モラル・ハラスメントとは? 〜巧妙陰湿化する見えない暴力、心を殺す暴力〜
DV法ができたことにより、証拠が残らないモラルハラスメントが増えています。 モラルハラスメントは言葉や態度により追い詰める精神的暴力のことであり、DVの一形態です。 妻や恋人の【人格を全否定】し、自信と意欲を奪い【相手を思いどうりにコントロールするため】振るう暴力です。あらゆる手段を使って相手を精神的に追い詰め、被害者の心身を破壊します。
DV・モラ夫は外で他人にはニコニコ顔をし、家庭で妻や子どもには鬼のような顔になるのです。外面(ソトヅラ)と内面(ウチヅラ)が180度違うのです。 被害を受けてる妻や恋人が友人等に「夫からモラハラを受けて辛い」と相談しても、夫は外でいい人やっているので、「あんなにいい人が!!あなた何言ってるの!」と分かってもらえず、二次被害を受け、更に傷つけられてしまいます。 被害者は「誰にも理解してもらえない」と落ち込み、「何処にも相談できない」と孤立し一人で悩み続けることになります。
モラ夫は「強い劣等感」を持ち、非常に小心者です。家で弱い立場の妻や子どもに暴力を振るうことで、自分の力のバランスを保っているのです。 モラ夫は自己愛が過剰に強く、子どもにも無関心です。女はこうあるべき、男はこうあるべきという思い込み(ジェンダー)も強く「俺は外で働いて食わしているのだから、お前は家で家事育児を完璧にやるべき」と、女性を家に閉じ込め女性役割を強要します。 妻が話し合いをしたいと思っても、話が噛み合わず、話し合いが成立しないのが最大の特徴です。彼らは変わりません。
DVもモラハラも被害者が一人で解決することは困難です。男女共同参画センター、女性センター、配偶者暴力支援センター、よりそいホットライン等へご相談ください。
〔参考図書〕 『家庭モラル・ハラスメント』 熊谷早智子著 (講談社α新書) 『モラル・ハラスメント 〜人を傷つけずにはいられない〜』 マリー=フランス・イルゴイエンヌ著 高野優〔訳〕(紀伊国屋書店) 『こころの暴力 夫婦という密室で 〜支配されないための11章〜』 イサベル・ナザル=アガ著 田口雪子〔訳〕(紀伊国屋書店) 『モラル・ハラスメント 〜弁護士とカウンセラーが答える 見えない暴力との決別〜』 橋本智子・谷本恵美・矢田りつ子 共著 コラム等 熊谷早智子著 (明石書店) 『モラル・ハラスメントのすべて〜夫の支配から逃れるための実践ガイド〜』 本田りえ・露木肇子・熊谷早智子 共著 (講談社)
コラム 〜サイト: モラル・ハラスメント被害者同盟によせて〜
フランスのマリー=フランス・イルゴエンヌさんの著書『モラル・ハラスメント〜人を傷つけずにはいられない〜』の本のタイトル、モラル・ハラスメントは、翻訳者高野優さんの名訳によるものである。高野さんはモラル・ハラスメントは「精神的な嫌がらせ」というよりも、「心を殺す犯罪」と言い切っている。 ホームページ『モラル・ハラスメント被害者同盟』の管理人である熊谷早智子さんは、イルゴエンヌさんの本に出会い、自分が日々感じてる恐怖と苦しみの経験が、そのまま書かれていることに衝撃を受けた。 他にも自分と同じように精神的嫌がらせであるモラル・ハラスメント(DV)を受け、苦しんでいる女性たちに「モラル・ハラスメント」とというものがあることを伝えたかった。 「モラル・ハラスメント」と言葉を広めるためにサイト『モラル・ハラスメント被害者同盟』を開いた。 2009年10月、とうとう熊谷さんの熱意が通じて、パリのイルゴエンヌさんの事務所でお会いし、「モラル・ハラスメント」について語り合えた。 『モラル・ハラスメント被害者同盟』は、今年1月を以って10周年を迎え、サイトへのアクセス数は200万におよぶ。 多くの女性たちが、『モラル・ハラスメント被害者同盟』へたどり着き、自分の苦しい経験が何なのか「モラル・ハラスメント」と名前がつくことで、理解することができた。 熊谷さんが、たった一人で始めたサイトは沢山の女性たちの希望の光となっている。 モラルハラスメント被害者同盟 http://www.geocities.jp/moraharadoumei/by マリコ