トラウマの影響とは?


トラウマがもたらす影響は、私たちが人として持っている信念を揺るがし、「この世は安全でいられる」という感覚や「良いことをしてる人には良いことが起こり、悪いことをした人には悪いことが起こる」という信念など、考え方の再検討を強いられます。
ショックな被害を受けて生ずる次のような反応は、危険(死の恐怖)に対する生物学的反応です。生物である私たちの当然の生き延び策なのです。

1 感情レベル … 行動準備のための身体反応によって、心臓がドキドキし、呼吸が荒くなる。
2 思考レベル … このままだと死んでしまう。逃げなければならない。
3 行動レベル … 攻撃する。逃げる。じっとして動かない。動けない。固まる。


外傷性ストレス障害(PTSD)の慢性化

人は感情が余りに強く、コントロール不能になると、トラウマになった出来事について思考停止します。思考停止することによりPTSDが慢性化するのです。


トラウマの慢性化を防ぎ、回復が可能な条件を持ってる人たち

1 人生において何度も困難な状況を克服し、試練に打つ勝つ体験を持った自信がある人。
2 トラウマ的状況に対して、職業的訓練を受けた人(消防士、警察官、救急医師、スチュワーデスなど)。
3 過酷な経験をしたが、家族や社会から適切なサポートを受けることができた人。


トラウマを受けると、次のようなことに陥る危険がある

1 自殺未遂
自己価値観の低下。生きていても仕方がない。アルコールや薬物依存。過食や拒食。

2 罪悪感
〜できなかった私が悪い。私が駄目だから、私が弱いからと、強い自責感をもつ。

3 うつ病
怒りを抑制する。怒る自分に罪悪感をもつ。自分を責める。汚れ感、無力感をもつ。

4 信頼感の喪失
誰も信用できない。ひとりぼっちだ。安全でないと感じる。