5〜6月ヨーロッパ旅行の思い出(2014年)
6日目


5月31日。

6時50分、
ドイツのバスで出発。
朝食は間に合わないので、
今日もお弁当。
詳しいメニューは忘れてしまったが、
大きなドイツの固いパンに
生ハムや卵などをはさんだものが
2個あったのは覚えている。
豪華で美味しかったけれども
とても食べ切れなくて
残してしまった。

1時間30分後、
「ホーエンシュバンガウ」の
チケットセンター到着。
これから
「ノイシュバンシュタイン城」の
見学ツアー。

まずリムジンバスに乗り、
ノイシュバンシュタイン城が
もっとも美しく見えるスポットという
「マリエン橋」に向かう。

かなり山の上である。
まだ8時半。
お天気はあまり良くなく、
霧がかかっていて、
はるか下の川以外は
何にも見えず。
入場は予約制で
すでに時間も決まっていたため、
あきらめることにする。
徒歩で山道をお城へ。

電光掲示板に
私達のツアー番号が表示され、
9時20分入場。

城内は写真撮影禁止で、
見学時間も30分と
決まっている。
職員の方がガイドについてくれ、
効率良く見学開始。

霧が晴れてきて
お城からマリエン橋が
見えるようになった。
見学後、
マリエン橋に再挑戦したい人と
チケットセンターの免税店で
買い物をしたい人に分かれる。

私は後者。
徒歩で約30分。
歩いてチケットセンターまで下る。
リムジン馬車(?)がそばを通る。
道路のあちこちに
お馬さんの落し物が。

免税店のスタッフは
ほとんどが日本人で、
不思議な気がしたが、
おかげで買い物はスムーズ。

近くのレストランでランチした後、
12時30分バスに乗る。


「ホーエンシュバンガウ城」。
「バイエルン」王
「マクシミリアン2世」のお城。
息子の「ルートヴィヒ2世」が
幼少時代を過ごした。
ルートヴィッヒ2世が心酔した
「ワーグナー」のオペラの
「ローエングリン」の
白鳥の騎士伝説は
この土地を舞台にしている。
ルートヴィッヒが
大人になっても
騎士伝説の妄想から
抜けられなくなったルーツは
ここにあるという見方が多い。
こちらも
なかなかきれいなお城だと思うが、
いわくつきの
「ノイシュバンシュタイン城」が
あまりにも有名で、
たいていのツアーコースには
含まれてはいないようだ。


ノイシュバンシュタイン城。
バイエルン王
ルートヴィッヒ2世よって
19世紀に建築された。
ただし、
ルートヴィッヒ2世の
突然の死によって
未完成部分を多く残したまま。
「ディズニーランド」の
「眠れる森の美女の城」の
モデルといわれる。
朝は霧で見えなかったが、
お昼には霧も晴れ、
チケットセンターから撮影。
マリエン橋に行った夫は、
さらにすばらしい景色に
感動した模様。
見せてくれた写真は
緑の山頂にたたずむ
美しいお城と、
その後ろに広がる
田園風景と街と湖との
コントラストがすばらしく、
確かに「白鳥城」という言葉が
ふさわしいお城に思えた。


城の内部の写真は
撮れなかったので、
入り口でパチリ。
お城の中は
完全にルートヴィッヒ2世の
趣味の世界で、
庇護していたワーグナーの
作品のモチーフがあちこちに。
膨大な資金を使い、
何とか住めるようになって
引っ越して来たのに、
実際生活したのは
たったの102日間だとか。
幽閉された挙句、
湖で謎の死を遂げるのである。
その時点で
工事は中止され、
直後には
一般公開されたというから、
何なのだろう?
ミステリー?
サスペンス?


政治に無頓着な上に、
国の財政を脅かすほど
城造りに散財していた
ルートヴィッヒ2世。
誉められたものではない
しかし、そのお城は、
未完成のままでも、
絶大な観光資源として
後世の人々のために
役立つことになったとは・・・。
妙な感傷にとらわれてしまった。


ここから
「ロマンティック街道」に入る。
「ヒュッセン」から
「ヴェルツブルク」までの366km。
ほぼ直線状に連なった
観光名所を、
地図上でつなげた
順路のようなもの。

ノイシュヴァンシュタインから
バスで40分。
世界遺産
「ヴィースの巡礼教会」。
小さな村
「シュタインガーデン」の草原に
ぽつんと立つ白亜の教会。

この日はお葬式があるので、
中には入れないかもしれないと
聞いていたが、
行ってみると
その気配など全くなかった。
JTBのガセネタか?
まずは良かった。

入り口から入ると、
修道女?の方が挨拶してくれた。
内部は写真撮影禁止だったが、
数人物陰からカメラを向ける人あり。
あとで聞いたら、
団体客は写真撮影禁止と
いうことだったらしい。


ヴィースの巡礼教会。
本当に
草原にぽつんと立っていた。
お天気はまさに晴天。
青と緑を背景に
白い壁に赤い屋根。
周りには
目立つものは何にもない。
心が癒されるような
美しい景色。


外見は特に派手ではないが、
内部は華やかで、
緻密な装飾が施され、
ロココ様式の最高傑作と
いわれている。
確かに、
入った瞬間、
あまりの豪華さに驚いた。
きらびやかな教会や宮殿は
いくつも見て来たが、
ここは
豪華さの中に
上品な空気が感じられた。
外観や周りの環境との
ギャップからかもしれないが。
写真が撮れなくて
残念。


かつて
「鞭打たれるキリスト像」が
安置されていた
小さな礼拝堂の祭壇。
教会の前身となった。


教会のある風景は
こんな感じ。
のどかな牧草地に馬が。
時間があったので
ゆっくり散策出来た。
癒された気がする。


ヴィースの巡礼教会で
ほのぼのした後、
ロマンティック街道をさらに北上。

約3時間後、
城壁に囲まれた
とてもかわいらしい街、
「ディンケルスビュール」到着。

17世紀の30年戦争や
第二次世界大戦の
戦火を免れ、
今も15世紀の中世の建物が
残されている。

鉄道が廃線となり、
公共交通としては
1日1便のバスしかない
人口1万人余りの小さな街。
目抜き通りの
「ゼークリンガー通り」は
端から端まで歩いても15分ほど。

中世の町並みの見学は
ベルン、
ザンクトガレンに次いで
3番目だが、
とにかくかわいらしい街である。
ベルンのような重厚さはない。
ザンクトガレンよりも
統一性がある気がする。
大通りに面した家々の形が
揃っているのだ。
それもそのはず、
建物には
細かい決まりがあるのだ。

そんな風に
古い街を大切に保存しながら、
観光にも力を入れ、
同時に普通に
生活をしている人達がいる。

この日は
夕方から何かイベントがあるのか、
広場の中に
ステージが作られ、
テーブルや椅子が置かれていた、


この街のモットーは
「川と草地のロマンティック」。
その表現のとおり、
水濠に囲まれた
緑豊かな街である。
右側が駐車場がある公園。
左側には川に沿って
城壁が続いている。
橋を渡り、
小さな門をくぐると、
すぐにかわいらしい家々が。


隣家と同じ色使いを
してはいけない、
屋根は茶レンガで傾斜は45度、
窓は窓枠で十字に切るなど、
街の美しさを保つための
決まり事があるそうだ。
切り妻屋根の傾斜のない面が
道路側になるように
建てられているように見えるのも、
やはり決まりごとなのかな?


「ドイチェス・ハウス」
1440年頃建てられた。
たくさんの
木組みの建物の中でも
特に美しいといわれている。
豪壮な7層の木組みで、
木彫りが施されている。
現在は観光名所であり、
ホテル兼レストランとして
使用されている。


(たぶんケーキ屋さんの)看板。
なんてお洒落で
センスが良いのだろう!
他にもたくさん
工夫を凝らした
お洒落な看板があった。
よく見なければ
何屋さんか分からないけれども、
中世の街並みの雰囲気を
壊すことなく、
むしろいっそう素敵に街を飾っている。
日本の統一性のない看板や、
香港の横長の野卑な看板と
つい比べてしまった。


30年戦争の時、
カトリックについていた
ディンケルスビュールは、
プロテスタントの
スウェーデン軍に
町を占領されてしまう。

まさに町を破壊されようとした時、
町の子供達が
スウェーデン軍の隊長に
町を救ってくれるよう懇願した。
その中の一人の女の子が
隊長の亡き娘にそっくりだったことで、
隊長が心を動かされ、
破壊することはやめたという。

この歴史に基づき、
毎年7月の第3月曜日前後に、
子供達に感謝する
お祭りが行われる。
「キンダーツェッヒェ
(歴史子供祭り)」というそうだ。

そんな話しを
添乗員さんから聞きながら
約1時間の観光。

スーパーマーケットに
立ち寄る人もあり。
ワインやピクルスが
よく買われていたようだった。
それから、プチトマトも。
連日の食事が
野菜不足気味だからなぁ。

ディンケルスビュールを後にして
さらに約1時間。
「ローテンブルク」の
ホテルに着いた時は
18時30分になっていた。


奥の建物は
「聖ゲオルク大聖堂」。
15世紀建造のカトリック教会。
南ドイツで最も美しい
後期ゴシック様式の教会と
いわれている。
手前のレンガ色の建物は
「ツム・グロッケン」。
市参事会宴会場とか?
旧市庁舎とか?
現在は観光案内所として
使われているようだ。
この屋根に注目。
こんな美しいモザイク模様で
飾られている屋根は
初めて見た気がする。


聖ゲオルク大聖堂の尖塔。
愛称「ダニエル」。
13世紀のロマネスク様式。
先端までの高さ90m。
上から1層目が
展望台になっていて、
その高さ70m。
石の螺旋階段と
木組みの階段合わせて
350段の階段を
徒歩で上らなければならないので、
最初からあきらめていた。


聖ゲオルク大聖堂の内部。
「 ハレンキルヒェ(ホール型教会)」
という様式で、
窓が大きく、内部は明るい。
中央祭壇は。
超豪華なネオゴシック様式。


聖ゲオルク大聖堂の
入り口の上。
つまり中央祭壇の反対側。
これまた
超豪華で美しいパイプオルガン。


この日のホテルは
「ROTHENBURGER HOF
(ローテンブルガー・ホフ)」。
JTB評価DX、SP、STのST。
7段階評価のちょうど真ん中。

古くて狭くて
ちょっと残念なホテルだったが、
予想の範囲内。
部屋は清潔で、
ドイツらしく整然としていて
安心した。

部屋のキーが
前のホテルと同様おもしろい。
剣の形をしていて、
剣先でドアのポイントをつつくと
ドアが開くしくみ。
部屋の写真も
キーの写真も撮り忘れてしまった。

ここで問題発生。
ユーロが残り少なくなったので、
両替しようと思ったら、
土日は銀行はお休みで、
ローテンブルクには
他に両替所はないということ。
ホテルで両替しようと
思っていたけど、
田舎の小さいホテルなので、
それは出来ないということだった。

カードの使えない
毎食の飲み物と
枕チップ分くらいは必要だしと、
困っていたら、
ツアーで親しくなった方が
両替してくださった。

無事にホテルで夕食を済ませ、
添乗員さんの案内で
21時から夜のお散歩。
お天気が良かったので
まだ明るく、
夕暮れ時の風情。


城壁で囲まれた
中世の街ローテンブルク。
ホテルから徒歩5分くらいで
城壁に到達。
この「レーダー門」をくぐると
そこにはまたもや
素敵な街並みが目の前に。


数時間前に見学した
ディンケルスビュールとよく似た
ローテンブルクの街並み。
かなり広く、
道も入り組んでいるようだ。
翌日ゆっくり散策するので、
この日はざっと。
説明もざっと。


市庁舎。
何かあるのか、あったのか、
数人の人がたむろしていた。
何の旗か分からないが
旗が3基。
翌日にはなかったのだが、
なぜかな?


本屋さんの看板。
ディンケルスビュール同様、
こんな素敵な看板があちこちに。
素敵なのは看板だけでなく、
ショーウィンドウも超素敵!
詳しくは明日。


2014年6月の
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1日目 成田から出発。フランス着。
2日目 モン・サン・ミシェル。
3日目 パリ市内、ベルサイユ。
4日目 スイスへ。ベルン、グリンデルワルト。
5日目 ユングフラウ、ザンクトガレン。ドイツへ。
6日目 ホーエンシュバンガウ、ヴィース、ロマンチック街道、ディンケルスビュール。
7日目 ローテンブルク、ハイデルベルク。フランクフルト空港。
8日目 フランクフルト出発。羽田着。