側に野花が咲き乱れ、
牛やヤギが放牧されている
広い山裾が目の前に広がる。

ベルンから約2時間。
「グリンデルワルト
(グリンデルヴァルト)」到着。


この斜めの板が
看板ではなく、
物置の扉でもなく、
まさかお店の入り口だなんて!


ほら、こんな風に。


クラム通りと
マルクト通りとの交差点。
トラムが行き違う瞬間を狙って。


こんなところにもクマが。
電線で綱渡り?


グリンデルワルトは、
スイス・アルプスにある
ベルン州山岳地方
(ベルナー・オーバーラント)の村。
「インターラーケン」とともに、
観光の拠点であり、
山岳鉄道の終着駅のひとつ。

「アイガー」と
「ヴェッターホルン」を望む
アルピニスト憧れの村で、
ガソリン車乗り入れ禁止の
人気の山岳リゾート。
駅前には
日本人スタッフが常駐する
日本語観光案内所もある。

ホテルは駅前。
夕食まで1時間あるので、
チェックイン後
付近を散歩する。

お天気が良く、
19時というのに
辺りはまるで3時くらいの明るさ。

のんびりと
坂道を登ったり降りたり。
夫は花の写真を撮るのに夢中。
登山電車が
急勾配を上って行くのが見える。
明日は私達もあれに乗る。

夕食は
宿泊するホテルから
少し離れたレストランで
チーズフォンデュ。

楽しみにしていた1品だが、
これまで食べた
日本のどこのチーズフォンデュよりも
ワインが利いていて、
アルコールを全く受け付けない
体質の私には落胆物だった。
しかも、
溶けたチーズをまぶすのは
フランスパンとジャガイモだけ。
味は良かった。
ちょっと付けて食べることしか
出来なかったので、
たっぷり付ければ
きっとすごく美味しかったと思う。


雪を頂いた山々の
麓の牧草地には
小さな家々が点々と。
色とりどりの
野の花が咲き乱れ
牛やヤギが草を食んでいる。
のんびりした
本当に美しい景色。
これでも季節はまだ早い方だそうで、
夏になると
高山植物の花々で
百花繚乱となるらしい。


アニメ「アルプスの少女ハイジ」は
日本で初めて海外ロケをして
製作されたアニメ。
原作の舞台は
スイス東部の
「マイエンフェルト」という村だが、
ここ「ユングフラウ地方」も
そのイメージに近いということで、
ロケ地になったのだそうだ。
まさにハイジの村を
私が今見ているという感激。

スイスらしい外観のホテルをパチリ。
ディナーのチーズフォンデュを
食べたレストランは
ここかもしれない。


おもしろいもの見っけ!
駅の並びの
銀行のATM機のある建物。
看板に書いてある文字は
なんと「BANK EKI」。
「エキ」という銀行なのか、
それとも日本人向けのATMなのか、
いくら調べても分からなかった。


スイスの宿泊ホテルは
「HOTEL KREUZ & POST
(クロイツ&ポスト)」。

今回の旅行で一番良いと
聞いていた
(DX、SP、STのSP)
(7段階評価の上から3番目)ので
超期待。
フロントが狭くて不安だったが、
部屋は広くて綺麗で、
調度品も高価そう。

部屋から出られるテラスがあり、
雄大な景色を眺めながら
お酒を飲んだり
お茶したり出来るようになっている。

著名人が毎日のように訪れ、
評判の高級レストランや
スナックバーがあるそうだが、
今回の私達には
関係なかった。

私達のディナーは、
ホテルから歩いて5分の
別のホテルのレストランで。
分相応の
リーズナブルなメニューを。


クロイツ&ポストの入り口。
あまりホテルらしくない外観。
建物の1階に
日本語観光案内所がある。
確かに日本人が多い。


部屋のテラス。
けっこう広くて景色は抜群。
ただ、
このホテルで
ゆっくりする時間はなく、
せっかくの設備を利用できず。


お部屋の一部。
日本のビジネスホテルとは
明らかに違うインテリア。


バスルーム。
象牙色で統一されていて
美しい。
バスタブ無しと聞いていたのに、
ラッキー!
なぜか付いていた。
ただ、
夫に続いて入ろうとしたら、
水しか出ない。
日本人観光客が
いっせいにお湯を使ったからかも。


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1日目 成田から出発。フランス着。
2日目 モン・サン・ミシェル。
3日目 パリ市内、ベルサイユ。
4日目 スイスへ。ベルン、グリンデルワルト。
5日目 ユングフラウ、ザンクトガレン。ドイツへ。
6日目 ホーエンシュバンガウ、ヴィース、ロマンチック街道、ディンケルスビュール。
7日目 ローテンブルク、ハイデルベルク。フランクフルト空港。
8日目 フランクフルト出発。羽田着。