子供への虐待とは?


≪ 虐待のタイプ ≫

1 身体的虐待
児童の身体に暴行を加えたり、子どもを死に至らしめる行為。
【例】殴る・蹴る・叩く・踏みつける・タバコの火を押し付ける・物を投げつける・熱湯をかける・放り投げる・逆さ吊りにする・アルコールを飲ませる・食事を与えない・戸外に締め出す・部屋に閉じ込める等。

2 性的虐待
子供への性的暴力。子どもに対して猥褻行為をする。猥褻行為をさせること。
【例】胸や性器にさわる・性交をする・キスをする・性交を見せる・ポルノ写真やビデオを見せる・ポルノ写真を撮る・ビデオを撮る等。

3 ネグレクト(育児放棄、保護の放棄)
保護者・同居人が子どもの正常な発達を妨げる行為や安全・健康を阻害する行為。
【例】食事を与えない・衣服を洗濯しない・入浴させない・登校させない・乳幼児を車の中に放置・乳幼児を家に置いたまま保護者が外出・家へ閉じ込める・病気やけがをしても医療を受けさせない等。

4 心理的虐待
暴言を吐いたり、無視や脅迫行為、配偶者に対する暴力などにより心理的外傷(トラウマ・PTSD)やうつ病、アダルトチルドレンなど、重大な精神疾患の症状をもたらすため禁じられている。
【例】脅し・無視・「バカ」・「ブス・醜い・ブタ」・「お前は生きる価値がない」・「お前なんか生むんじゃなかった」・「お前なんか死んだほうがいい」


コラム
 児童虐待は社会にとって重大なリスクである


ホットラインには耳を澄ましてもなかなか聞き取れないほど小さい声、泣いてる声、終始嗚咽が続く電話等、虐待で追い詰められ女性たちが勇気を出して全国から電話をかけてくる。かけて来たものの、ほんとうに自分の話を聞いてくれるのか半信半疑だったりする。何から話したらよいのか、戸惑いながら「夫がDVでしょうか?実は…子どものころから両親から虐待を受けてきた。逃れるため結婚した」「両親がいまだに40代の私を殴る」「殆ど外へ出たことがない」「体調を崩している」「病院へはお金がないから行けない」等と訴える。
成人した女性たちが子どものころから大人になった現在に至るまで、親から虐待を受け続けている事に私は驚愕せずいられない。大人になった被虐待児は子どもの虐待の概念と重ねられず、社会的に忘れ去られた存在となっている。
2000年、児童虐待防止法が制定され、子どもへの虐待が顕在化しだしたのは最近のことなのである。それまで「親のしつけ」と見られ、社会的に見過ごされ容認されてきた。成人した20代から50代の被虐待児が、50代から80代の親に暴言を吐かれ叩かれ家に閉じ込められ、 動けない状態になっている。
親からの虐待がなければ、彼女たちも社会の一員として一人前に働き、社会貢献し、納税者にもなれていただろう。虐待がどんなに社会にとってリスクになっているか、私たちは児童虐待とDVにもっと関心を寄せ、社会問題として解決していく必要があると思う。

by マリコ