DV法とは?
 〜DV防止法を知ろう〜DVは犯罪です〜


DV防止法 (配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)

〔前文〕
配偶者からの暴力は、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害である。配偶者からの暴力の被害は、多くの場合女性であり、経済的に困難である女性に配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の妨げとなっている。(一部抜粋)

第1条 配偶者からの暴力とは身体に対する不法な攻撃であって、生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。
※ 被害者と加害者が婚姻関係(事実婚・同棲・元夫を含む)にあること。

国及び地方公共団体の責務
国の基本方針に即して配偶者からの暴力を防止し、被害者保護の責務がある。

配偶者暴力支援センター
都道府県は、「配偶者暴力支援センター」を設置し、身体的暴力だけではなく、精神的暴力についての相談を受ける。また、被害者の一時保護や自立のための情報を提供し、その他の援助を行う。
※ 県女性相談所・婦人相談所・女性相談支援センター・女性サポートセンター・子ども家庭相談センター・男女共同参画センター等が設置されています。

警察官による被害の防止
警察官は、通報等により配偶者からの暴力が行われていると認められたときは、暴力の制止、被害者の保護など被害の発生を防止するために必要な措置を講じなければならない。

被害者の保護
配偶者暴力の発見者による通報
第6条 配偶者から暴力を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力支援センターや警察に通報するよう努めなければならない。

医師または医療関係者は、その業務に当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見した時は、被害者の意思を尊重したうえで、通報することができる。また、配偶者暴力支援センター等の利用について、情報を提供するよう努めなければならない。

第23条 職務関係者は、被害者の心理状況、その置かれている環境を踏まえ、人権を尊重し、その安全の確保及び秘密の保持に十分配慮しなければならない。


コラム
 DV防止法は加害者からあなたを守ります


長きにわたって「法は家庭に入らず」は、家庭を無法地帯にし、暴力の加害者を野放しにし、女性の生命は保護されず、安全なはずの家庭の中で、女性は危険な暴力にさらされ続けてきました。

DV防止法は、「暴力は犯罪である」「DVは個人の問題ではなく、社会の問題であり、社会的に解決しなければならない」と、DV被害当事者と共に支援者であるの女性のたちが声をあげ、超党派の女性議員たちと連携し運動してきた結果、議員立法として成立しました。

DVは単なる「夫婦喧嘩」ではなく、女性に対する暴力であり犯罪です。 2001年4月、DVは犯罪であり、国や治自体がDVを防止し、被害者を保護する責任があると規定されたDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)が成立、施行されました。

DV防止法が成立してからも、より安全に使えるDV防止法実現のため、被害当事者と支援者が協働し、2008年までに2度にわたって改正され、実効性のあるものに改善されてきました。
この度、2013年6月、5年ぶりに3度目の改正がされましたが、DV被害当事者にとってはまだ十分とは言えず、更に検討と改正が必要とされています。

DV法第3次改正 平成25年7月公布、平成26年1月3日施行

1 適用対象の拡大
生活の本拠をともにする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。) をする関係にある相手からの暴力及びその被害者について、この法律を準用すること。

DV防止法を詳しくお知りになりたい方は、内閣府のホームページをご参照ください。
http://www.gender.go.jp/e-vaw/law/index2.html

by マリコ


〔参考図書〕
『女性たちが変えたDV法 〜国会が「当事者」に門を開いた365日〜』
DV法を改正しよう全国ネットワーク 編著 (新水社)
『裁判の女性学 〜女性の裁かれ方〜』 福島瑞穂著(有斐閣選書)
『司法における性差別 〜司法改革にジェンダーの視点を〜』 日本弁護士連合会(明石市書店)
『フェミニズム法学 〜生活と法の新しい関係〜』 朝倉むつ子 戒能民江 若尾典子 著(明石書店)
『ドメステイック・バイオレンスとジェンダー 〜適正手続きと被害者保護〜』 吉川真美子著(世織書房)
『ジェンダーと法 1 〜DV・セクハラ・ストーカー〜』
水谷多恵子 水谷英夫 著 (信山社リーガルクリニック業書)
『DV防止とこれからの被害者支援』 戒能民江編著 (ミネルヴァ書房)
『ドメスティック・バイオレンス』 戒能民江著 (不磨書房)
『ドメステイック・バイオレンス防止法』 戒能民江編著(尚学社)
『DV防止法活用ハンドブック 〜DV法を使いこなすために〜』 日本DV防止・情報センター編 長谷川京子 監修
『詳解 改正DV防止法』 監修 南野知恵子 神本恵美子 山本香苗 吉川春子 福島瑞穂(ぎょうせい)
『危機をのりこえる女たち〜DV法10年、支援の地平へ』 戒能民江編著 (信山社)


コラム
 すべての人が尊重される社会、男女共同参画社会の実現をめざして


男女共同参画基本法 (1999年 公布 施行)

〔前文〕
我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等に向けた様々な取り組みが、国際社会における取組と連動しつつ、着実に進められてきたが、なお一層の努力が必要とされている。
一方、少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等、我が国の社会経済情勢の変化に対し、対応していくうえで、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊急な課題となっている。
このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の実現を、二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付け、社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図っていくことが重要である。
ここに、男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにして、その方向を示し、将来に向かって国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会に対する取り組みを、総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。

基本理念  男女共同参画社会を実現するための5本の柱
      3条 男女の人権の尊重
      4条 社会における制度又は慣行についての配慮
      5条 政策等の立案及び決定の場への男女共同参画
      6条 家庭生活における活動と他の活動の両立
      7条 国際的協調

目的
◆ 全ての国民が、性別に関わりなく個人として尊重され、男女が対等な立場で、あらゆる活動に、対等に参画し、責任を分かち合う男女平等参画社会を目指す。
◆ 女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を作る。
◆ 性別により役割を固定的に考える「固定的性別役割分担意識」の解消を目指す。

by マリコ