連載「トレモロがもろにうまくなる講座」
[6].トレモロできれいな音を出す秘密
- 上の図を見て下さい。
- この図の左は指先より見たもの、中は指の腹から見たもの、右は指の横から見たものです。
- 弦が動く方向を矢印に示しています。(実際には指が動くのですが)
- 赤いAの指の腹部分が弦が最初に当たる部分です。この部分で弦の振動を止めます。(たとえば最初にa,m,iと弾いた場合
mを弾くときにはまだaで弾いた弦が振動しています。これを一瞬にして止めるのです。)
- 弦が爪に当たる瞬間に弦が振動しているとバチッと雑音が出ますので、必ずAで消音するようにします。
具体的には爪(指先)のタッチを浅くしたり深くしたりして良い音が出る点を探してみて下さい。
- 次は消音後弦が爪に当たる瞬間です。といってもAの終わり付近とB点はほぼ同じとなりますので、振動が完全に死んでから爪にあたる格好となると思います。
- まず青色の所のB点に弦が当たります。最初に爪が当たる点はこのB点一カ所のみです。
爪がべたっと弦に当たってはいけません。必ず雑音がでます。
- Bに弦が当たり青色部分の爪先をCに向かって弦が移動(擦る)していきます。
この間は弦の一点と爪の一点が当たっています。
爪先に傷があると、ここで雑音が発生します。特に爪に直角方向の傷は致命傷ですね。この場合は紙ヤスリで磨きます。
- B,C間で爪から弦にエネルギーを与え(弦をたわませ)C点で音を発します。
- これを繰り返す事により綺麗な音が出るのです。
トレモロに限らずギターを弾く場合は殆ど同じ爪の動き方ですが、特に
トレモロは弦を短時間にたくさん鳴らすので
相対的に爪が弦に当たっている割合が多く、爪の雑音が大きいとトレモロの
音質にもろに効いてくるのです。
- またトレモロはアルアイレで弾きますので、アポヤンド奏法に比べどうしても指のタッチが浅くなり
かさかさとした音が出やすいので要注意です。
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